浅井 洋貴 院長の独自取材記事
あさい内科医院
(川崎市多摩区/中野島駅)
最終更新日:2024/08/07

消化器内科、肝臓内科を専門とし、一般的な感染症やアレルギー疾患など内科全般も広く診療する「あさい内科医院」。浅井洋貴(ひろたか)院長は「私がなじみ深い場所で、地域の医療貢献できることにやりがいを感じます」と話す。「当院は先進的な機器による内視鏡検査のほか、生活習慣病による脂肪肝の早期発見と対応など、身近な場所で専門の知見を生かした診療の提供をめざしています」。新たな機器の積極的な導入は自らが新し物好きという面もあると笑う、明るい雰囲気の浅井院長に同院の専門性や地域医療への想いについて詳しく聞いた。
(取材日2024年2月19日)
先進的な機器による検査・診断を多くの人に
こちらは消化器内科や肝臓内科が専門と伺いました。

私は大学病院や地域密着の基幹病院の消化器内科に長く従事し、早くから内視鏡検査を扱い、日本肝臓学会肝臓専門医として多くの患者さんを診てきました。この経験を地域で生かしたいと考え、当院では内視鏡による消化器がんなどの早期発見、肝臓内科の専門的な診療に力を入れています。また、内科全般を診る地域のかかりつけ医として、腹痛のほか、風邪やインフルエンザといった感染症、各種の生活習慣病などに幅広く対応します。コロナ禍では発熱の患者さんを診る外来を設け、院内でPCR検査も行って地域の皆さんのご不安に応えるよう努めました。私も以前は川崎市内に住み、登戸の近くの小学校に通っていましたから、この辺りは昔からなじみのある地域。そうした場所で地域医療に貢献できるやりがいを感じています。
どのような方が受診されるのでしょうか?
この地域には高齢の方も多いのですが、最近では若いファミリー層、近くの大学の学生なども増えていて、当院を受診される方は非常に幅広くなっています。消化器内科では腹痛などはもちろん、健康診断で再検査となった方、ご自身で胃や便に不調を感じられた方への内視鏡検査も行います。検査では体への負担が少ないとされる超音波検査(エコー)も積極的に併用し、より適切な診断に尽力。当院で特定健康診査いわゆるメタボ健診やがん検診を受けられる方も増えていますね。内科全般では感染症や生活習慣病のほか、喘息や花粉症などのアレルギー疾患の方も来院されます。症状を治すだけでなく、日々の健康管理もアドバイスし、当院で対応が難しい場合には適した医療機関をご紹介しています。
内視鏡検査の機器をはじめ設備を積極的に新しくされていますね。

わざわざ大きな病院に行かなくても、身近な場所で適切な検査・診断が受けられるようにと考え、内視鏡検査の機器は2020年に一新しました。3種類の光を使い分けて病気を発見しやすく、見分けやすくするタイプで、高解像度の画像を拡大して確認できるのも特徴です。超音波検査も、肝臓の硬さを測定できる新型の機器に更新しました。私自身が新しい技術や機器に興味があることも、こうした機器を導入するきっかけといえます(笑)。また患者さんが使いやすいよう、事前に問診票をスマートフォンやPCから入力できるシステムも導入。ご自宅からウェブ経由で利用すれば落ち着いて入力できますし、問診票のために早めに来院する必要もありません。入力された患者さんの基本情報や症状などをもとに、AIが適した質問を提示していくことで情報の取りこぼしを減らし、より適切な診断に役立つと考えています。
専門の知見から消化器がんや脂肪肝の早期発見に注力
新しくなった内視鏡ではどんな検査が受けられますか?

食道や胃などを検査する上部消化管、大腸などを検査する下部消化管の内視鏡検査が受けられます。通常の光のほかに、病変らしき部分を見つけやすくする特殊な光、見つけた病変が治療すべきかどうかの判断を助けるレーザー光を使い分け、消化器がんなどを早期でも見逃さないよう心がけています。大腸で見つかった1cm前後のポリープや早期がんなどは検査時に切除もでき、治療のために再度来院いただく必要はありません。また、内視鏡検査による痛みや苦しさをなるべく軽減できるよう、鎮静剤でそうした感覚を鈍らせることで楽に受けられる方法もご案内しています。上部消化管では、鼻から検査用ファイバーを挿入することで嘔吐反射の軽減が期待できる経鼻内視鏡もお選びいただけます。
ピロリ菌を検査するメリットや注意点を教えてください。
2013年にピロリ菌に対する検査が保険適用となり、当院でも多くの検査を行ってきました。ピロリ菌は胃の粘膜に感染して炎症を起こすため、感染が続くと慢性胃炎になり、胃潰瘍、胃がんになるリスクが高まるとされています。ピロリ菌の検査・除菌はこうしたリスクの軽減に役立ちますが、除菌をしても慢性胃炎が回復するには数年かかることがほとんど。その間は同様のリスクが続いていると考えられ、実際に除菌をした翌年に胃がんが見つかるケースもあるのです。当院では検査・除菌後のフォローアップも重要と考え、数年は年1回の内視鏡検査を受けていただくよう勧めています。
肝臓内科では脂肪肝に着目されているそうですね。

以前はウイルス感染によるB型肝炎・C型肝炎がほとんどで、肝硬変や肝がんに進行して亡くなる方も多かったのですが、現在は治療の進歩により、亡くなる方は減少傾向にあります。逆に増えたのが生活習慣病で脂肪肝になり、肝炎から肝硬変・肝がんに進行するケースです。当院では内視鏡では検査が難しい肝臓を血液検査と超音波検査で調べ、早期でも脂肪肝および肝炎を見つけて、食事や運動といった生活習慣の改善を勧めています。コロナ禍で外出が減っていたせいか、最近の健康診断では若い方でも運動不足から生活習慣病になった方も多いと感じました。私もこの時期に体重が増えてしまったので、今は通勤時に登戸駅から当院まで20分ほど歩いて運動不足解消を図っています。特に現在もリモートワークが中心の方は、運動習慣をつけて生活習慣病の改善をめざしていただきたいですね。
「一期一会」の気持ちで全人的な診療をめざす
診療の際に心がけていることを教えてください。

患者さんに対して「一期一会」の気持ちで、一人ひとりのご期待やご要望にできる限り応えたいと思っています。医師は1日に複数の患者さんを診ることになりますが、患者さんにとっては私の診断・治療が人生に大きく影響する可能性も考えられます。ですから患者さんの話をよく伺って、患者と医師という立場よりも人間同士として話すことを大切にしています。そして病気のことだけでなく、患者さんを全人的に診るよう心がけ、病気を治療した後の患者さんの生き方まで見据えて、診断し治療するようにしています。
地域のクリニック同士の連携にも力を入れているそうですね。
当院がある多摩区では以前から医師会のつながりが強く、クリニックごとの専門性を生かした地域連携が進んでいるのが特徴です。当院に上部消化管や下部消化管の内視鏡検査を依頼されるクリニックも多いですね。大きな病院だと場所が遠かったり、予約が取りづらかったりするので、患者さんにとっても近くで専門的な検査・診断が受けられるのはメリットだと思います。逆に私がかかりつけ医として診ている患者さんで、心臓や血管の病気で診断に困ったとき、循環器内科の先生に診ていただくなどの連携もあります。近年多いのは、私が診ていた患者さんが高齢になって通院が難しくなり、在宅で診てくれるクリニックを希望されるケースです。幸いにも医師会で知り合った先生の中に、当院に近くて安心して在宅医療をお任せできる方がいらっしゃるので助かっています。そのほか手術や専門的な検査が必要な患者さんには近くの基幹病院や大学病院をご紹介してます。
今後の展望や地域の方へのメッセージをお聞かせください。

一つはほかの診療科の医師の協力を得て当院の診療の幅を広げることです。すでに週1回ですが呼吸器内科の医師を招いて高齢の方に多い呼吸器の病気を診療し、さらに私がこの時間を内視鏡検査に充てることで、検査予約を少しでもスムーズにとれるよう配慮しています。また、院内の設備や環境の充実もさらに進めたいと考え、AIを利用した超音波検査器のほか、将来はAI対応の内視鏡検査システムの導入も検討したいですね。地域の方には、やはり「病気の早期発見には定期健診が大切」という点をお伝えしたいと思います。企業や自治体などで行う一般的な健診は毎年受け、3年に1回は人間ドックのような専門的で広範な検査も利用していただくと病気の早期発見に効果的です。当院でも特定健診、がん検診、企業健診を行っていますのでご利用ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃内視鏡検査/2万2000円~、大腸内視鏡検査/3万3000円~、一般健診/1万円~