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瀬戸武志 院長の独自取材記事

横浜ながつた内科・呼吸器クリニック

(横浜市緑区/長津田駅)

最終更新日:2021/10/12

瀬戸武志院長 横浜ながつた内科・呼吸器クリニック main

JR横浜線、東急田園都市線が交差する長津田駅近くに2012年10月に開院したばかりの「横浜ながつた内科・呼吸器クリニック」。西口すぐのさくらクリニックモール内にあり、共用の駐車場19台を完備しているので駅前でありながら、車での通院にも便利なクリニックだ。大きな窓から明るい光が差し込む待合室は居心地が良く、もちろん完全バリアフリー。町のクリニックでは珍しくマルチスライスCT撮影装置を設置している。「診察でなくても気軽に立ち寄ってくれる、地域の方の集会所のような場所にしたいですね」と話すのは院長の瀬戸武志先生。基幹病院の呼吸器内科で臨床経験を積み、このたび念願である自分のクリニックを開院させた。自宅では4歳の娘さんの遊び相手に忙しいと微笑まれる瀬戸院長に、医師としての歩みや、開院にあたっての決意、休日の過ごし方などを楽しくお話しいただいた。

(取材日2012年12月1日)

長期間の喫煙歴のある50歳以上の方は、ぜひ肺がんCT検診を

2012年10月に開院したばかりだそうですね。

瀬戸武志院長 横浜ながつた内科・呼吸器クリニック1

実家から近いということもあり、高校は桐蔭学園に通っていました。緑区の横浜新緑総合病院や青葉区の市ヶ尾カリヨン病院に勤務していたこともあり、昔からこの辺りにはなじみがありまして。土地勘のある場所で開業したいと思い探していたので、このクリニックモールはぴったりでしたね。長津田はJR横浜線、東急田園都市線、こどもの国線が通り、患者さんにも便利に通院していただけると思います。開院してまだ2ヶ月ほどですが、横浜新緑総合病院に勤務していた頃の患者さんが当院を受診され、私のことを覚えていて声をかけてくださることもありました。愛着のある土地で開業させていただき、以前の患者さんに再会できることをとてもうれしく思っています。

内装は、明るいグリーンが印象的ですね。

月並みですが緑区にあるクリニックですし、周辺には私も時々遊びに行く「こどもの国」という緑豊かな大きな公園もあり、緑のイメージカラーが最適だと思いました。受付カウンター、待合室のソファ、各部屋の扉、診察室の椅子やファイルなどの備品にも緑を取り入れました。院内は、車椅子で診察室まで入れる完全バリアフリーです。開業にあたっては、勤務医時代に「こんな環境で診療をしたい」と思い描いていたことを院内に実現しました。例えば、診察室のデスクに病気や薬についての説明ツールを置き、患者さんにお見せしながら説明できるようにしました。特に小児の喘息患者さんとその保護者の方にピークフローメーター(気管支喘息の長期管理に使用する医療用計測機器)を導入してもらう時には診察室で現物を使って紹介しています。また、待合室には医療についてのパンフレットを多数設置し、ご自由にお持ち帰りいただいています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、高血圧、糖尿病、禁煙、メタボリックシンドロームについてなど私がわかりやすいと思い、是非、患者さんに読んでもらいたいと思ったものを選びました。本当はゆっくり患者さんに自分の病気や自分の服用している薬について説明をしたいのですが、時間的な制約もありなかなか時間が取れない場合もあります。これら説明ツールやパンフレットは、短い時間でも患者さんにとって効率よく自分の病気や服用している薬を理解していただけるような診療の補完になればと思っております。

設備面でこだわられたことは何ですか?

瀬戸武志院長 横浜ながつた内科・呼吸器クリニック2

私は呼吸器を専門に診療経験を積んできました。ですから、少なくとも呼吸器に関しては、手術が必要なのかどうか等、診療の大きな方針を立てられる設備を整えたいと考え、マルチスライスCT撮影装置を導入しました。これによって、レントゲンで胸部に異常影が見つかった場合にも、他の病院に紹介することなく、当院でCT検査を受けていただくことができます。2011年のアメリカの研究機関の調査で、肺がんCT検診はヘビースモーカーの肺がんによる死亡率の減少に効果があることが証明されています。また、CT検診の方が、レントゲン検診よりも肺がん死亡率を20%も多く低下させることも報告されています。自覚症状がなくても、長期間1日20本以上のタバコを吸っていたことがある50歳以上の方には、肺がんCT検診をおすすめしたいですね。当院のCTは、最新被ばく低減技術搭載のマルチスライスCT撮影装置ですから、被ばく量も少ないですし、検査による痛みや苦痛はありませんので、安心して検診を受けていただけます。

紙カルテとコンピューターによるオーダリングシステムを併用し、より丁寧な診療を

開業して2ヶ月、どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

瀬戸武志院長 横浜ながつた内科・呼吸器クリニック3

お子さんからお年寄りまで、幅広い年齢層の患者さんに来ていただいています。お若い方ですと、喘息やアレルギー、風邪、予防接種が多いですね。お年を召した方では、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病のご相談が増えています。診療においては、医療専門用語をなるべくわかりやすい言葉に置き換えることを心がけています。それでも、診察後、患者さんがスタッフに「先生がさっき言っていたのはどういう意味ですか?」とご質問いただくこともあります。「まだまだ私のご説明が足りなかった」と反省しますが、スタッフがしっかりとフォローしてくれるのでありがたいですね。私にお話ししにくいことや質問しにくいことでも、スタッフにお話ししてくだされば対応しますので、患者さんにはぜひ何でもご相談いただきたいですね。

診療においてのこだわりを教えてください。

当院では、紙カルテとコンピュータによるオーダリングシステムを併用しています。CT・X線写真の画像管理だけでなく薬の処方や血液検査のオーダーなど、効率と正確性が問われることにはコンピュータを使い、診療録は、紙カルテを使用しています。紙カルテだと患者さんの家族構成やもうすぐ旅行に出かけるなど、対話の中で得たちょっとした情報をすぐにメモできます。このメモは、患者さんとの信頼関係を築きながら診療するうえでとても大切だと考えています。しかし、電子カルテに打ち込む方式ですと、会話中、患者さんのお顔ではなく、パソコンを見ながら情報を打ち込むことになってしまい、最低限の診療情報しか記載する余裕がありませんでした。これが、いかにも患者さんに対して失礼な気がして、勤務医時代は大きなストレスでした。現在は、患者さんを診察しながら、あるいは会話しながらちょっとしたことも紙カルテに記載し、次回の診察に反映できるように心がけています。デジタル化を全て否定しているわけではなく、アナログとデジタルのいいとこ取りですね(笑)。

ところで、先生はなぜ呼吸器を専門にされたのですか?

瀬戸武志院長 横浜ながつた内科・呼吸器クリニック4

医学部での臨床研修期間中に漠然と人間の体全体を診られる医師になりたいと考えました。今考えれば、内科だけでも全ての領域を究めることは難しいと思いますが……。結局、色々と悩みぬいた結果、医学部卒業後は呼吸器内科に入局しました。その当時考えた理由は、肺が悪いと心不全になりやすくなったりしますし、呼吸器は膠原病やアレルギーとの関係も深く、肺を診ながらも常に全身も診ていかなければいけません。呼吸器を専門に学ぶことで、全身を診ることができる医師をめざそうと思いました。

気軽に通える地域のかかりつけ医をめざして

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

瀬戸武志院長 横浜ながつた内科・呼吸器クリニック5

特に印象に残っている患者さんということではないのですが、勤務医時代には、CT検査をしなければ発見できなかった多くの肺がん患者さんを診てきました。なかには偶然、CT検査をして発見された患者さんもたくさんいます。例えば、健診で胸部異常影を指摘され、CT検査を行ったところ異常を指摘された反対側の肺で偶然にも肺がんが見つかり手術で切除できた患者さん。また、通院していた女性から「主人に咳があるから、ちょっと診てもらえませんか」と相談され、ヘビースモーカーだったので念のためCT検査をしてみたところ、早期の肺がんが見つかったのです。CTでかろうじて見えるくらいで、レントゲンでは判別できないほどの早期の状態で咳の原因にはなりそうにはありませんでした。手術のできる病院を紹介し、その後手術を受けられ、無事に切除することができました。肺がんは、現在のところ手術で切除しなければ完治しませんし、発見時の腫瘍の大きさによって予後が大きく変わります。それだけに、早期に切除できたことは本当に良かったと思いました。このように、レントゲンでは見つからなかった肺の病気がCT検査で見つかるという経験を何度もしたことも、自分のクリニックを構える際に必ずCT検査装置を導入しようと決めた理由のひとつです。

お忙しい中、休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

独身時代や夫婦2人のときは、音質の良い大きなスピーカーを使って、家でゆっくり映画を観ることが好きでした。でも、今は4歳の娘がいるので、2時間もじっとしていられる時間なんてありません。映画もすっかり見なくなり、スピーカーは処分しました(笑)。今は、娘が私と一緒に遊ぶのを楽しみに待っていてくれていますから、帰宅後はゆっくり新聞を読む暇もありませんね。毎日のように買い物ごっこやレストランごっこ、予防接種ごっこをしていて、私はお店の人の役もお客さん役もこなしますよ(笑)。公園で遊んだりすることも多いですし、休日はもっぱら家族サービスです。子育てをすることで、子どもに喜んでもらうにはどうすればいいのかがわかるようになり、小児診療にもすごく役立っていると思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

瀬戸武志院長 横浜ながつた内科・呼吸器クリニック6

当院では、喘息治療に対して小児期、学童期、成人期にわたって継続的な診療が可能です。また、地域のかかりつけ医としてあらゆる健康相談にお応えしており、睡眠・いびき外来や、保険診療内での禁煙外来、各種健康診断も行っています。そして、呼吸器の専門医として、CTを用いた精度の高い検査・診療にも自信をもって対応しています。当院の待合室には、患者さん同士が仲良く腰掛けて、診療が終わった後もおしゃべりを楽しんで帰っていかれる、そんなイメージで一畳分の畳ベンチを設置しました。ご自由にお使いいただける血圧計もありますし、体調に関して心配ごとがあれば何でも相談しほしいですね。地域に根ざした温かいクリニックを目指して、これからもスタッフ一同頑張っていきますので気軽に足を運んでいただきたいです。

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