後藤英麿院長の独自取材記事

まろ歯科クリニック

(立川市／立川駅)

最終更新日：2023/04/20

患者から愛称で呼ばれるほど、地元住民にとって身近な存在である「まろ歯科クリニック」。院内に足を踏み入れると、アロマの香りが漂う落ち着いた空間が広がっている。完全予約制の同院では、後藤英麿院長が患者一人ひとりと真摯に向き合い、オーダーメイドの治療を提供。セラミック治療やインプラント治療をはじめ、専門性の高い自費診療を強みとしながらも、それらを決して無理強いせず、あくまで必要な場合に一つの手段として提案するスタンスなのだそうだ。歯科医療や患者に対する強い思いのもと、細部までこだわりを持つ後藤院長に、自身の診療スタイルや具体的な治療内容についてたっぷりと話を聞いた。

（取材日2023年2月8日）

地域に根差し、専門的かつ価格に配慮した自費診療を
オーダーメイド治療のため、患者一人との時間を大切に
できることは自身で行い、患者に最大限関わりたい

地域に根差し、専門的かつ価格に配慮した自費診療を

初めに、立川に開業した理由や院名の由来を伺います。

当院が入っている建物は私の実家でもあり、この地では70年以上の歴史があります。そして2009年、建物の老朽化に伴ってクリニックを建て直し、新たに開業した次第です。院名は、私の名前の英麿をとって「まろ歯科クリニック」と名づけました。普通は駅名や自分の名前をそのままつける場合が多いと思いますが、一度聞いたら忘れられないものにしようと考えたんです。ありがたいことに、今では多くの方が「まろ先生」と呼んでくださいます。ちなみに患者さんは、地元の方が多いです。一方、最近は新しいマンションも建ち始めたので、今後は新たな土地から移住して来られる方にも来ていただけたらうれしく思います。

自費診療も数多く行っているそうですね。

はい。自費診療ではさまざまな材料を用意しつつ、適正な価格に配慮した形でご提案しています。患者さんの多くは「自費診療は高い」というイメージを持たれていると思いますが、私は自費診療を「保険診療の延長線上にあるもの」と考えています。特にインプラント治療に関しては、患者さんを何年も診ながら可能な限り歯を残し、最終的に残せなくなったときに初めて選択肢に上がるものだと考えています。患者さんのご希望もお聞きしながら、自費診療をご提案させていただきます。また歯の根の治療などは、保険の範囲内ではどうしても限界があります。そのため、より高度な専門性を要する処置が必要な場合に、歯科用顕微鏡による治療が可能な専門家など、複数の先生・医療機関にご紹介できる体制も整えています。

自費診療の中でも注力している治療は何ですか？

1つ目は、患者さんからのご要望も多いメタルフリー治療です。さらに詰め物やかぶせ物の作製は、自費診療専門の歯科技工所に依頼しています。オールセラミック以外にコンポジットレジンも扱っており、奥歯の比較的小さな金属であれば、その場で外して交換することも可能です。2つ目はインプラント治療で、こちらは残念ながら歯を失ってしまった際、患者さんとご相談した上で対応します。そして3つ目は、大学時代の同期の歯科医師と提携して行っている矯正治療です。当院では月に1回、矯正専門の歯科医師が無料相談を実施しており、歯科用CTによる撮影を行った後、矯正にかかる期間や費用、治療した場合の期待できるメリットや放置した場合のデメリットなどを時間をとって説明します。

オーダーメイド治療のため、患者一人との時間を大切に

内装・設備面におけるこだわりはありますか？

内装は高級感のあるものにしているほか、アロマを焚いたり、イベントごとに院内を飾りつけるといった工夫をしています。きれいな美容室へ行くような感覚で受診できるよう、クリニックらしくない雰囲気づくりを大切にしていますね。診療室は半個室ですが、入り口が空いているだけなので完全個室に近い状態です。プライバシーはきちんと保たれていますのでご安心ください。機材に関しては、高音が出たりクリニック独特の臭いが出たりするものの使用を極力避け、ユニット周りをすっきりさせています。あと、当院にはインプラント治療を行うためのオペ室があり、完全個室の広いスペースを確保しています。オペライトは天井に埋め込み式で、手術室内の清潔さを保つためのクリーンエアシステムも設置しているのが特徴です。

先生の診療スタイルを教えてください。

当院の歯科医師は私のみで、基本は患者さんお一人に30分、時には2時間近くかけて診療しています。その方に合ったオーダーメイドの治療をご提供したいという思いがあり、バタバタ診療したくはなかったので、完全予約制でじっくり患者さんと向き合える形にこだわっています。緊急でない限り、飛び込みでいらした初診の方にも予約の取り直しをお願いしており、過去には「早く治療を終わらせてほしい」と来院された方をお断りしたこともありました。それだけ治療や事前の説明、患者さんとの信頼関係の構築のために十分な時間がいるんです。診療ではひどい痛みがあるケースを除き、治療計画を練るお話から始めます。今後必要となる治療の可能性や治療の流れもわかりやすくお伝えするよう心がけています。

ほかにも診療における特徴はありますか？

すべての患者さんに対し、口腔内のCT画像を撮影しています。「せっかくCTを導入したのだから皆さんに還元したい」という気持ちが生まれ、保険適用内で、現在は2次元のパノラマ写真を撮るのと同じ要領で、3次元のCT画像を撮っています。CT画像を通して歯の根の数や歯の生え方などが立体的にわかるため、お口の中の状況もより適切・詳細に説明できます。加えて被ばく量も少なく、パノラマ撮影と大差ありませんので、お体への負担も小さいのがメリットです。

できることは自身で行い、患者に最大限関わりたい

自費診療でも価格に配慮して提供することに努めているのですね。

最小限のメンバーで診療しているため、人件費がかからないからできていることなのかもしれません（笑）。スタッフが忙しいときは、型採りに使う印象材を練る作業や消毒など、できることはなるべく自分でやっていますからね。患者さんを最初から最後まで診たい、診療に関わる部分は絶対に自分でやりたいと思っていますので、メンテナンスやクリーニングの最終チェックも、できる限り私が行うようにしています。患者さんには「毎回同じ先生に診てもらえる」という面でもご安心いただけるのではないでしょうか。

その分お忙しいことと思いますが、プライベートはどのように過ごされているのですか？

よく友人と海釣りに行きますね。釣った魚を自分で捌き、なかなか手に入らないお酒も酒屋さんに通って調達し、魚料理とお酒を楽しんでいます。それに忙しいといっても、当院の診療は夜7時きっかりに終了するのが特徴で、スタッフも5分後には退勤しています。残業はせず、掃除も診療後ではなく翌日の余裕のあるときに行うなどして、メリハリをつけているんです。

今後の展望をお聞かせください。

今後は治療だけでなく、予防にも一層取り組みたいと考えています。現在当院では、歯科衛生士が専用の機器を使って実施するPMTCをご提供しています。3ヵ月ごとに保険のクリーニングと交互に受けることもできますし、毎月PMTCを行っている患者さんもいます。ホームホワイトニングとPMTCのセットメニューもご用意しておりますので、予防意識の高い方や、歯を白く健康に保ちたいという方はぜひこちらもご検討ください。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は開業後、地元の知り合いや同級生なども数多く来院してくれています。クリニック自体はこの地で約15年診療を続けており、祖父の代から住んでいる年数も含めると実に70年以上にもなるため、いろいろな意味で「地域に根差したクリニック」だと思っております。当院では決して妥協せず、すべての患者さんにオーダーメイドの治療をご提供したいと考えています。患者さんのニーズと私たちがやりたいことは違うことも踏まえて一緒に治療方針を決め、複数ご提案した治療法の中からご本人に1番合ったものを選んでいただくことを大切にしています。リラックスして受診できるクリニックづくりにも取り組んでいますので、どうぞ気軽にお越しください。