柏原 智章 院長の独自取材記事
豊五歯科医院
(北区/王子駅)
最終更新日:2026/09/11
王子駅からバスで6分の場所にある「豊五歯科医院」。大規模団地内に位置し、1976年より50年にわたり、地域住民の歯の健康を見守ってきた歯科医院だ。祖父の開いた歯科医院を継いだのは、孫の柏原智章院長。歯科医院の歴史と先代院長の教えを守りながら、先進の医療設備とチーム医療で、精度にこだわった診療を提供している。信頼関係を大切にする姿勢は、患者のみならずスタッフにも及ぶ。特に歯科技工士との結びつきは強く、切磋琢磨しながら協力し合い、精巧な技工物の作製に努めている。「最終目標は北区の健康寿命を1年延ばすこと」と語る柏原院長に、診療の際の心がけや、今後の展望について話を聞いた。
(取材日2026年4月23日)
歴史を大切に、先進の医療設備で口腔内全体を診る
診療内容について教えてください。

一般歯科・小児歯科・審美歯科・矯正歯科と幅広く対応し、通うのが困難な方に対しては訪問歯科も行っています。歯科医師は非常勤も含め6人で、ユニットは全9台。プライバシーにも配慮した個室・半個室の造りです。私の診療方針は、1本の歯だけを診るのではなく、全体を診て包括的に治療すること。むやみに抜くのではなく、歯を残すことを大切にしています。「虫歯になったらその都度治療をする」と考える方もいらっしゃいますが、一度つじつまが合うように噛み合わせなどを含め、全体を治療して、あとは簡単な検診だけで済むようにしたいんです。そうすれば年齢を重ねてから残る歯の総数も変わるでしょうし、口腔内の健康も長く保たれると考えています。
院内の設備についても教えてください。
エックス線撮影装置や歯科用レーザー、マイクロスコープ、歯科用3DCT、口腔内スキャナーなどを備えています。マイクロスコープは、歯を拡大して見ることができる歯科用の顕微鏡。肉眼では難しい部分まで確認しながら治療ができ、写真や動画に保存して患者さんに確認してもらうことも可能です。歯と骨の状態が立体的に見える歯科用3DCTは、歯周病や歯の根など細かい部分の診断、親知らずの抜歯やインプラント治療に役立てています。また口腔内スキャナーは、マウスピース型装置を用いた矯正を行うときはもちろん、噛み合わせの診断時にも活用することができます。
50年の歴史を持つ歯科医院と伺いました。

当院はおよそ50年前、この周辺の団地ができた頃に祖父が開いた歯科医院です。院名も「豊島五丁目」から取ったもので、ここは5丁目5番地の5なんです。祖父の代から、親子3代で通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。私自身は、大学を卒業してから埼玉県央病院の歯科・口腔外科で経験を積みました。その後は分院の歯科医院で院長を務めていましたが、2013年に祖父が引退することになったので当院に戻ることになりました。団地や近隣にお住まいの方はもちろん、勤務医時代の患者さんは今でも埼玉から通院してくださっていますし、ご家族やご友人からのクチコミで来院される方も増えています。
信頼関係が「良い診療」につながっていく
親子で通う方も多いそうですね。

キッズルームを併設した診療室もあるので、お子さんと一緒に通いやすい環境かと思います。歯が生えたばかりの小さな患者さんも多いですね。私は歯科医院を「痛いときだけ治療のために行く場所」ではなく、「健康づくりのために定期的に通う場所」にしたいんです。小さなうちから歯科検診が習慣になれば、きっとそのように歯科医院を身近に感じていただけるでしょう。また、お口の状態を歯科医師が定期的に診ることで、歯や顎の健やかな成長をサポートすることもできます。そのために、口呼吸を直すためのトレーニングや矯正治療を提案することもあります。
矯正治療は子どもも大人も受けられますか?
はい。矯正は月に2回、矯正を専門とする歯科医師が担当しています。「子どもが矯正をしても乳歯はいずれ抜けてしまうのでは?」と聞かれることもありますが、子どもの矯正は、永久歯が正しく並ぶための土台作り。歯や顎の健全な発育を促すことが大きな目的で、それに伴って見た目も整っていくことが期待できるというわけです。そして大人の場合は、すでに骨格はできあがっているので歯の位置を動かしていくことをめざすのですが、実はここにも健康面でのメリットが期待できます。歯の位置は噛み合わせや力のかかり具合に影響し、それが歯の割れる原因となったり、歯科治療の成果が発揮されにくい状況となることも。歯を正しい位置に並べることで、これらのリスクの軽減がめざせます。
診療の際に心がけていることは何ですか?

患者さんの「怖さ」や「不安」をくみ取り、納得感のある治療を心がけています。例えば技術面では麻酔に工夫をしていますし、また、心理的な抵抗感や不安感を解消してもらうために、これまでの経験で不快だったことやつらかったことをお伺いするんです。同じような嫌な思いをさせないよう、治療時には注意を払っています。ユニットに座って、いきなり治療に入ることはありません。まずはその日の治療内容を説明し、納得してもらった上で開始します。治療途中にも痛くなりそうな場合などは予告して、患者さんと一緒に乗り切っていく感じですね。先ほども挙げた私の治療方針でもある「1本の歯だけを診るのではなく、全体を診て包括的に治療すること」、そして「患者さんとの信頼関係を大切にすること」。これらは祖父から引き継いだ姿勢です。
歯科技工士との信頼関係も厚いそうですね。
そうなんです。精巧な技工物の提供は、歯科技工士の優れた技術と信頼関係があってのことだと思っています。現在、技工をお願いしている歯科技工士とは、もう20年近い付き合いです。一緒にセラミックの勉強会に出席したり、外部の歯科医師に向けてのセミナーも主催しています。セラミックは天然の歯に近く、他の歯に負担をかけることも少ない素材です。口腔内の健康を考えると多くの方にお勧めできるものですが、保険は適用されません。それでもセラミックの利点をご理解くださった方に、満足してもらえる治療を提供できるよう、私も歯科技工士も知識と技術の向上に努めています。
北区に住む人たちの健康寿命を1年延ばしたい
こちらで働くスタッフについてご紹介ください。

当院には、歯科医師とスタッフが合わせて15人ほど在籍しており、月に1度は全員でミーティングを開いています。当院の理念は「豊五歯科医院に関わるすべての人が、お口の健康を通じて、自分自身を大切にする」です。スタッフ全員がこの理念に沿い、患者さんの悩みに寄り添っています。長く勤めているスタッフが多く、歯科知識も豊富です。さらにスキルアップをめざすスタッフには、勉強会への参加など、当院がバックアップ。時には外部講師を招き、口腔ケアの技術や、ホスピタリティー、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」のいわゆる5Sなどについて学ぶ場を設けています。
ところで、先生はなぜ歯科医師をめざしたのですか?
実を言うと、高校時代は歯科医師ではなくて医師になりたかったのです。しかし祖父がやっていたこの歯科医院を継ぐ者が親戚にいなかったので、私が歯学部に進学することになりました。実際に歯科医師になってみると予想外にやりがいがあり、今ではこの仕事を選んで良かったと思っています。たまにですが雑誌への寄稿や論文執筆もしているんですよ。日頃から症例を記録しておいて、整理してまとめるのも歯科医師として必要な仕事だと考えています。それを発表し意見をいただくことが、見直しや改善にもつながりますしね。子どもの頃から読書が好きでしたし、文章を書くのも苦になりません。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

北区の健康寿命を1年延ばすことに貢献したい。これが私の最終目標です。日本は平均寿命こそ長いのですが、残念ながら健康寿命はそうではありません。その背景には、歯の健康も関わっていると考えています。実は、歯の健康はお口の中だけの問題ではなく、全身の健康とも深く結びついているのです。食べられないと栄養を取り込めず、胃腸への負担も大きくなります。歯周病は全身疾患に影響し、糖尿病・心筋梗塞・認知症のリスクを高めます。歯がないと噛み合わせも悪化し、姿勢・骨・筋肉にも影響して、骨折や寝たきりの状態につながりかねません。よく食べてよく笑い、免疫力をアップさせ、楽しい毎日を過ごしてほしい。そのためには、「歯」の健康が不可欠なんです。健康寿命が1年延びれば、大切な人と楽しい時間を1年多く過ごせます。歯科医師としてそれに貢献できれば、何よりうれしいことですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(上部構造込み)/38万5000円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/(部分矯正)16万5000円~、(全顎矯正)22万円~、ワイヤー矯正/(部分矯正)5万5000円~、(全顎矯正)77万円〜、セラミックインレー/4万4000円~、ジルコニアセラミッククラウン/7万7000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

