充実した産前産後ケアで
心身ともに母子を守る
高島平クリニック
(板橋区/高島平駅)
最終更新日:2025/06/11


- 保険診療
1975年に開業以来、産科・婦人科・小児科を標榜し、日夜出産に携わってきた「高島平クリニック」。2025年7月末で出産管理業務を休止し、産後ケアと産婦人科外来診療に注力する。心身ともに妊婦の不安要素を軽くし安全確実な出産をめざす産前ケア、母子の状態やニーズに合わせて、全室個室での休養、育児・授乳相談、メンタルサポートなど個別のプランを提供する産後ケア、思春期から閉経後まで、女性のすべてのライフステージをサポートする外来診療、いずれも長年、地域医療に携わってきた同院ならではのきめ細かな診療と看護を展開する。同院の吉田学先生に産前産後ケアと外来診療について詳しく聞いた。
(取材日2025年4月2日)
目次
地域に根差した医療への深い理解を持って、一人ひとりの状況に寄り添い、より良いサポートを提供
- Qまずはこちらの産前産後ケアの方針について教えてください。
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A
▲多くのお産に携わってきた同院。今後は産前産後ケアに注力
当院は、1975年に開業以来、産科・婦人科・小児科を標榜し、今日まで日夜出産に携わってきました。昨今の産婦人科医療を取り巻く外的、内的要因を鑑み、2025年7月末をもって出産管理業務を休止。2025年8月からは、産前産後ケアと産婦人科外来診療に注力します。女性のライフサイクルは、月経開始の前後、妊娠と出産、産後の月経再開後、閉経前後の更年期と、心身の健康状態は年齢の変化に伴い、劇的に変化していきます。産前産後の健康管理では、出産前は妊娠前からの健康管理、妊娠後は妊婦健診を通して合併症の発症や難産リスクの低減に注力し、産後は心身の体調回復のサポートを基本方針としています。
- Q妊婦健診はセミオープンシステムを導入する予定なのだとか。
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A
▲妊婦健診からお産まで安心して過ごすことができるシステムを導入
セミオープンシステムとは、妊婦健診は現在のお住まいから通いやすい医療施設を利用し、出産は里帰り先や地域の総合病院などで行うシステムです。近年では、産科を担う医師の減少、高齢化などの社会的課題により、妊婦健診と出産管理を各医療施設の規模や機能に応じて分担し、地域内で有機的な産科診療連携体制を作り上げる動きが主流となってきました。当院では、2025年1月より、妊娠判明時から妊娠32週頃までの妊婦健診に対応できる新体制となりました。セミオープンシステムの連携施設は、出産をご希望される医療施設を、あらかじめご自身でお決めいただくか、当院で近隣医療機関などの選択肢を提示してお選びいただく流れとなります。
- Q産前のケアはどのように行いますか?
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A
▲明るく広々とした個室で、ゆったりとケアを受けることができる
お母さんと赤ちゃんの健康を守り安心して出産を迎えていただくために、食事や体重の管理、流早産や妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群などの合併症予防と早期発見、安産に向けた骨盤ケア・エクササイズや乳房ケア、妊娠中の不安についての聴き取りとメンタルサポートに力を入れた定期的な妊婦健診を実施しています。合併症管理や社会的支援が必要な場合は、高次医療施設への転院紹介や、地域保健センターとの連携も視野に入れています。また、妊娠に関係なく、子宮がん検診や月経不順などで婦人科を受診された妊娠可能な年齢の女性に対しては、将来もし妊娠を希望された時のために、日頃の体調管理のポイントなどもお伝えするように心がけています。
- Q産後のケアはどのように行いますか?
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A
▲メンタルケアから今後の育児相談まで、充実したサポート体制
産後ケア事業は、国から市区町村へ財政支援がされ、出産直後のお母さんや赤ちゃんに対して心身の支援をすることを目的としています。当院では、生後60日以内のお母さんと赤ちゃんを対象に、2025年8月より「通所型」の産後ケアを開始します。全室個室での昼食の提供、沐浴、赤ちゃんのお預かりによるお母さんの休養、授乳やおむつ交換などのアドバイス、乳房ケア、育児相談、メンタルサポートなどご希望に合わせてプランを立てていきます。通所希望日時をウェブで事前予約し、ご希望する支援内容や食物アレルギーも事前にウェブ問診で済ませることができます。タイムスケジュールや持参品などの詳細は、ホームページに掲載しています。
- Q長年出産に携わってきた先生には、安心して相談できそうです。
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A
▲母となる女性やその家族の人生も見据えて支えたいと話す吉田先生
私は医師として4代目、そして産婦人科の医師としては3代目として、長くこの地域で出産という人生の大きな節目に携わる地域医療に従事してまいりました。これからも産婦人科診療所の一医師として、尊い命の誕生に立ち会うだけでなく、母となる女性とそのご家族の豊かで健やかなライフステージを願い、切れ目なく支え続けられるよう、努めていきたいと思います。出産という瞬間はほんの一時の通過点ですが、お母さんにとっては、妊娠前から妊娠期間、さらに、出産を終えられた後も、さまざまな悩みや不安が尽きないのではないでしょうか。幅広い年齢を通して女性の体調管理の相談役として、少しでもお役に立てればと思っています。