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吉田 学 先生の独自取材記事

高島平クリニック

(板橋区/高島平駅)

最終更新日:2024/07/01

吉田学先生 高島平クリニック main

街路樹が美しい六の橋通り沿いにある、白亜の建物「高島平クリニック」。エントランスを入るとヨーロッパスタイルのロビーが広がり優雅な雰囲気に包まれる。ここは産科・婦人科・小児科を診療し、365日24時間体制で無痛分娩が可能なクリニックとして知られている。吉田学先生は、順天堂大学医学部附属病院で産婦人科外来・病棟の医長として経験を積んできたドクターだ。「安全・確実・快適な診療」をモットーに、患者の質問や相談に丁寧に答える優しい人柄が、出産を間近に控えた女性の心を癒やし勇気づけている。「これまで支えてくださった地域の方々に還元したい」と、日々忙しく診療を行う吉田先生に、無痛分娩や診療にかける思い、日本の産婦人科医療について話を聞いた。

(取材日2023年5月8日)

365日24時間体制で無痛分娩が可能なクリニック

ヨーロッパの邸宅のような雰囲気ですね。まずはクリニックの紹介と先生のご経歴を教えてください。

吉田学先生 高島平クリニック1

当院は、ゆったりとした空間で気兼ねなくお過ごしいただけるよう、ソファーやインテリアにこだわり、全室を個室にしています。1975年に開業した旧診療所は、この裏の敷地にあったのですが、老朽化のため2005年に建て替えました。開院当初から行っている無痛分娩は、院長である父が1960年代に南米で学び、帰国後、診療に導入して今日に至ります。当時、都内で24時間365日開院し、無痛分娩も行っているクリニックは、ほとんど存在しなかったと聞いています。私は1992年に順天堂大学医学部を卒業した後、米国コロンビア大学に留学し、その後は順天堂大学医学部附属病院の産婦人科外来・病棟で医長を務めていました。こちらに来たのは、建て替えの時期と重なる2005年。私で産婦人科として3代目、医師として4代目になります。

どのような患者さんがいらしているのでしょうか。

外来は産科、婦人科と均等に診療していますが、入院が産科主体ですから外来も産科がメインになっています。患者層は近隣の板橋区や練馬区、文京区、北区、豊島区辺りの方が多いですね。横浜や千葉、埼玉などの遠方から通院される方もいらっしゃいます。無痛分娩についてウェブサイトで調べて来られる方や、当院のホームページを見て来られる方が多いです。

診療の特徴について教えてください。

吉田学先生 高島平クリニック2

建て替えの時、私も話に加わったのですが「これまで約30年間、地域の方々に支えていただき、新築できたので患者さんに還元させていただくことを基本姿勢としよう」という話になりました。ですから当院は全室個室ですが、個室料金はいただきませんし、料理にも差をつけず、皆さん均一に季節感を大切にしたメニューをお出ししています。建物や内装の見た目は派手ですが、実際の診療・看護は極めてシンプルに「安全・確実・快適な診療」の提供、この一点に集中しています。

無痛分娩の利点と注意点の理解が大切

開院当初から行っている無痛分娩について教えてください。

吉田学先生 高島平クリニック3

無痛分娩のメリットは、陣痛に伴う心身へのストレスを軽減し、分娩進行をスムーズにすることです。当院の無痛分娩開始のタイミングは、痛みの感じ方の強さ、子宮の出口の開き具合、やわらかさ、赤ちゃんの頭の位置、陣痛の間隔や強さなど複数の要素を総合的に判断して決めますので、無痛分娩開始までは自然の陣痛と共存する時間があります。また、分娩進行中の麻酔薬管理は精密機器を使用していて、一定間隔での機器からの注入だけでなく、体感する痛みのレベルがわずかでも戻り始めた時点で、薬液を注入できる自己管理専用ボタンを、ご自身でお使いいただくことも可能です。最小限の麻酔薬で最大限の効果を得ることを目標にします。

無痛分娩は、どのような方が選ばれるのでしょうか?

「お産が怖くて仕方がない」という方から、「ちょっと不安」「前回が壮絶だったから」という方までさまざまです。母児の安全管理の有効性を高めるために「自然分娩から急きょ無痛分娩へ切り替える」ということは行っておりません。また、当院での無痛分娩ができない方もいらっしゃいますので除外基準については当院のホームページをご覧ください。無痛分娩をご希望の方は、当院での無痛分娩の流れ、合併症や注意点を詳しく説明した動画や資料を妊婦健診中にお渡しし、ご入院までに自己学習の期間を設けています。事前資料を繰り返しご覧いただいた上で、最終的に無痛分娩を選択されるか主体的にご判断いただきます。

お産に対して感じる思いや、心がけていることを教えてください。

吉田学先生 高島平クリニック4

命を取り上げるときには、常に見えない力を感じます。何かに導かれるような、誰かが見守ってくれているような、そんな神秘的な感覚です。ほかの科にはない、人智を超えた独特の空気ですね。その中で、私たち医師に求められることは、無理をせず安全面からしっかりサポートしていくこと。以前、先輩の先生から「私たちの行為がこの赤ちゃんの一生を決めるんだ」と言われたことがあります。お産はお子さんの一生を左右するし、お母さんや家族にも影響を与えます。ですから、赤ちゃんやお母さんの体調に合わせた、安全確実な診療が何よりも重要なのです。産声を聞いたとき、お母さんがほっとするのと同じように、医師もほっとしているんです。その一方で、もしここで母子の体調が急変したら、などさまざまな可能性を考えながら仕事をしています。

スタッフとの連携で心がけていることはありますか?

月1回はミーティングを行っています。「安全で確実、快適な診療環境」という、クリニックの理念をどうやってかたちにするか、いかに大学病院への母体搬送、新生児搬送をゼロに近づけるかなど、いろいろ話し合っていますね。助産師は乳房管理など産後のケア全般にも力を入れ、患者さんが心配事をなんでも相談しやすい関係性をつくってくれています。院長や私が体を休めている間、患者さんの管理・対応をしっかりとしてくれるので「ありがたい」の一言ですね。

モットーは「安全・確実・快適な診療」を提供すること

現在の日本の産科医療について、先生はどのように考えていらっしゃいますか?

吉田学先生 高島平クリニック5

日本の産科医療は非常に厳しい状況です。しかし、誰がこれをやるんだという話になったとき、われわれが守っていかなければならない。日本のお産の大半は欧米と異なり、われわれのような診療所や助産所の人たちが背負っています。だからこそ引き際をわきまえ、専門の先生方にお願いすることも時には必要です。大学病院時代は受け入れる側でしたから、その協力体制の重要性に気づきませんでした。ここに来て患者さんを送り出す立場になり、初めて「こういうことが地域で行われているんだ」と知りました。近隣の医療機関の先生方にお願いした際に、常に支えてくださる援護の姿勢は涙が出るほどありがたいものです。安全な妊産婦、新生児管理について、皆気持ちは一つなんだと実感しています。また、最近では妊産婦の高齢化が進む中、リスク管理がより重視されてきています。医療側だけでなくご自身が主体的に体調管理することも大切ですね。

印象に残っている患者さんとのエピソードを教えてください。

大学を卒業したばかりのまだ右も左もわからなかった頃、自然分娩に立ち会ったことがありました。私たち新米医師は傍観の立場だったのですが、その女性は陣痛が来るたびに泣いているんです。「どうしたのだろう? どこか具合が悪いのかな?」とみんなが心配して、「何で泣いているんですか?」と助産師が聞いたんです。そしたら「うれしくて泣いている」と。長い間待ち望んでいたお子さんだったようです。いよいよお産の時を迎え、だんだん秒読みに入っていく。そんな中、陣痛が来るたびに涙を流して……。無事に生まれた瞬間、全員が号泣しました。それが一番印象的な体験ですね。お産ってすごいんだな、私はこれからこれに関わっていくのだなと。以前、尊敬する先生が「患者さんが先生だ」とおっしゃっていたのですが、本当にそのとおりです。今でも患者さんから日々多くのことを学んでいます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉田学先生 高島平クリニック6

「安全・確実・快適な診療」と「世のため人のために」がこのクリニックの理念でありモットーです。それに近づけるため日々精進しています。あまり飾ったことを言えないのですが、赤ちゃんのため、お母さんのために、不安のないお産ができるよう心がけていますので、心配なことやわからないことがありましたら、いつでもお気軽にお尋ねください。

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