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荒瀬 聡史 院長の独自取材記事

荒瀬医院

(板橋区/下赤塚駅)

最終更新日:2025/08/29

荒瀬聡史院長 荒瀬医院 main

下赤塚駅から徒歩5分、1957年開業の「荒瀬医院」。祖父の代から60年以上続く同院の3代目、荒瀬聡史院長は父・荒瀬康夫理事長の意志を継ぎ、生まれ育った赤塚の健康を守っている。院長は大学病院で心臓カテーテル検査や循環器疾患の治療に携わった循環器内科の専門家。母校である東京慈恵会医科大学の「病気を診ずして病人を診よ」という教えを胸に、予約患者のカルテを全員分予習したりスタッフミーティングを行ったりと、毎朝の入念な準備を怠らず診療の質を高めている。「当たり前のことを当たり前に行うとともに、診療内容はもちろん、患者さんを第一に考えた言動というところでもより良い医院にしていきたいです」と継承から9年たつ今の意気込みを語る院長。専門とする循環器疾患のこと、患者への思いなどをじっくりと丁寧に話してくれた。

(取材日2020年6月9日/情報更新日2025年8月13日)

「病気」ではなく「患者」と向き合う心落ち着く医療を

先生のご経歴をお聞かせください。

荒瀬聡史院長 荒瀬医院1

祖父や父の影響もあり、高校生の時に医師になる道を選びました。循環器内科を選んだのは、検査・診断・治療とその後のフォローに至るまで、自分で責任を持って診られる点に魅力を感じたから。東京慈恵会医科大学を卒業後は、同大学附属病院で心臓カテーテル検査や循環器疾患の治療に携わり、集中治療室で重篤な患者さんの診療にもあたりました。急性心筋梗塞や急性心不全で運ばれてくる方も多く、常に命と向き合うような環境です。約17年間勤務する中で、担当医として患者さんと接するほか、後半は後輩指導に取り組み、運営などマネジメント業務にも関わりました。当時は「管理職は覚えることが多い」と思ったものですが、院長として安全管理や感染対策を幅広く考えられるのは、当時の経験があったからだと実感しています。

院長になられて9年、今はどんな患者さんがいらしていますか?

0歳から100歳近くまで、多世代の患者さんがいらっしゃいます。その分、寄せられるお悩みもさまざま。私の専門は循環器内科ですが、専門の枠を越え、成人病予防を含む一般内科、小児科診療にも幅広く取り組み、診療の質を高めています。そうして多くの患者さんをお迎えする中で、ご家族ぐるみでいらしたり、以前通院されていた方が当院へ戻ってきてくれたり、「ここに来るとホッとする、落ち着く」と言ってくださる方もおられ、とてもうれしいですね。高齢の患者さんの中には、ご自分で症状を正しく伝えられない方もいらっしゃいますが、近隣にお住まいのことが多いので、付き添いのご家族が代わりに様子を教えてくださいます。患者さんとの距離が近いかかりつけ医の良さを生かし、ご要望にできるだけ対応しながら、これからも心落ち着く場所であれるよう精一杯努めていきます。

診療におけるモットーを教えてください。

荒瀬聡史院長 荒瀬医院2

母校である東京慈恵会医科大学の「病気を診ずして病人を診よ」という教えが、医師としての私のベースに息づいています。医師が相手にしているのは、病気そのものではなく目の前にいる患者さん。同じ病気でも、その背景は一人ひとり異なるのです。同時に、私は赤塚で生まれ育ちましたから、患者さんの行動範囲もイメージしやすいんです。いつも通る道、上りづらい階段、幼稚園や小学校。話に出てくる風景はすぐに頭に浮かびます。患者さんの悩みをしっかり聞いて、生活習慣や性格に合った治療方法を提案しています。

心疾患の検査・治療や予防、術後フォローまで地域で

循環器疾患の主な症状について教えてください。

荒瀬聡史院長 荒瀬医院3

胸が痛い・息苦しい・すぐに息切れする・疲れる。これらは循環器疾患に多く、ぜひともご相談いただきたい症状です。診察時に最も重要なのは問診。特に狭心症のような疾患は、あれこれ検査するよりも問診が正確な診断の近道になることが多いです。「いつから、どんな症状が、どんな状況で、どれくらい続いているのか」を伺い、「再現性はあるのか、どのように改善するのか、過去にもあった症状なのか」などの情報と合わせて診断します。高齢の患者さんではより一層注意が必要です。胸部の違和感や息切れではなく、無気力や食欲低下として症状を自覚することがあるのですが、それを年齢のせいと自己判断してしまうケースが見受けられます。病気を見逃さないためにも、違和感があればまずご来院ください。

どのような検査をするのでしょうか?

「心臓超音波検査」では心臓の構造的な異常がないかを調べます。息切れの症状など心不全が疑われる場合にも、まずこちらの検査で心臓の働きを確認します。「24時間ホルター心電図検査」では主に不整脈の有無を確認します。診察の場では異常が見られなくても、ご本人が気づかない時間帯に不整脈が起きているケースもあるんですよ。他院で冠動脈カテーテル治療やアブレーション治療など心臓外科での手術治療を受けた患者さんの通院継続加療にも対応しており、血液やエックス線・心電図・ホルター心電図などの検査が可能です。

心不全診療や成人病対策に力を入れていると伺いました。

荒瀬聡史院長 荒瀬医院4

社会の高齢化が進む現在、国内の心臓病患者は増え続けており「心不全パンデミック」という言葉があるほど。一方、心不全診療はこの数年で著しく進歩しています。心不全の定義・分類もガイドラインでは改定され、推奨される治療薬も新しくなりました。発症予防から分類別の治療など、従来以上に細かい対応が必要となりますが、クリニックでできることに引き続き取り組んでいきます。次に成人病予防について言うと、高血圧・糖尿病・高コレステロールは悪化すると循環器内科の病気を引き起こしかねません。その予防は、長い目で見れば心筋梗塞の予防にもつながります。30~40代のうちから成人病予防の意識を高めることは「循環器内科のお世話にならないためのリスク管理」と言えるでしょう。大学病院や大規模病院の循環器内科が重篤患者さんであふれないよう、地域医療の現場でリスク管理をするのが私たち開業医の役目だと思っています。

赤塚の人々のニーズに応え、医師として成長を続けたい

院内レイアウトや予約システムについて教えてください。

荒瀬聡史院長 荒瀬医院5

院内はバリアフリー設計で、診察室まで車いすやベビーカーで入れます。2017年にリニューアル工事をした際に、リラックスできる開放感のあるデザインでまとめました。床は木目でナチュラルに、院内の色合いは温かみを感じるオレンジとグリーンを取り入れています。天井は吹き抜けで、窓面積は大きく取っています。窓の大きさには初診の方がびっくりするほど。朝は一面に光が差し込んでとても明るく、換気面でも優れています。予約システムは、スマートフォンからでも受付できる時間帯予約です。また2歳までの乳児健診や予防接種は、感染予防対策の意味も含め診療時間外にも枠を設けています。

継承から月日がたった今、どんな思いで日々診療に向き合われているのでしょう。

開業当初の気持ちを忘れていないだろうか、と自分に問うことを忘れないようにしています。患者さんを最優先に考え行動しているか、自分本位でないか、言葉遣いはどうか。覚悟を決めて地元である赤塚に戻った強い気持ちは変わっていないか……と。おかげさまで多くの患者さんにご来院いただき、コロナ禍でも当院にできる形で貢献をしたと思っています。しかし、すべての方に満足してもらえる医療を提供できているかと問われればもちろんYesではありません。もっと良い診療ができたのでは、と考えるときもあります。そして、これからも医療に携わる人間としての成長を止めずに、できることを増やしていかなければ、と。患者さん一人ひとりにより良い判断、より良い医療を提供できるよう、医師として努力を続けていきたいです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

荒瀬聡史院長 荒瀬医院6

生まれ育った赤塚の地で地域医療に貢献したい気持ちが、やはり私の根本にあります。かかりつけ医は地域の皆さんに求められる医療を提供する場所。地域医療に携わる者として刻々と変化する医療状況に対応し、時代や患者さんのニーズに合わせていける柔軟性を持ち続けていたいですね。ただ、私は誰かと競って医療を行っているわけではありません。「病気を診ずして病人を診よ」の言葉を忘れず、自分にしかできない医療の形を探求し、患者さんに提供したいと考えています。スタッフ一同優しく丁寧に、じっくりとお話に耳を傾ける診療を心がけています。

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