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吉田 弘範 院長の独自取材記事

亀田整形外科

(板橋区/東武練馬駅)

最終更新日:2024/07/31

吉田弘範院長 亀田整形外科 main

東京都板橋区の「亀田整形外科」は、東武東上線の東武練馬駅北口を出るとすぐに見えてくる、大型ショッピングセンターのはす向かいに位置するクリニックだ。2020年1月から同院を引き継いだ吉田弘範院長は、膝痛や腰痛、肩凝りなどしつこい痛みを抱える患者の苦労に共感し、日々患者一人ひとりと真摯に向き合っている。リハビリテーションでは機器を使った物理療法に加え、理学療法士による運動器リハビリテーションを予約制で取り入れ、患者に伴走しながらともに改善をめざす。患者のQOL(生活の質)向上に努力を惜しまない吉田院長に、同院の治療の特徴や今後の展望について話を聞いた。

(取材日2024年6月21日)

膝や腰の痛みを和らげ、無理なく日常を過ごせるように

こちらには、どのような方が通っているのですか?

吉田弘範院長 亀田整形外科1

この地域にお住まいの方が多いと思います。ご高齢の患者さんが中心ですが、最近はお子さんや現役世代の方も増えてきています。19時まで診療していることもあり、仕事帰りに寄られる方もいらっしゃいますね。症状としては、膝痛、腰痛、肩凝り、五十肩など、整形外科で一般に見られるものが中心です。整形外科は骨や関節、筋肉、神経などにまつわる痛みやしびれ、さらにはケガや骨折、捻挫などを幅広く扱うため、患者さんの訴えは非常に多岐にわたります。また、しばしば通院が長期に及ぶのも整形外科の傾向です。患者さんとはしっかりと信頼関係をつくってリハビリテーションや治療を進めていくのが理想です。

院内の検査設備について教えてください。

骨量測定装置、骨と関節の状態を確認するエックス線検査機器のほか、超音波診断装置も導入しています。これらを併用することで筋肉・腱・靱帯の組織までも確認できますから、こまやかな診断が可能です。痛みの原因となる神経や筋膜に直接注射をするときの精度向上にもつながります。靱帯損傷や捻挫で「骨以外に損傷はないか」を検査するのにも役立ちますね。また、撮影内容を画面に映し出しながら説明することで、患者さんご自身も患部の状態を直接確認できますし、より安心して治療を受けてもらえるのではないかと思います。

実際の治療はどのような方法で行っていますか?

吉田弘範院長 亀田整形外科2

当院の治療は、投薬と注射、リハビリテーションの3つの選択肢にほぼ集約できます。例えば、整形外科で治療する膝や腰などの痛みに対しては、薬じゃないと駄目とか、注射を打たなきゃ駄目とか、1種類の治療法に限定することはあまりありません。患者さんとよく相談して、家が近くてたびたび通うのも困難でなければリハビリテーションをお勧めしたり、リハビリテーションは難しいけれども注射に抵抗がなければ注射にしたりといった具合に、なるべく患者さんが受け入れやすい方法を選ぶようにしています。いずれの方法でも、患者さんの痛みをゼロにできると言いきることはできませんが、日常生活を送る上で大きな支障のない状態まで緩和をめざすことで、整形外科として一定の役割を果たしていると言えるのではないかと考えています。手術が必要な場合は、患者さんに説明してご希望も伺った上で、しかるべき病院にご紹介しています。

患者に伴走し、ともに改善をめざすリハビリテーション

リハビリテーションの内容について詳しく教えてください。

吉田弘範院長 亀田整形外科3

当院では電気治療など機器を使った物理療法に加え、理学療法士による運動器リハビリテーションを予約制で提供しています。これは、運動器疾患を持つ人々に対して理学療法士が個別に対応し、ストレッチや筋力強化などの運動療法を用いて身体機能を可能な限り改善することを目的とします。従来の物理療法を中心としたリハビリテーションに比べ、運動器に障害のある人々のQOL、いわゆる日常生活の質の維持・向上に、より大きな効果が期待できる方法です。リハビリテーション室では信頼の置ける理学療法士とリハビリテーションスタッフが患者さんのサポートにあたっており、私も交えて患者さんの状態についてディスカッションしています。

リハビリテーションを受けるにあたり、患者側が心がけるべきことはありますか?

運動器リハビリテーションは、クリニックと患者さんがともに進めるものです。院内で運動器リハビリテーションを受けたからといって、それだけで十分というわけではないんですね。日常生活の中でエクササイズをしたり、体の動かし方を工夫したりと、患者さんにも意識していただかなければなりません。その方法は患者さん一人ひとりの症状に合わせて、理学療法士からお伝えします。当院のスタッフがしっかりとサポートしながら伴走しますので、一緒に改善をめざしていきましょう。

先生が患者さんと接する際、気をつけていることがあればお聞かせください。

吉田弘範院長 亀田整形外科4

慢性疾患の治療は一朝一夕には終わらないことが多いので、あらかじめ、時間がかかるかもしれませんとご説明して、ご理解いただくことがまず一つ。その上で、患者さんが途中で治療を諦めてしまわないよう、少しでもポジティブな気持ちになっていただける声のかけ方を意識しています。前回より良くなっているところがあればお伝えするのはもちろん、期待したほど改善していない場合も、悪くなってはいませんねとか、引き続き経過を見ましょうとか、なるべくポジティブな言葉を選ぶようにしています。もう一つは患者さんの言葉にしっかり耳を傾けることです。お話を聞くことで治療のヒントが生まれてくることがあるので、私自身も救われるところがあります。

痛い所に触るときに注意していることはありますか?

診察においては、やむを得ず、痛い部分に触れたり、関節を動かしたりすることがあります。患者さんからすると、大なり小なり、怖さを感じる瞬間かもしれません。ですから、私の場合は、痛いだろうと思われる所は後回しにして、その周辺を触診し、痛みが出ていないか確認していきます。一番痛いポイントはおおよその見当がついているので、最後に、少し確かめる程度に触る、という感じでしょうか。

安心・迅速・丁寧をモットーに、利便性の向上にも注力

先生はなぜ医師を志し、整形外科に進んだのですか?

吉田弘範院長 亀田整形外科5

石川県の金沢が出身地なのですが、両親が共に臨床検査技師で、父は金沢大学附属病院に勤めていました。家から病院までは近かったため、私が子どもの頃には、夜遅くまで病院に詰めている父のために、夜食を届けに行く母に何度かついていった記憶があります。そんな環境で育ったせいか、病院で働くことに対する親近感のようなものが自然と生まれたのかもしれません。整形外科を選んだのは、治療を通して患者さんのQOL(生活の質)が向上するのを強く実感できると思えたからです。痛みが軽減し、生活しやすくなることで患者さんが喜んでくださる姿を見るたび、整形外科にできることの意味を噛みしめています。

今後の展望をお聞かせください。

安心・迅速・丁寧をモットーに、わかりやすい説明や丁寧な対応を心がけ、「ここに来て良かった」と思っていただけるクリニックをめざしています。そのためには、患者さんにとっての利便性も大切。現在運用しているウェブ予約と合わせ、今後はウェブ問診も活用していきたいと思っています。そのほか、院内の受診システムや病気に関する情報を動画でお伝えできたら、患者さんにとって便利かもしれません。より多くの患者さんにスムーズにご利用いただけるよう、リハビリテーション体制の強化も検討しています。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

吉田弘範院長 亀田整形外科6

整形外科には、つらい痛みを抱えていらっしゃる患者さんがたくさん来られます。診察して治療を始めても、すぐには良くならないケースもあるので、医療を受けることに対して悲観的になっている方も少なくないでしょう。私は、そのような患者さんの気持ちにできる限り共感し、寄り添って、治療を進めていく過程を根気強く見守りたいと思っています。患者さんと一緒に同じほうを向いて、最後までしっかりと診療していきたい。患者さんそれぞれが到達したいと願うゴールをめざして、整形外科の立場からお手伝いができたら幸いです。

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