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吉田 弘範 院長の独自取材記事

亀田整形外科

(板橋区/東武練馬駅)

最終更新日:2020/08/06

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東京・板橋区の「亀田整形外科」は、東武東上線の東武練馬駅北口を出るとすぐに見えてくる、大型ショッピングセンターの斜向かいに位置するクリニックだ。事業承継により2020年1月からクリニックの顔となった吉田弘範院長は、膝痛や腰痛、肩こりなどしつこい痛みを抱える患者の苦労に共感し、長期にわたる治療も一緒に乗り越えようとの決意を胸に、日々患者一人ひとりと真摯に向き合っている。地域に親しまれる整形外科の性格を変えることなく、患者のQOL向上に努力を惜しまない院長に、クリニックの現在とこれからについて、また院長自身のことについても語ってもらった。
(取材日2020年7月16日)

膝や腰の痛みを和らげ、無理なく日常を過ごせるように

院長に就任されてまだ日が浅いと伺いましたが、新しい環境には慣れましたか?

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診察室で患者さんと向き合う時間はさておき、院長の職は初めてなので、半年たった今も十分に慣れたとは言えませんね。亀田整形外科は前任の亀田宗典院長が診療にあたられ、地元で長く親しまれてきました。このたび私が事業承継させていただく運びとなり、2019年の秋から週に1、2度、引き継ぎも兼ねて診療のお手伝いをした後、2020年1月に新しい院長としてスタートを切りました。患者さんの混乱を避ける意味からも、あえてクリニックの名前を変えなかったのですが、久しぶりに受診された方などはやはり、「あれ、院長先生替わったんだ」と目を丸くされますね。就任して早々いきなり新型コロナウイルスの問題に直面し、院内の感染対策などに目まぐるしい毎日を過ごしてきました。通院中の患者さんのためにも、コロナ禍の1日も早い収束を願っています。

訪れる患者に目立った傾向は見られますか?

やはり地域にお住まいの方で、特にご高齢の患者さんが多いかなと思いますね。道路を渡ってすぐの距離にショッピングセンターがあるので、お買い物の前後に受診されるのもおなじみのパターンですね。症状としては、膝痛、腰痛、肩こり、五十肩など、整形外科で一般に見られるものが中心ですが、そもそも整形外科は骨や関節、筋肉、神経などにまつわる痛みやしびれ、さらにはケガや骨折、ねんざなども幅広く扱うため、私のもとに来られる患者さんの訴えも非常に多岐にわたります。また、しばしば通院が長期に及ぶのも整形外科の傾向であり、患者さん一人ひとりに対して継続的に診療を行う中で、わずか半年の間にも長年の知り合いのような関係性が少しずつ育っているのを感じます。

実際の治療はどのような方法で行っていますか?

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患部の状態によっては手術の必要がある場合も出てきますが、当クリニックでは通常、投薬と注射、リハビリテーションの3つの選択肢にほぼ集約できます。例えば、整形外科で診る範囲の膝や腰などの痛みに対しては、薬じゃないと駄目とか、注射を打たなきゃ駄目とか、1種類の治療に限定することはあまりありません。患者さんとよく相談して、家が近くてたびたび通うのも困難でなければリハビリをお勧めしたり、リハビリは難しいけれども注射に抵抗がないなら注射にしたりといった具合に、なるべく患者さんが受け入れやすい方法を選ぶようにしています。いずれの方法でも、患者さんの痛みをゼロにできるとは限りませんが、日常生活を送る上で大きな支障のない状態まで緩和することができれば、整形外科として一定の役割を果たしたと言えるのではないかと考えています。

長期にわたり通院する患者をポジティブな言葉で励ます

診療中、患者との接し方で気をつけていることはありますか?

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先ほどお話ししたように、慢性疾患の治療は一朝一夕には終わらないことが多いので、あらかじめ、時間がかかるかもしれませんとご説明して、ご理解いただくことがまず一つ。その上で、患者さんが途中で治療を諦めてしまわないよう、少しでもポジティブな気持ちになっていただける声のかけ方を意識しています。前回より良くなっている所をお伝えするのはもちろん、期待したほど改善していない場合も、悪くなってはいませんねとか、引き続き経過を見ましょうとか、なるべくポジティブな言葉を選ぶようにしています。

痛い所に触るときの注意点やリハビリ室との連携について教えてください。

診察においては、やむをえず、痛い部分に触れたり、関節を動かしたりすることがあります。患者さんからすると、大なり小なり、怖さを感じる瞬間かもしれません。ですから、私の場合は、痛いだろうと思われる所は後回しにして、周辺の痛みが出てもおかしくない所から触診していきます。一番痛いポイントはおおよその見当がついているので、最後に、少し確かめる程度に触る、という感じでしょうか。リハビリ室には物理療法や、筋力トレーニングを行うための機器などがそろっていて、信頼の置けるリハビリスタッフが患者さんのサポートにあたります。隣の診察室とは、患者さん一人ひとりのリハビリカードで情報を共有しているほか、必要に応じて、スタッフが私と一緒に患者さんの検査画像を見ながら相談することもあります。

症状によっては、ほかの診療科と連携することもあるのでしょうか?

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数としては多くないですが、整形外科で精査しきれないような症状の場合には、大きな病院に送って、より詳しく診てもらうこともあります。例えば、ある患者さんが背中から腰にかけての痛みで受診されたことがありましたが、通常の痛みと異なり具合が悪そうでした。そこで、血圧を測ったところ非常に高く、血管性の痛みを疑い、救急車を呼んで区内の病院に搬送してもらったことがあります。CT検査の結果、大動脈解離とわかってそのまま入院、幸い大事には至りませんでした。整形外科で遭遇する症状の中でも、特に腰痛や背部痛は内科的疾患の可能性もあり、見逃すと命に関わることもあるので、常にそういった可能性も考慮して診察しています。

症状が治っていく過程を見守り、ともに喜びたい

先生が医師を志し、整形外科に進んだ理由を教えてください。

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石川県の金沢が出身地なのですが、両親はどちらも臨床検査技師で、父は金沢大学の付属病院に勤めていました。家から病院までは近かったため、私が子どもの頃には、夜遅くまで病院に詰めている父のため、夜食を届けにいく母に何度かついていった記憶があります。そんな環境で育ったせいか、病院で働くことに対する親近感のようなものが自然と生まれたのかもしれません。整形外科を選んだのは、治療を通して患者さんのQOL(生活の質)が向上するのを強く実感できると思えたからです。実際にはすべての症状を完全に治すことは難しいですが、治療を終えた患者さんが喜ぶ姿を見るたび、整形外科にできることの意味を噛み締めています。

今後の展望を教えてください。

このクリニックを承継するにあたり、施設全体や設備などを新しくしたところはほとんどなく、強いて挙げるとすれば、高齢の患者さんのために杖置きを置いたくらいでした。診療のために必要なものは、過不足なくそろっていたんです。しかし、ソフトの面に目を向けると、現状、常勤のリハビリスタッフが一人しかいません。彼はとても良い仕事をしてくれていますが、できれば近いうちに2人体制にしたいです。そうすることで、物理療法と運動器リハビリテーションの両方を組み合わせるなど、今まで人員的な都合で難しかったメニューを提供することも可能になるでしょう。また、遅まきながら、カルテの電子化を進めて、患者さんの細かな情報もすぐに取り出せる環境をつくっていきたいと思っています。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

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整形外科には、つらい痛みを抱えていらっしゃる患者さんがたくさん来られます。診察して治療を始めても、すぐには良くならないケースもあるので、医療を受けることに対して悲観的になっている方も少なくないでしょう。私は、そのような患者さんの気持ちにできる限り共感し、寄り添って、治っていく過程を根気良く見守りたいと思っています。患者さんと一緒に同じほうを向いて、通院が長引いたとしても最後までしっかりと診療していきたい。患者さんそれぞれが到達したいと願うゴールをめざして、整形外科の立場からお手伝いができたら幸いです。

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