岩永 将巳 理事長の独自取材記事
岩永歯科医院
(板橋区/板橋駅)
最終更新日:2025/07/30

JR埼京線・板橋駅西口近くにある「岩永歯科医院」は、「その場限りの治療ではなく、末永く患者と向き合うこと」を信念に診療を行うクリニックだ。開院は1977年。現理事長の岩永将巳先生が父の後を継ぎ、20年以上にわたってこの地で診療を続けている。同院では、一般歯科のほか、口腔外科・小児歯科・矯正歯科など幅広い診療に対応。歯の健康を守るための予防的な取り組みにも力を入れ、安心して長く通えるクリニックをめざしている。診療室はすべて個室仕様で、落ち着いた空間の中、治療に集中できる環境が整っているのも特徴だ。今回は、穏やかな人柄の岩永理事長に、クリニックの方針や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2025年6月17日)
予防を軸に一人ひとりに寄り添う歯科診療
どのような患者さんが来院されますか?

当院には、地域にお住まいの方はもちろん、当院の専門性を調べた上で来院される方も多くいます。虫歯治療や補綴処置を目的とした方だけでなく、定期検診に通う方も増えてきました。そのほかにも、セカンドオピニオンを求める方、審美歯科に関心のある方、親知らずの相談で来る方も少なくありません。また、当院では予防歯科にも力を入れています。口腔管理体制強化加算の基準を満たしているため、本来は自費となる月1回のクリーニングが、保険診療で受けられるようになりました。その影響もあり、クリーニングを目的に通う方も増えています。予防歯科の分野では、歯科衛生士が歯のメンテナンスに力を注いでくれているおかげで、予防意識の向上につながっていると感じています。
予防歯科に力を入れている理由を教えてください。
悪い部分だけを治療して終わるのではなく、患者さんと長く関わりながらお口全体を診ていきたいという思いから、予防歯科に力を入れています。定期的に予防を続け、必要があれば早めに治療を行うというスタイルが、患者さんにとってもよいのではないかと考えるようになりました。また、患者さん一人ひとりの考えやお口の状態は異なるからこそ、その時の状況や気持ちに寄り添った伝え方が大切だと感じています。クリーニングの際も、「ただ掃除をすればいい」とは考えず、患者さんがリラックスできるよう配慮しながら、ご要望を丁寧に伺うことを心がけています。例えば、歯がしみる方にはお湯を使うなど、状況に応じた柔軟な対応も欠かせません。そうした個別対応や知識の共有は、歯科衛生士とも日頃から積極的に行い、より質の高い治療やケアにつなげられるよう努めています。
定期検診を受ける患者さんも増えているそうですね。

以前よりも予防目的で来院される患者さんは増えています。これは、患者さんに、啓発活動をしてきた成果ではないかと思います。虫歯が多かったり歯周病が進んでいたりする方には、だいたい3ヵ月ごとに「歯の清掃やチェックをしたほうが良いですよ」とお勧めしてきました。説明の際には言葉だけではなく、口腔内の動画を見せたり、説明用のパネルや模型などを使ったりしています。虫歯や歯周病になった口腔内を見せれば、「また同じ状態にはなりたくない」と思っていただけますから。
先生が定期検診を行う上で気をつけていることはありますか?
虫歯菌はどなたのお口の中にも存在し得るものなので、誰でも虫歯になる可能性はあります。だからといって、虫歯をすべて削っていたら大変なことになってしまいます。小さな虫歯はブラッシングやクリーニングで進行を抑制することが見込め、削らなくても済む場合もあるといわれています。ですから、削る必要がある虫歯なのかを見極めること、そして重症化を防ぐために虫歯の進行抑制をめざすことが定期検診の目的だと僕は考えています。
患者の気持ちに寄り添いながら治療を提案
先生が診療の際に心がけていることを教えてください。

患者さんの「どうしていきたいか」という気持ちを大切にしながら、専門的な知識を生かした説明や提案を行うことを心がけています。その場限りの治療ではなく、長くお付き合いしていきたいというのが、私の一番の想いです。そのため、どんなリクエストにも対応できるよう、幅広く高度な治療技術を身につけるよう努めてきました。また、治療技術は、患者さんとの信頼関係があってこそ生かせるものです。その信頼関係を築くためには、患者さんのご要望をしっかりと伺うことが大切だと考えています。例えば、治すべき虫歯が複数あったとしても、患者さんによっては「今、痛いところだけ治してくれれば十分」とお考えの場合もあります。そのときには、丁寧に説明した上で、それでも必要ないと判断された場合には、残りの虫歯を無理に治療しません。もし認識が一致しないまま治療を進めてしまうと、患者さんは「説明もなく勝手に削られた」と感じてしまうからです。
どのような設備が導入されていますか?
当院では、さまざまな治療の選択肢を提供できるよう、設備の充実にも力を入れています。検査や治療に使う歯科用CTは、患者さんの口の中の状態をより精密に調べることが可能で、積極的に活用することで、高度な治療の実現をめざしています。高画質で鮮明なうえ、必要な部分だけを撮影するため低射量で撮影することができるため、安心して検査を受けていただけます。また、従来ペースト状の印象材を使用する歯の型取りを光学印象機を使うことにより、口の中の違和感が少なく、コンピューター上で歯を型取れます。
完全個室であることも、このクリニックの特徴ですね。

2017年にクリニックを全面改装して診療ユニットを完全個室にしました。当院は2フロアで診療をしており、患者さんに合わせて診療室もご案内しています。1階は、2階に上がるのが大変なご高齢の方を中心にご案内することが多いですね。プライバシーが保たれた空間で診療できますので、どんなことでも安心してお話しいただきたいです。
訪問診療への取り組みで地域にも貢献
院内感染対策にも、非常に気を配っていると伺いました。

当然のことですが、使用する器具は性能にこだわった機器で滅菌し、マスク、手袋、注射針などは、可能な限り使い捨てができるディスポーザブル品を使っています。また院内を清潔に保つため、義歯・仮歯調整用サクション、口腔外バキュームなども設置しています。院内の常時換気、椅子、ドアノブ、手すりなどの各所のアルコール消毒、従業員のマスクおよびグローブ着用などを実施し、患者さんには来院時のアルコールによる手指消毒、治療前の消毒液うがいにご協力をお願いしています。歯周病などで口腔内の炎症が慢性的に続いていると免疫機能がうまく働かないといわれており、免疫力の低下につながってしまいます。少しでも不安を解消できるように努めていますので、お口の中の健康を保つために来院いただきたいです。
地域のために注力されていることを教えてください。
この地で診療を続けて20年以上になりますが、今後ますます高齢化が進むといわれている中で、地域の皆さんの力になりたいという想いがあります。現在通院されている患者さんの中にも、長いお付き合いの中で通院が難しくなる方がいるかもしれません。私は2002年より訪問診療に携わり、20年以上の経験がありますので、ご要望があれば訪問診療にも対応しております。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

これまでの経験で、お口の健康にとって何より重要なのは予防だと実感しています。そのために欠かせないのが、定期検診です。できれば3ヵ月に1度くらいのペースで通っていただけるのが理想です。治療して痛くなくなったから終了ではなく、また悪くならないよう、お口を管理していくために、長く管理してもらえる歯科医院を見つけてください。定期検診の際は、同じ歯科医師や歯科衛生士に診てもらうことも大切です。お口には個性があり、ライフスタイルやブラッシングの癖、過去の治療歴など、長い目で見たときに、そうした背景を把握していることが、予防や治療に影響することもあります。当院では歯科衛生士の担当制をはじめとして、長くお付き合いできるような体制を整えています。何か気になることがあれば、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/77万円~、インプラント治療(かぶせ物込み)/34万9800円~、ダイレクトボンディング/1万8400円~、セカンドオピニオン/3300円~、セラミックを用いた補綴治療/5万3900円~