全国のドクター8,761人の想いを取材
クリニック・病院 161,545件の情報を掲載(2019年12月14日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 板橋区
  4. 板橋駅
  5. 岡野歯科医院
  6. 岡野 昌治 院長

岡野 昌治 院長の独自取材記事

岡野歯科医院

(板橋区/板橋駅)

最終更新日:2019/08/28

Main

初診は30分以上時間をかけたカウンセリングからスタート。歯周病や虫歯になる原因を丁寧に説明するとともに、患者自身に自分の状況を確認してもらい、対策を話し合う時間を何より大切にする。それが「岡野歯科医院」の院長・岡野昌治先生の診療スタイルだ。そんな患者一人ひとりに合った治療を行うところに惹かれ、年代関係なく長く通い続けている患者も多いという。そんな患者想いの岡野院長に、地域への思いや体全体を見据えた健康へのアドバイスなどを聞いた。
(取材日2018年7月3日)

信頼する友人に紹介された勉強会が、人生の転機に

こちらはご実家のあった場所だと聞きました。

1

ええ、私の両親はここで製麺業を営んでおりました。開業するなら昔から知っているこの場所と選びましたが、JR、私鉄、地下鉄の3駅が利用できるなど、予想以上に交通の便が良かったです(笑)。近くにお住まいの患者さんのほとんどは私が子どもの頃からの顔なじみ。開業当初は両親つながりで来ていただく方も多く、実家の仕事がどれほど皆さんに信頼されていたかを実感しました。だからこそ、そんな地域に密着した診療で、一人ひとりの患者さんと長くお付き合いしていきたいと考えています。もし高齢の方が通院できない状況になっても、比較的近くにお住まいなら訪問診療で対応できますしね。また当院では睡眠時無呼吸症候群の方に口腔内装置を使っていただくことで、睡眠中の空気の通りを改善し症状の軽減につなげる治療も行っています。お困りでしたら一度ご相談いただければと思います。

最初から開業を予定されていたのでしょうか?

いえ、大学病院の口腔外科に勤めていた時の勉強会がきっかけです。入学時からの親友が異動になり、彼が担当していた顎の病気も引き受けるため、専門分野に関する勉強が必要になりまして。そこで、その友人に教えを請いに行ったところ、「それなら本格的に学んだほうがいい」と教えてくれたのが咬合・補綴治療で知られる藤本順平先生の勉強会。藤本先生の考え方や診療姿勢にも非常に感銘を受けました。「歯科医師としての自分ができることを、しっかりとやる」「自分の経験だけに頼らず、医学的裏付けのある治療を行う」。実直なやり方で、患者さん一人ひとりと長くお付き合いするスタンスは、当時の私がイメージしていた開業医とはまったく違っていました。そうした藤本先生のような診療をしたいと思い、開業医になることを決めたんです。

それまでは大学病院に残るお考えだったのですか?

2

そうですね。少なくとも口腔外科専門の勤務医を続けるつもりでした。もともと口腔外科をめざしたのは、私が大学に入ってすぐの頃、母が大きな病気で手術をした経験から。かかりつけの歯科の先生が異変に気づいたことで、治療することができたんです。だから私も口の中に限定せず全身を診る歯科医師として口腔外科を希望し、大学院の口腔外科学専攻に進み、大学病院では口唇裂・口蓋裂児の治療も経験しました。お子さんの病気で悩んでいらしたご両親も、手術で治った様子をご覧になるととても喜ばれて、その笑顔は大きな励みになりました。しかし藤本先生との出会いから開業医にはまた違う感動があると知り、大学病院退職後、同じ大学の口腔外科学の先輩で勉強会でも先輩だった中沢先生が開業されていた歯科医院で経験を積ませていただき、この「岡野歯科医院」を開設しました。

丁寧なカウンセリングが歯周病予防にもつながる

初診時のカウンセリングはどのようなものなのでしょう?

3

専用の記入票に口の中の状態などを記入しながら、虫歯や歯周病が起きる仕組みや予防法などを詳しく説明します。治療中もお伝えしていきますが、別室でじっくりと、資料をお見せしながら説明するには初診時が一番。30分以上かけたカウンセリングの最後に原本を患者さんにお渡しし、私たちが控えを持つことで、今後の診療の基盤を共有できます。それがなぜ大切かと言うと、例えば歯磨き指導にしても、患者さんに「虫歯や歯周病の原因は細菌」との理解があれば医学的裏づけに沿った磨き方ができますし、高精度の治療を行おうとするときにもその必要性を理解していただけるからです。これまで当院には多くの新患の方がおみえになっていますが、8割はカウンセリングから始まりました。お忙しいとは思いますが、ぜひまずはカウンセリングを受けていただきたいですね。

一般診療や予防はもちろん、顎関節症治療にも力を入れていらっしゃいますね。

ええ、きっかけをくれたのは先ほども話に上がった親友なんです。彼を通じて顎関節症に造詣の深い先生方と出会い間近で勉強させていただきました。スポーツなどで肘を使いすぎれば痛むのと同様、顎も食いしばりなどで使い過ぎれば痛みが強く出てきます。無意識の食いしばりは痛くてもやめられず、さらに痛みが増すという悪循環が起こるのですが、その原因は生活習慣のほか、ストレスなどの心理的要因も大きいと考えられます。しかしカウンセリングを契機に、その方がずっと感じていた悩みや困り事などを話されることで、心がリセットされるケースもあります。その意味でもカウンセリングの重要性を痛感しています。

今後さらに取り組みたいことなどは?

4

この歳なので、まったく新しい何かを始めるというのはありません。ただ、「来院できない場合は訪問診療に行きますよ」とお伝えしているものの、実際に依頼されて行っている件数は少ないので、訪問診療をもう少し増やしたいと思っています。患者さんが来られなくなる背景には、通院の困難もあると思うので、こちらからも積極的にアプローチしていきたいですね。

体全体のためにも口腔ケアを大切に

口腔内の健康を保つには、何が一番大切なのでしょうか。

5

どの世代の方にもお伝えしたいのは「かかりつけの先生を持ってください」ということです。生涯にわたって自分の歯で噛み続けるには、歯を失う原因となる歯周病を予防することが大切です。たとえ症状がなくても健診を受け、自分でうまく清掃できているか定期的に確認し続けてもらえば、確実にたくさんの歯を良い状態で残せると思います。また、口内環境を良い状態で保つことは、手術を受ける際の感染症の予防にも役立つことがわかっており、最近では手術前後のお口のケア「周術期口腔機能管理」に力を入れる病院も増えてきました。日頃から定期的な検診・クリーニングを受けるのが一番ですが、ご年配の方や手術の予定がある人は、こちらも気にしてみてほしいと思います。

体の手術の際にも、口腔内環境が大事になってくるのですか?

そうなんです。全身麻酔をかける手術では、人工呼吸用の管を口から気管に通していくので、口の中が汚いと体内に細菌が入ってしまうんですね。また、術後の誤嚥性肺炎が起こりやすくなったり、術後・化学療法中の食事の取りやすさにも影響を及ぼします。以前は歯科・医科の連携も不十分で、手術の前に口腔ケアを行っている病院はあまりありませんでした。しかし、近年では多くの医師・歯科医師が「ケアすると確実に違う」ことを認識し、国も口腔ケアを奨励して、一部例外もありますが全身麻酔を伴う手術での「周術期口腔機能管理」は保険医療として認められています。ですから、ご自身や身内が手術を受ける予定があるのなら、口腔ケアにも目を向けてみると良いですね。当院でも、入院前の口内チェック・クリーニングや磨き方指導、放射線治療で口内炎がひどいときに比較的刺激が少ない磨き方のアドバイスなどを行っていますし、いつでもご相談に乗っています。

口腔と全身は思った以上に関係があるのですね。

6

ありますね。そこでもう一つ重要なこととして、お口が健康で食事ができることの大切さもぜひ意識してもらえればなと思います。高齢になると体の機能は衰えていくものですが、中でも「食べること」ができなくなると、生活の質が大きく損なわれてしまいます。ただこれらの機能は、体操や運動などの予防策によって多少改善することができるので、必要に応じて生活の中に取り入れてみるといいですね。当院でも、治療の際のうがいの様子を見たり、患者さんのお話を聞いたりする中で、「むせることが増えたかな」「飲み込み機能が落ちているかな」と思えた患者さんには、運動のアドバイスをしたりしています。少し気にするだけでも違うと思うので、こちらもぜひ気をつけてみてください。

Access