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藤野 剛 院長の独自取材記事

ときわ台レディースクリニック

(板橋区/ときわ台駅)

最終更新日:2024/09/10

藤野剛院長 ときわ台レディースクリニック main

多くの不妊治療を手がける「ときわ台レディースクリニック」。東武東上線・ときわ台駅から徒歩1分と、多忙な患者も通いやすい好立地だ。2017年にはクリニックを2フロアに拡張し、診察室を増設したことで治療効率が向上。待ち時間も少なくなったという。新しい培養器、デジタルエックス線撮影機などの先進的な機器をそろえ、新しい治療にも積極的に取り組む。その一方、藤野剛院長をはじめとするスタッフの献身的なコミュニケーションは開業時から変わらない。不妊治療は、命に対する価値観や思いに迫るだけに、十分な検討期間が必要だ。同院では、徹底して話を聞くことで個々の事情や思いを引き出し、納得できる選択ができるよう支援しているそうだ。治療の内容や方針などについて話を聞いた。

(取材日2024年6月13日)

納得のいく判断ができるよう、正しい知識を提供

こちらで行っている不妊治療について教えてください。

藤野剛院長 ときわ台レディースクリニック1

当クリニックでは、タイミング療法、内服や注射による排卵誘発法、人工授精といった一般不妊治療から、高度生殖補助医療(ART)にあたる体外受精や顕微授精、凍結融解胚移植といった高度な治療まで、患者さんの状況とニーズに合った治療法を提供できる体制を整えています。一般不妊治療からスタートし、段階的にARTへとステップアップしていくのが基本ですが、不妊の原因によっては早めにARTに切り替えることもありますね。といっても、画一的な治療はしていません。不妊の原因は人によって異なり、赤ちゃんの授かり方に関する考え方も人それぞれです。後悔しない選択をするために、夫婦間でよく話し合っていただくことはもちろん、ご夫婦と私たち医療者が対話を重ねて信頼関係を築くことを大切にしています。

不妊治療に保険が適用されたことで、患者層に変化はありましたか。

経済的な問題で治療をためらっていた若い夫婦や、ARTへのステップアップを検討していた方などが治療を受けやすくなったのではないでしょうか。赤ちゃんを望む多くの人にチャンスが拡大しているのは非常に良いことですね。当院では、ARTを検討する患者さんが正しい知識に基づいて適切な判断ができるよう、治療に関する説明会を月に2回実施しています。体外受精や顕微授精を行う際には、夫婦間での「子どもの身ごもり方」に関する考え方や方針のすり合わせが欠かせないからです。説明会で得た情報をもとに、よく話し合って治療を選択してほしいと思っています。

不妊治療に臨む患者の知識も重要なのですね。

藤野剛院長 ときわ台レディースクリニック2

そのとおりです。夫婦で不妊を学べば、男性と女性の当事者意識の差や、知識量の差が埋まり、二人三脚で治療を進めていく手助けにもなるでしょう。また、生殖医療に関わる私たちは、患者さんご夫婦が赤ちゃんに恵まれるよう技術の限りを尽くしますが、残念ながらすべての方の願いがかなうわけではありません。いかに不妊治療が日進月歩であるといっても、結果が約束された治療ではないのです。このことについても、誤解を招くことがないよう最初にお伝えしています。不妊治療は、あくまでも確率を上げることを目的とした治療。個別の事情に応じた治療計画を組み立て、患者さんの状況に応じた治療を進めていきます。

スタッフは財産。培養士の育成プログラムも独自に確立

新しい治療法や技術も積極的に取り入れているそうですね。

藤野剛院長 ときわ台レディースクリニック3

患者さんにとってメリットがあると判断した新しい治療や設備、技術については、慎重に吟味した上で積極的に導入する方針です。新しい培養器、デジタルエックス線撮影機などの先進的な機器をはじめ、効果が期待できると判断した新しい治療もどんどん取り入れてきました。新しい治療の中には自由診療の治療もありますから、自由診療と保険診療の違い、それぞれの治療に期待できる効果といったことも丁寧にご説明しています。今後も、医師と培養士の目利きを助けてくれる優れた機器を使い、患者さんのメリットにつながる治療を実践してより良い胚の確保をめざしたいですね。

スタッフの皆さんも、経験豊富な方がそろっていると伺いました。

受付や看護師、培養士といったスタッフは、みんな当院のかけがえのない財産です。月に1度のスタッフミーティングや、全員が一堂に会する休憩時間などを通して信頼関係を深め、培養士、看護師、受付スタッフといった職種の枠を超えたチームを構築してきました。みんな勉強熱心ですし、患者さんとのコミュニケーションを重視する私の診療スタイルを踏襲してくれています。不安がっている患者さんをさりげない声がけでフォローしてくれている姿を見ると本当にうれしいですよ。

培養士の育成にも力を入れているそうですね。

藤野剛院長 ときわ台レディースクリニック4

培養士育成については、クリニック独自のプログラムがあり、講習会なども活用しながらステップアップしていける環境が整っています。ゼロから学び始めたスタッフも、みんな若手の教育を任せられる頼もしい存在になってくれていますよ。また、当院では、一般的なクリニックでは表に出ることが少ない培養士にも積極的に患者さんと関わってもらっています。患者さんの案内をしたり、移植の立ち会いをしたりする中で患者さんの思いに触れ、自分が日々向き合っている「胚」が命の始まりであることを忘れないようにするためです。技術が問われる専門職だからこそ、その技術が患者さんのためにあることを忘れないようにしてほしいですね。

積極的な情報開示を通じて、患者の安心感を醸成

患者さんと接する上で心がけていることはありますか。

藤野剛院長 ときわ台レディースクリニック5

患者さんのお話を聞くことを何より大切にしています。患者さんの中には「できるだけ自然に近い形で妊娠したい」という方もいれば、「妊娠の確率が上がるなら、できる限りのことをしてほしい」と望まれる方もいて、ご要望、ご事情はそれぞれに異なります。だからこそ初診時には患者さんの考えを時間をかけてお聞きしますし、治療を続ける中で「なかなか妊娠できない」と行き詰まってしまった時には、必要に応じて少し治療をお休みすることもお勧めします。不安な気持ちを私に話すことで気持ちが変わることもありますし、治療に伴うストレスから解放されることも大切ですからね。

クリニックの実績や検証データを公表していますが、その理由は?

治療実績や新しく取り入れた治療法の検証データについて、ホームページに掲載したり、待合室に貼り出す形で公表しています。実績を知ってもらいたいという思いもありますが、本当の目的はむしろ、当院の取り組みをデータ化し、現在行っている治療に対する信頼性を高めることにあります。「しっかり、地道にやっていますよ」という患者さんへのメッセージのような意味合いですね。新しい治療法を取り入れる際にも独自にしっかりデータを検証し、患者さんにとって本当にメリットが期待できるかどうかを見極めてから進めています。実績やデータを公表することで患者さんの疑問に説得力ある答えをお返しし、不安を安心感に変えていきたいですね。

最後に、今後の展望と読者に向けたメッセージをお願いします。

藤野剛院長 ときわ台レディースクリニック6

ARTにも医療保険が適用され、治療のすそ野が広がりました。当院としては、これからも患者さんとのコミュニケーションを重視し、治療に役立つ新たな知識、技術をアップデートして、より多くの患者さんのご希望をかなえられるよう前進し続けていきたいと思っています。スタッフとの緊密な連携のもと、患者さんと一緒に考えながらチームとして誠心誠意サポートしていきますので、来院された際にはぜひ率直なお気持ちを聞かせてください。

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