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鈴木康子 院長の独自取材記事

鈴木医院

(練馬区/平和台駅)

最終更新日:2019/08/28

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午前はクリニックでの外来を、午後は約30人もの患者のもとに訪問診療を行う。患者に異変があったときには救急車よりも速く到着するというのが、鈴木康子院長のモットーだ。鈴木院長が、平和台の閑静な住宅街のなかに「鈴木医院」を開院したのが2005年。この街の地域医療に貢献してきた。「患者さんの最期の瞬間までしっかり見守りたい」と語る鈴木院長。可憐な姿からは意外なほど、熱い想いを胸に秘め日々の診療に取り組む院長に、医師としてのやりがいや訪問診療の今後の展開について、じっくり語ってもらった。
(取材日2014年4月23日)

高齢者医療を中心に、地元密着型の医院として開業

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

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私の母は昔から病弱で、心臓に病気を抱えていたんです。幼い頃から、母についてしばしば病院へ行くこともありましたし、母の代わりに家事などをすることもありました。そんなとき、信頼できる医師の先生が身近にいるということは、とても心強いことだなと、子どもながらに実感したんです。「なにかあったとき、頼れる医師が近くにいる」という感覚は、患者である母はもちろん、家族である私にとっても、とても心強い支えとなっていて、「医師という仕事は素晴らしい仕事だ」と日頃から思っていました。医師をめざし、循環器を専門とするようになったのも、母の病気が大きく影響しています。特に、心臓疾患は生命に関わる重大な病気のこともありますから、救急の場で大きく人命救助に貢献できるのではないかと思い、選択しました。

こちらで開院したのは?

もともと練馬区内に住んでおり、土地勘があったというのが理由です。練馬区は都心に近いにも関わらず、のどかなところ。最近では新しいアパートやマンションも増え、若い世帯の方もずいぶん多くなりましたが、その一方で長く住んでいる方も大勢いらっしゃいます。こちらに来院される患者さんのなかでも、おじいさん・おばあさんからお孫さんまで三代一緒に通ってくださる方も多いんです。また、一家一族そろってこの地にお住まいの方も多く、現在、都内では珍しい地縁関係が濃く残っている町だなということを実感します。

開院は2005年だそうですね。

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開院する前に、ここからすぐ近くのところに医院を開業していたんです。そちらの開院が1999年。ありがたいことに患者さんが増え、手狭になったため、2005年にこちらへ移転しました。大学を卒業後、大学関連病院で勤務した後、約10年間、東京都老人医療センター(現東・京都健康長寿医療センター)で診療に当たりました。高齢の方が多く来院される病院で、診療に当たるなか、これから高齢化がますます進む社会では、高齢者医療がもっと重要な役割を担うようになると、強く実感したんです。やがて医長に任命されましたが、医長になるとどうしても病棟管理の仕事が主になってきます。そのため、「もっと第一線で治療に当たりたい」という思いが募り、独立を決意しました。開院にあたっては、高齢の患者さんに配慮して、建物は完全バリアフリーで整備。入口から診察室、検査室、洗面所まで、すべて車椅子で滞りなく移動できるようにしています。

地域のかかりつけ医として訪問診療に力を注ぐ

訪問診療にも力を入れていらっしゃるのですね。

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開院した当初から、訪問診療は必ず取り組もうと心に決めていたテーマでした。東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)に勤務していた頃から考えていたのですが、お年寄りの方は元気になって退院しても、健康上の問題などで通院できない方が大勢いらっしゃいます。入院するか、退院するか、その方の病状やご家庭の様子などによって、どちらがいいか判断すべきだとは思うのですが、たとえば寝たきりの患者さんなど、病院より自宅で余生を過ごされたほうが、QOLの面から考えて好ましいと思われる場合があります。医療を提供する私達が訪問診療をもっと充実させなければと思うのですが、残念ながら現在では人員不足などが原因となって訪問診療を行う医院は、決して多いとは言えません。でも、高齢化が進む現代社会では、避けて通れないテーマだと思うのです。当院では30人弱の患者さんを月2回〜週1回のペースで訪問診療を行っています。

訪問診療では、どんな患者さんが多いのですか。

末期がんの方から脳卒中の後遺症に悩まれている方、神経難病の方などさまざまです。訪問診療の対応地域は、医院から自転車で10分以内で駆けつけることができること。24時間、深夜でも異変が知らされれば訪れます。「救急車よりも速く患者さんのもとへ到着する」が私のモットーで、以前私が入浴中に患者さんから急変を知らせる電話があり、洗髪後、濡れた髪の毛も乾かさず、着の身着のままで駆けつけたことがありました(笑)常に気を抜くことができませんから、訪問診療を継続するのは大変だと感じることもあります。しかし、「患者さんに対する責任を全部ひとりで引き受ける」というのが、訪問診療のやりがい。がん末期のおじいさんが最期、お亡くなりになる直前に「今までありがとう。今度はばあさんを頼むよ」と一言、私に託されたときには胸に迫るものがありました。

今後、力を入れていきたいことを教えてください。

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訪問診療において、医師ひとりでできることはとても限られています。毎日、患者さんを診ることはできませんし、月1回〜週1回という限られた往診時間のなかでしか、患者さんと直接触れることはできません。そのため、ケアマネージャーや訪問看護ステーションなど、他の医療従事者の方々との連携が大切になってきます。私自身、そうした方々にとても助けられていると実感するシーンがたくさんあります。私達医師は、言ってみれば”点”でしか患者さんを診ることができない。でも、患者さんと日常的に触れ、会話を交わすことができるケアマネージャーや訪問看護ステーションの方々は“点”ではなく、もっと広い“面”で診ることができるんです。だからこそ、「この患者さんは食欲がなさそうなので…」など、アドバイスをしてくれる。それが、治療の現場で生きるんです。周辺の方達とのつながりをもっと密にして、スムーズな医療連携を築いていきたいと思います。

「一家のかかりつけ医」として、地域医療に貢献したい

医院のスタッフは何人いらっしゃるのですか。

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看護師が2名、受付が2名です。長く勤めてくれているスタッフで、地域の方々とも信頼関係を築いてくれているのが、とても頼もしく感じられます。医師は私1名ですが、ご高齢の患者さんは整形外科や眼科など、他科にも通院していらっしゃる方が非常に多いんです。また、病気の内容によっては、他科と協力体制を取りながら、治療を進めていかなければならない場合もあります。幸い、近隣には信頼できるクリニックがたくさんありますので、必要に応じて患者さんをご紹介することも多く、トータルで患者さんの健康維持に貢献できているのではと思います。

先生が健康管理のため、気をつけていることはありますか。

患者さんには「ウォーキングなど、体を動かしてくださいね」と指導することもあるのですが、実を言うと私自身、あまり運動ができていないんです(笑)「体を動かす」といっても、患者さんのお宅を訪問するときに、自転車に乗るくらい。大学生だったときには卓球のサークルに所属し、汗を流すことも好きだったので、また時間を見つけて再開できればいいなと思っています。休日は、常備菜の調理がメイン。野菜を下処理して冷凍しておいたり、日持ちする煮物などを作り置きしたり、平日の家事が少しでもラクになるよう、休日にまとめて作業をしています。おかげで、手間隙かけないスピード料理が得意になりました(笑)

読者の方へメッセージをお願いします。

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この町で開院し、現在では多くの患者さんを診察する機会に恵まれていますが、これからも地域医療に貢献し、最期まで責任を持って診療できるような、「一家一族のかかりつけ医」としてみなさんの健康管理に役立っていきたいと思っています。考えていきたいのは、ご家庭で高齢の方の看護をされている方のケアのこと。熱心に介護に取り組まれている方のなかには、すべて一人で抱え込んでしまって、困ったことがあっても、誰にも相談できないという方もいらっしゃいます。見えないサインを見逃してはいけないと思うんです。お声をおかけするなど、介護する方の精神的・身体的な負担を少しでも軽くし、介護する側とされる側の、双方にとって良い環境作りをめざしていきたいです。

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