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築根 吉彦 院長の独自取材記事

築根クリニック

(練馬区/武蔵関駅)

最終更新日:2023/08/10

築根吉彦院長 築根クリニック main

西武新宿線武蔵関駅南口から徒歩で約7分、住宅地の一角に位置する「築根クリニック」。入り口を入ると、オフホワイトの壁で落ち着いた雰囲気の待合室が目に入る。内科、放射線科を診療科目に掲げ、内科的疾患に加え超音波やCTによる画像診断により、幅広い疾患に対応するクリニックだ。築根吉彦院長は、長らく放射線専門の医師として大学病院等に勤務。外科の開業医であった父の死をきっかけに地元に戻って院長に就任し、地域の高齢者をはじめとするさまざまな患者の健康をサポートする。外来診療以外にも、全国の病院から依頼される画像診断、客員教授として学生への指導、地域の医師会など幅広く活動する築根院長に、院長就任までの経緯や診療ポリシー、放射線科の診療などについて聞いた。

(取材日2016年4月14日/情報更新日2023年8月8日)

長年勤務した後、父の後を継ぎ院長に

院長に就任されるまでの経緯を教えてください。

築根吉彦院長 築根クリニック1

東京慈恵会医科大学を卒業後、聖マリアンナ医科大学入局、アメリカのスタンフォード大学短期留学後、溝口の帝京大学医学部附属溝口病院放射線科を開局し診療、学生への指導などを行っていました。当クリニックは外科の医師であった父が開業したのですが、その父が2004年に亡くなったのです。その後3年くらいはそのままにしていたのですが、生まれ育った地元に戻って父の後を継ぐ決意を固め、帝京大学教授の職を辞めて、2007年に当クリニックの院長に就任しました。私自身はこれまで放射線診断を専門とする医師として画像診断をメインに行ってきましたので、内科と放射線科を診療科目に掲げています。常勤で副院長の石橋みゆき先生は、帝京大学医学部第四内科主任教授だった方で、内分泌専門の医師です。内科に加え、ホルモン系の疾患や子どもの低身長などにも対応しています。

どのような患者さんがいらっしゃいますか? また、診療の特徴を教えてください。

近隣にお住まいの高齢の患者さんが多いですね。「血圧が高い」など、慢性疾患でいらっしゃる方が多いです。私の地元ですので、中学時代や高校時代の同級生やその方のお子さん、お孫さんもいらっしゃいます。ずっと放射線診断専門でやってきましたので、内科的な疾患に加えて腰痛もある、頭が痛い、不正出血があるなど内科以外のさまざまな症状がある場合も、CTや超音波をとってすぐに画像診断でき、幅広い疾患を網羅できるのが特徴です。咳や血痰が続き、がんの心配をされて来院する患者さんなどもいらっしゃいますが、画像を見ればすぐに診断できますので、その場で安心していただいたり、必要に応じて大学病院等への紹介を迅速に行っています。副院長の石橋先生は東京大学医学部附属病院の外来にもいたので、東大の頃の患者さんや内分泌系の疾患でお悩みの方が地方からいらっしゃることもあります。

診療の際に心がけていることを教えてください。

築根吉彦院長 築根クリニック2

高齢の患者さんに対しては、「老化」と「病気」をきちんと区別して診療するということです。加齢に伴い物忘れなどが多くなると、すぐにアルツハイマーなど重大な疾患と結びつけてしまいがちですが、当クリニックでは画像診断や血液検査をもとに、それらに基づいたエビデンスを確認し、患者さんにきちんと説明することを心がけています。患者さんは、「もしかしたら大きな病気なのではないか」など、不安な気持ちを抱えてクリニックにいらっしゃいます。撮った画像を見ながら、日本医学放射線学会放射線専門医である私から現状をきちんと説明することで安心ていただければと思いますし、それで症状が軽快するように感じていただけるかもしれませんしね。

外来以外に放射線科の医師として画像診断も

患者さんの診療を通して思うことがあれば、教えてください。

築根吉彦院長 築根クリニック3

最近は、お子さんが独立されたりして一人暮らしをしている高齢の方が増えてきているような気がします。一人で暮らしていると食事がおろそかになってしまう方も多いので、そのへんも含めて総合的に診察し、患者さんによっては食事の取り方や生活習慣について具体的に指導しています。私が「毎日来てください」と言っているわけではないのですが、毎日クリニックに来院して、いろいろなことをお話しをされていく方もいらっしゃいますよ。話を聞いてもらうだけでも安心するのか、「来てよかったです」と私を拝んで家に帰る方もいます。地元で生まれ育った私から言うのもなんですが、この辺の地域はのどかで医療機関も多く、高齢の方も住みやすい街だと思います。地域にお住まいの方が安心して毎日を過ごせるようなお手伝いをしながら、私自身も新鮮な毎日を過ごしています。

放射線科を専門に学ばれたきっかけを教えてください。

放射線科は一般的にあまりなじみがないようですが、エックス線写真、CT、MRIなどさまざまな手段を駆使して得られた画像から病気を見つけ出して診断する科で、「放射線診断」と「放射線治療」という二つの大きな柱があります。大学時代、父の専門だった外科にも興味があったのですが、最初に放射線科の勉強を始めた当時は、超音波画像診断装置、CT、MRIとどんどん新しい装置が出てきた時代でした。それぞれが非常に興味深く、一生懸命勉強しているうちに気づいたら放射線専門医としての診療がメインになりました。画像診断一筋で、最初の頃は主に肺の画像を診ていたのですが、徐々に部位を広げ、今では頭部から足先まで全身くまなく診断しています。放射線治療については、画像診断を行いながらカテーテルを用いて治療するIVRにも対応しています。

外来の診療以外に画像診断も行っているのですか?

築根吉彦院長 築根クリニック4

画像診断はひと昔前はフィルムのみでしたが、今はコンピューターがあるので、全国の病院から診断を頼まれています。ですから、外来診療以外の時間は主に画像診断に使っています。伊豆地方の病院の胃がん、肺がん、乳がん、富山県の胃がんと肺がん、北区や練馬区の病院の画像診断をはじめ、日本全国の病院から頼まれて診断を行っています。画像診断の仕事以外にも、帝京大学の客員教授として医学部の学生や若いドクターに指導したり、自動車事故算定会から依頼された画像の診断なども行っています。自動車事故にもいろいろあり、何らかの病気が起こって事故が発生したのか、事故の発生によって病気が起こったのかなどによって保険金が出たり出なかったりします。そうした場合の画像上での判定を行っています。

災害時の体制づくりなど、地域医療にも貢献

地域医療にも貢献されているそうですね。

築根吉彦院長 築根クリニック5

練馬区医師会の業務として、地震などの災害が起きた時の地域医療システムづくりに携わっています。災害が起きたら、区内20ヵ所に救護所と支援病院を作ってそれぞれに医師を派遣し患者さんの重症度に基づいて治療の優先度を決定するトリアージを行うなど、具体的な体制づくりを進めています。大きな災害時は地域医療が必要不可欠になってきますが、練馬区では、こうした取り組みがかなり進んでいると思います。

たいへんお忙しい日々の中、お休みの時はどのようにリフレッシュされていますか?

毎週水曜日がお休みなのですが、大体ゴルフに出かけています。月に3~4回行きますので、年間60〜70回はゴルフを楽しんでいることになりますね。一緒に行くメンバーは、クリニックの職員、地元の仲間や町内会、地元の銀行の方々などさまざまです。地元に戻ってきて長いので、患者さんを含め知り合いもかなり多いんですよ。夜、クリニックの駐車場に車が置いてあると患者さんから電話がかかってきて「いっしょにカラオケに行きましょう」などと誘われることもあります(笑)。すべてに付き合うことはできませんが(笑)、公私ともに地域の中で密につながりがあるのは非常に良いことだと思っています。

読者の方へのメッセージをお願いします。

築根吉彦院長 築根クリニック6

先ほども少しお話しましたが、高齢で一人暮らしの方は、食事をはじめ身の回りのことがついおろそかになってしまう傾向がありますので、意識して自分自身のケアを心がけてほしいと思います。医療全般については、これまでは、例えば内科だったら循環器、呼吸器など部位ごとの専門医制度がよく知られていましたが、最近は、幅広い視野で総合的に患者さんを診る総合診療の必要性も叫ばれています。当クリニックは、内科、放射線科という2つの視点からさまざまな疾患を診断できる総合診療の草分け的存在だと思っています。気になる症状があれば、画像診断も合わせて総合的に診療しますので、気軽に足を運んでいただきたいですね。

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