斉藤 範夫 院長、斉藤 夕美 先生の独自取材記事
斉藤皮膚科
(練馬区/中村橋駅)
最終更新日:2021/10/12
斉藤範夫院長と斉藤夕美先生は夫婦そろって「斉藤皮膚科」の開業当初から診療を行っている。西武線中村橋駅近くの好立地と、親しみやすい雰囲気や相手の話を丁寧に聞く姿勢が特徴で、幅広い年齢層の患者が同院を受診している。「患者さんに怖がられない医院、きちんと説明をする医院が目標でした」と開業以来のポリシーを語る斉藤院長。夕美先生が「ご相談だけでも構わないので、ご不安なことやご要望をお聞かせいただきたいですね」とその言葉を継ぐ。内容はもちろん2人仲良く話をする様子からも、同院の温かみが十分感じられる取材となった。
(取材日2018年7月5日)
子どもから高齢者まで幅広いニーズに応えるクリニック
はじめに、お二人が医師をめざしたきっかけを教えてください。
【斉藤院長】父が歯科医師で、親戚にも医療関係者がいたので、医療の仕事は身近でした。子どもの頃、父に虫歯を診てもらったときは、ふだんとまったく違う厳しい表情にプロフェッショナルの凄みを感じましたね。それから研修医の時に、いろいろな診療科を見学したとき、皮膚科は手術もできるし、顕微鏡で病理標本も作るような研究肌の仕事もあり、さまざまな取り組みが可能なところに魅力を感じ、専門に選びました。
【夕美先生】私の場合も親が開業医だったのがきっかけです。皮膚科は結婚や出産などを経験してもずっと続けられる、一時的に休んでもまた戻ってこられる分野だと思って選びました。最近は当院でも美容分野のニーズが高まっていて、そちらもとても楽しいですね。自分でも新しい施術を試して結果を確認しています。
開業されて20年以上とのことですが、振り返ってみていかがですか?
【斉藤院長】あっという間だったと思える一方で、昔診ていたお子さんがスーツで受診に来られたり、ご自分のお子さんと一緒におみえになったりするのを見ると感慨深く、患者さんと人生をともに歩んでいる気持ちになりますね。
【夕美先生】うちは小児科かと思えるくらい、昔も今もお子さんの受診が多いんです。小さい時にはひどかったアトピー性皮膚炎などが、今ではすっかりきれいになっているのを見ると、私たちも2人の子どもがいますから、同じ親としてもうれしくなりますね。
こちらにはどのような患者さんが来院されますか?
【斉藤院長】当院がある中村橋周辺は古くからある町と新しく開発された町が共存しているためか、患者さん全体では高齢の方から働き盛り世代、そのお子さんと非常に幅広く、0歳から95歳までの患者さんがおり、ご家族でかかってくださっている患者さん、また男性の患者さんが多くいらっしゃるのも特徴です。来院のきっかけは、うれしいことに患者さん同士のクチコミが多く、他にはいろいろな医療機関をかかったけれど治らなくてうちにたどり着いたとおっしゃる患者さんも少なくないですね。ですからアトピー性皮膚炎のほか、診療する症例の幅も広く、最近では年齢に関わらず美容分野の施術を希望される方が増えています。
治療効果を高めるために、薬の正しい塗り方を指導
お二人の診療分野に違いはあるのでしょうか?
【夕美先生】一般的な診療では特に分けていません。ただ、女性の患者さんは女性医師を希望される方も多く、受付で言っていただければ私が担当します。最近は小学生でもそうした傾向が強くなってきている気がしますね。また、美容分野でもしみやたるみなどは2人とも対応できますが、化粧品のことまで相談したい方は私の担当を希望されますし、男性医師に言いにくいことなら私がお聞きしますので、安心して受診していただけると思います。
【斉藤院長】逆に院内で行う簡単な手術は私の担当です。ほくろや皮膚の良性腫瘍など当院で対処できることも多いのですが、悪性が疑われる場合はすぐ専門の病院での受診をお勧めしています。私は大学卒業後は御茶ノ水にある日本大学病院に勤め、それから練馬光が丘病院に移ってきたので、そうしたつながりも生かして医療機関をご紹介できるのです。
どのような理由での来院が多いですか?
【斉藤院長】やはりお子さんのアトピー性皮膚炎ですね。親御さんから「5年間ずっと治らなかったのに、ここに来たらかゆみが止まった」など、うれしい報告をいただくこともよくあります。そうした方が治らない理由のほとんどは、塗り薬の正しい使い方を説明されてなかったこと。思った以上に量はたっぷり必要ですし、思い込みで誤った塗り方をしていたケースも本当に多いですね。
【夕美先生】アトピー皮膚炎についてはいろいろ情報が交錯していますから、ステロイドのことなどは「このような副反応も考えられるが、こう使っていけばその可能性は非常に低い」と科学的に正しい情報をもとに説明しています。
【斉藤院長】薬は効き目は確かだとしても、一部の方に副反応が出る場合があります。そうした説明もした上で、納得されてから塗っていただかないと不親切だと思うのです。
塗り薬の使い方の指導も行っているのですね。
【斉藤院長】診療する上でのモットーの一つに、早く効果を出すことがあります。効果を実感できるよう、その場で実際に塗り薬を塗ってみせ、患者さんに体験していただいています。治っているかどうかわからない、という思いを抱いて患者さんが来院し、またこちらも診療するのはお互いに気持ちの良くないことですからね。また、皮膚科の場合は内科と異なり、お薬を服用すればいいだけでなく、自分の手を汚してきちんと塗らなければなりません。正しい方法で塗れば治せる、というのをしっかりとお見せすることは、患者さんの治療に対するモチベーションを高めることにもつながります。
【夕美先生】飲み薬でも煩わしいのに、薬を患者さんに塗っていただくのですから、ご面倒なのはわかります。それを続けていただくモチベーションの維持も、私たち医師の役割だと考えています。
常に新しい医療にアンテナを張り、貪欲に研究
こちらのクリニックで行われている特徴的な治療はありますか?
【斉藤院長】乾癬に対する治療は、従来は塗り薬が一般的でしたが、飲み薬の処方も始めました。それにより、全身をクリームで塗る手間を省けるので、夜睡眠時間を確保したい忙しい方にもお勧めです。その他に特徴的なのは、性別問わず、脱毛で来院される患者さんの比較的多いことですね。短時間で痛みが少なく施術を行えるので、痛がりな患者さんにも受けていただけています。また、エステサロンでのカウンセリングで皮膚が施術に耐え得る状態にあるか疑わしいと判断された場合、まず皮膚科での診療を求められますが、クリニックでの施術だと皮膚科専門の医師による監視のもと、一箇所ですべての診療・施術を行えるので安心です。今後も私たちは常にアンテナを張り、新しい治療法、医療機器を積極的に取り入れていきたいと考えています。
診療で心がけていることをお聞かせください。
【斉藤院長】当院を始めた時から、患者さんに怖いと思われない医院、患者さんにきちんと説明をする医院にしたいと考えています。「つまらない話ですが……」とか「こんな症状でも検査してもらえますか」など、恐る恐る話を切り出される方もいらっしゃいますが、気になることは何でも話したり、質問したりしていただければと思います。
【夕美先生】本当にご相談だけでも構わないので、ご不安なことやご要望をお聞かせいただきたいですね。
その他に、近年、リニューアルされた部分はありますか?
【斉藤院長】電子カルテを導入しました。それにより、以前は診療が終わってからクリニックをお出になるまでに3、40分かかっていたのが、今はその待ち時間がかなり短縮されました。データが電子化されたことで処方箋薬局での待ち時間も短縮されたと思いますね。それから待合室を改装したので、よりきれいで明るい雰囲気になりました。また、ホームページもリニューアルしたので、より私たちの診療についてご理解いただけると思います。今後の展望としては、電子カルテの導入により、紙のカルテを保管するスペースの必要なくなった分部屋が一つ増えるので、それを処置室に改造したいと考えています。そうして診療をスムーズに行える環境を整えることで、患者さんの診療の待ち時間を減らせたらいいですね。今後も地域の患者さんにとってご利用いただきやすいクリニックであれるよう、努力を重ねたいと思います。