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松浦清人 院長の独自取材記事

松浦整形外科

(練馬区/大泉学園駅)

最終更新日:2021/10/12

松浦清人院長 松浦整形外科 main

西武池袋線大泉学園駅北口からバスに乗り都民農園前で下車すると、サミットストアーのすぐ前のレンガ造りのビルの二階に「松浦整形外科」がある。院内は窓から明るい日射しが降り注ぎ、街路樹として植えてある桜並木がよく見える。「桜の季節は、待合室に居ながらにしてお花見ができます」とにこやかに話す院長の松浦清人先生。患者にゆっくりとくつろいでもらいたいという思いから、待合室には広いスペースを確保し、椅子の座り心地にもこだわったそうだ。「せっかくいらっしゃった患者さんには治療について納得して帰っていただきたいですし、患者さんの望まれる姿に近づけるようできる限りのお手伝いをしたいです」と語る松浦先生のもとには、地域の子どもから高齢者まで幅広い年代の患者が通う。穏やかな物腰の中にも確固たる信念を感じさせる松浦先生に、診療方針から趣味の陶芸に至るまで、たっぷりとお話を伺った。

(取材日2014年4月11日)

リハビリは、整形外科の診療に付随するもの

院内の作りや設備でこだわった部分はありますか?

松浦清人院長 松浦整形外科1

昔ながらの医院のように硬い雰囲気ではなく、ホテルのロビーのようにゆったりと過ごせる場所にしたいと思い、特に待合室はスペースを広く取りました。待合室の椅子も、よくあるビニール張りのものではなく、座り心地のよい上質なものを入れています。また、リハビリ室が別の階だったり、離れていたりする施設もありますが、当院ではすべての設備を一つのフロアに集めて、患者さんもスタッフも院内を見通せるよう設計しました。そうすることで、患者さんに何か変化があった時にはすぐに対応ができますからね。数年前に電子カルテとデジタルレントゲン(CR)を導入してからは、患者さんのデータを管理しやすくなりましたし、スペース的にも余裕ができました。最初は新宿などの都心での開業も考えていたのですが、こちらは同じビル内に内科と小児科のクリニックが入っており、他の先生方と連携した医療が行えるメリットがあり、こちらでの開業に決めました。

こちらでの診療の特徴を教えてください。

リハビリだけに通いたいという患者さんもいらっしゃるのですが、当院では、リハビリというものは整形外科の診療に付随するものであって、診察なしにリハビリだけを独立させて行うものではないと考えています。地域のかかりつけ医としての私の役目は、整形外科医として患者さんを診ることであり、大学病院での手術などが必要な方は専門医療機関へ紹介し、手術が終われば経過を見守る、橋渡し役となることです。リハビリ設備は、診察を受けた方が少し休んでいけるような、一種のアメニティーとして整えていますので、理学療法士、作業療法士、柔道整復師(整体師)などの配置はしていません。ですから、リハビリやマッサージ、電気治療のみを希望される患者さんは心苦しいのですがお断りしています。

どういった症状を訴える方が多いですか?

松浦清人院長 松浦整形外科2

基本的に「痛み」を訴える患者さんが多いですね。ご高齢の方は膝関節など関節疾患や腰痛など脊椎疾患が多く、最近は骨粗しょう症の方も増えていますね。当院では、前腕で測る骨密度の測定器を導入していて、保険診療で検査を行えますし、すぐに結果の説明もできます。骨密度の定期的な測定は、患者さんに骨粗しょう症という疾患を理解してもらう上で、非常に有効な方法だと思います。尿検査や血液検査のように、ご自分の状態を数字で正確に把握できるだけでなく、年齢別の平均値や過去の検査時と比較した骨密度の変化も知ることができます。骨粗しょう症の初期段階は特に自覚症状がないのですが、骨がスカスカになってつぶれ、背中が丸くなってきたり、身長が低くなったりしてきます。ご本人が気づかないままに進行し、ある日転んで骨折してそのまま寝たきりになる方は、脳血管障害で寝たきりなる方に次いで多いんですよ。ですから、飲み薬や注射を使って事前に予防していくことが大切です。

専門分野だけではなく、多くのことを学んだ経験が現在の診療に生かされている

医師になろうと考えたきっかけは何ですか?

松浦清人院長 松浦整形外科3

父と兄が医師だった影響が大きいですね。父は外科医でしたが、田舎で開業していたので、内科も兼ねて診察をしていましたね。兄は長男でしたから、跡を継がなければという思いがあったのでしょうが、僕自身は一度も両親から、医師になれと言われたことはありませんでした。ただ、小さい頃から、医師である父の姿を間近で見ていて、良い職業だなと思っていました。

先生はなぜ整形外科を選ばれたのですか?

私の世代は、医師の国家試験を通るまでは全科目を勉強して、卒業すると大半の卒業生は大学の医局に入局していました。当初、私は脳神経外科、眼科、整形外科のどれかに進もうと迷っていました。最終的に整形外科に決めたのは、運動器の治療は小さいお子さんからご高齢の方まで幅広く診察できること、脊髄や神経系、あるいは外傷や関節などさまざまな疾患がある上に、腫瘍などの命に関わる疾患もあり、守備範囲が広くてやりがいがあると感じて決めました。整形外科と聞くと、他の診療科に比べて命に関わるイメージは強くないかもしれませんが、日常生活に関わる部分は他科よりもずっと多い分野と思います。

研修医の頃はどのように過ごされたのですか?

松浦清人院長 松浦整形外科4

大学病院で専門的に勉強したのは関節ですが、当時の教授の考えにより、「オールラウンドに診療ができなければ医師ではない、最初から関節疾患しか診ないような医師にはなるな」と育てられました。研修医の頃は、もうちょっと専門分野に特化した勉強がしたいと思うこともしばしばありましたが、今となってみれば本当に貴重な経験でした。当時は、患者さんごとに文献や教科書を引っ張り出して調べていましたが、大学で勉強したことがそのまま役に立つほど臨床は甘くありませんでしたね。比較的長く大学病院の診療に携わることができたので、さまざまな症例を診る機会にも恵まれ、現在の地域のかかりつけ医としての診療に大いに役立っています。

治療を受けて良かったと、患者の満足を第一に考えた医療を行う

先生が診療で心がけていることはありますか?

松浦清人院長 松浦整形外科5

こちらから一方的に話しかけたり、患者さんだけが言いたいことを話して診察が終わるのではなく、「患者さんに納得して帰っていただけること」を心がけています。当院では、複数のドクターがいるわけではありませんし、私が診療できる範囲も限られていますが、医療機関側が一方的に治療を押しつけてしまうことがないように、患者さんが納得できる治療を提供したいと考えています。ですから、患者さんが何を望まれているのか、また十分当院で対応できるのかどうかを見極めることが大切だと思っています。

整形外科で進歩が著しい領域は何ですか?

大学で関節疾患を担当する班に長く携わっていましたが、人工関節は素材がどんどん良くなり、耐用年数も長くなるなど日々進化していますね。日本人の場合、関節を人工物に入れ換えるという意識があまりなく、手術を受けることにどうしても抵抗があるため、症状がかなり進行してから初めて手術に踏み切るという方が多いようです。ですから当院のようなクリニックでは、手術の期間まで、どれだけ良い状態を保てるか、また、症状が悪化した時の手術のタイミングを提示したりすることも重要な役目だと思っています。

お忙しい毎日だと思いますが、どのようにリフレッシュされていますか?

休日は、趣味の陶芸をしています。作品は受付や待合室にも飾っていますが、アマチュア作品展で受賞したこともあるんですよ。カワセミや渡り蟹、仏像などを作ることが多いですが、変わり種としてはガンダムなんていうものもあります(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

松浦清人院長 松浦整形外科6

今は、医療に関する情報が氾濫していて、患者さんの混乱を招くようなことが多々あります。例えば、テレビや雑誌で特集が組まれると、ある治療法や薬を求める患者さんが集中するというようなことが起きますが、それば医療のあるべき姿ではありません。医療は、患者さんと医師との間の信頼関係の上に成り立つもので、患者さん一人一人に合った治療を協力して見極めていくことが大切です。コマーシャルや一方的な報道に偏ることなく、患者さんが適切な判断と選択を行えるように、医師として良質な情報を提供していきたいと思います。どんな些細なことでも、気軽に相談していただきたいですね。

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