骨粗しょう症の早期発見に向けて
腰椎と大腿骨の骨密度検査を
若山整形外科
(練馬区/地下鉄赤塚駅)
最終更新日:2024/04/15
- 保険診療
骨粗しょう症と聞いて、「高齢者の病気だから関係ない」と思っている人も多いだろう。しかし、骨の強さは20代をピークに加齢とともに低下し、特に女性は更年期の50代あたりから骨粗しょう症の人が増加するという。骨の老化は、肌などと違って目に見えないため、無頓着になりがちだ。自分では気づかない病気だからこそ、きちんとした検査で今の骨の状態を知っておきたい。「検査で骨密度の低下を見つけて高齢になる前から治療を続ければ、骨密度の低下を防ぐことも期待できます」と教えてくれたのは、「若山整形外科」の若山大己院長だ。日本骨粗しょう症学会のガイドラインで推奨されている検査方法で、精密な骨密度検査をして、その人に合った骨粗しょう症の治療につなげている。骨粗しょう症の検査や治療について聞いた。
(取材日2024年4月3日)
目次
DEXA(デキサ)法による画像診断と血液検査で骨の状態を詳しく検査し、骨密度の低下防止につなげる
- Q骨粗しょう症とはどんな病気ですか?
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A
骨量が減るために骨の中がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。自覚症状がないので、骨折をして気づくことがほとんどですね。いきなり骨がもろくなる訳ではなく、少しずつ骨量が減ってくるので、初期段階では特に症状がありません。整形外科を受診して検査で骨密度の低下がわかり、そこで初めて骨粗しょう症だと診断を受けるケースが多いです。ごくまれにですが、身長が縮んで気づく人もいますが、これは背骨がつぶれて背中が丸くなるためです。骨粗しょう症は、骨折を引き起こすだけでなく、骨折が原因で寝たきりになってしまう怖い病気でもあるので、できるだけ早い段階で治療をすることが大切です。
- Q骨粗しょう症は、どういう人がなりやすい病気ですか?
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A
骨粗しょう症は、加齢とともになりやすい病気で、特に女性は閉経後の女性ホルモン減少とともに骨密度も下がります。なので、50歳以降の女性がとても多いですね。もちろん、男性でも高齢になれば骨密度は減少しますので、注意が必要です。他には、遺伝的要素や過度な喫煙、飲酒、無理なダイエットなどもリスク要因になります。カルシウムは骨を作るのに必要な栄養素ですし、ビタミンDはそのカルシウムの腸での吸収率を高めてくれますので、ダイエットでそれらの栄養素が不足すると骨にも影響が出ます。
- Qどんな検査をするのですか?
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A
検査は主に画像検査と血液検査の2つがあり、当院で行っている画像検査は、DEXA(デキサ)法というデジタルエックス線検査です。腰椎と大腿骨の骨密度を計測します。手やかかとだけの簡易的な検査もありますが、治療による骨密度の変化が明確に出やすいのは腰椎や大腿骨なので、骨粗しょう症治療には適しています。放射線も少量で済むのが特徴で、撮影台に横になって10分ほどで終了。検査時は金属類は外していただきます。腰骨辺りを撮影しますので、ジッパー付きのパンツなどではない方が望ましいですね。血液検査では、骨形成と骨吸収がどの程度できているかや、カルシウムとビタミンDの栄養素が体内に保たれているかなどをみます。
- Q骨粗しょう症と診断された場合、どんな治療をしますか?
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A
検査数値を参考に、状態に合ったお薬を処方します。骨を作る材料となる栄養素が足りていない場合はビタミン剤主体のお薬でも良いのですが、一般的には栄養素だけが原因ではない人がほとんどで、骨密度低下を引き起こしている原因を細かく見極めています。例えば、骨を作る細胞が弱くなっているのか、それとも壊す細胞の働きが強くなっているのかなど、原因は人それぞれ違います。骨形成と骨吸収を繰り返している骨は、作る働きと壊す働きのバランスで成り立っているので、ちょうどいい適正の幅からずれていれば、お薬で補正を図る必要があるのです。飲み薬もさまざまなタイプがありますし、注射薬もあります。
- Q予防のために自分自身でできることはありますか?
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A
お薬も必要ですが、生活習慣も大切です。骨に対して適度な刺激となる運動とバランスの良い食生活、体内でビタミンDを生成するための日光浴がポイントなのですが、日光浴はガラス越しでは効果が薄く、外に出て太陽光に当たることが必要です。私のお勧めの運動は、ジムではなく屋外でのジョギングや散歩。運動と日光浴が一度で達成できます。6000歩から8000歩ぐらい歩けば骨密度は下がりにくいというデータもありますが、まずは自分に合った無理のない運動を習慣にすることから始めると良いでしょう。当院ではリハビリ施設もあるので、運動指導もしています。食事は、カルシウムやビタミンD、タンパク質を積極的に取ってください。