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岸 秀穂 院長の独自取材記事

岸デンタルクリニック

(練馬区/中村橋駅)

最終更新日:2026/06/02

岸秀穂院長 岸デンタルクリニック main

中村橋駅から歩くこと約10分、閑静な住宅街にあるのが「岸デンタルクリニック」。2004年の開業以来、予防歯科に力を入れる歯科医院として、地域の口腔の健康を支えてきた。小学校に近い住宅街の中に開業したのは、「地域に住むご家族を末永く診ていきたいと思ったことが理由です」と岸秀穂院長。近隣の保育園の園歯科医も務める岸院長は、特に子どもの歯の健康を守ることに注力している。何歳頃から歯科医院にかかればいいのか迷う親に対して、「当院では赤ちゃんの来院を歓迎しています。赤ちゃんの頃から親御さんに正しい食生活や生活習慣について知ってもらえれば、年齢に応じたケアができ、一生にわたって歯の健康を守ることにつながります」と岸院長。なぜ予防歯科が大切なのかといったことも含め、診療方針や地域住民への想いなどを聞いた。

(取材日2026年5月12日)

地域の家族を末永く診る歯科治療をめざし、開業

まずは、先生のご経歴をお聞かせください。

岸秀穂院長 岸デンタルクリニック1

日本大学松戸歯学部を卒業し、口腔診断学教室に入局しました。口腔診断学は、患者さんが大学病院に来た時の窓口のようなもので、どのような状態でどういった原因なのかある程度の診断をつけて「この患者さんは歯科口腔外科」というように割り振りをしますので、歯科全般に通じた開業医に近い専門と言えます。その後、一般の歯科病院に勤務し、2004年に開業しました。中村橋で開業したのは、幼稚園・小学校時代に練馬に住んでいたため土地勘があり、町の雰囲気を知っていたことが大きいですね。勤務医時代に都心の歯科医院で診療したことがありますが、そういうところの患者さんは会社員の方が多く、異動や退職によって通院が途切れてしまうこともありました。そうではなく、地域に住むご家族を末永く診ていきたいと思っていました。ここは駅から少し歩きますが、住宅街の真ん中で、思い描いていたイメージとぴったりの場所でした。

窓から外の緑が見えて、明るい印象の院内ですね。

小学校がすぐ近くにあって、窓の外に見える道は通学路になっているんですよ。この辺りは新しいマンションも多く、患者さんはファミリー層がほとんどなので、院内もやわらかく温かみのある雰囲気にしています。子どもとお母さんが来院しやすいようにと、キッズルームを造ったり、ユニットの隣にベビーカーを置けるように診察室のスペースを広くしたり、院内を親子で通いやすい設計にしました。これだけユニットの間隔が広いのも珍しいのではないでしょうか。開院してもう20年以上たちますからね。開院当初小学生だった子がずっと通い続けてくれて、結婚して子どもを連れて来院するようなこともあります。

診療する上で心がけているのは、どのようなことでしょうか。

岸秀穂院長 岸デンタルクリニック2

まずは、よく説明をすることですね。初めて来院する方には、当院の方針をきちんとお話しすることを大切にしています。それまでの経験から「歯科医師はあまり説明してくれない」「治療が怖い」という印象を持っている方は少なくありません。初診時は緊張している方もいますから、十分にお声がけをすることにも気を配っています。あとは、よくお話を聞くことです。その方のお仕事、生活背景、家族構成など、いろいろなことを踏まえて会話をしています。歯の健康には生活習慣がかなり影響しますからね。よくいわれているのは、夜勤や勤務時間が不規則な方は食生活が乱れがちだということ。おやつなどをちょこちょこつまんだりすることで、お口の中の状態も乱れてしまうことがありますから、注意が必要です。

子どもの頃からのケアの習慣で、将来の歯の健康を守る

こちらは、予防歯科に力を入れていらっしゃるそうですね。

岸秀穂院長 岸デンタルクリニック3

開業当初から、「お口の状態をいかに健康的に維持していくか」をメインコンセプトにしており、一度受診された方は、定期的にメンテナンスとして来院をお願いしています。虫歯などの治療が終了してから3ヵ月から6ヵ月の間に1回の頻度で来院していただいており、継続的に通院される方が増えた結果、現在ではメンテナンスが目的の患者さんの方が多くなっています。予防歯科は子どもの診療においてはとりわけ重要です。幼い頃の歯科医院での経験は影響が大きく、恐怖を感じたりすると後々まで苦手意識が残ってしまいます。ですから、歯科医院は怖いところではないことをわかってもらえるよう、なるべく痛みを与えないように治療していますが、できれば最初から予防歯科で関われることが望ましいと考えています。親御さんにも、「痛みが出る前に連れてきてください」と話しています。

予防歯科から関わるためには、どの段階で受診するのがいいのでしょうか。

当院では、赤ちゃんからの受診を歓迎しています。赤ちゃんの場合、診療は口の中を見るだけですが、この先の歯の健康を守るため、親御さんに虫歯になる仕組みを説明し、おやつのあげ方など日常生活のアドバイスをしています。まず幼稚園の頃まではどういうものを食べるかを親が管理し、小学校3年頃までは毎日の歯磨きで親が仕上げ磨きをしてあげる。そういうことを通して子ども自身、自分の歯の大切さを認識できるようになります。子どもの口の中を見たり、仕上げ磨きをしたりするのは、健康を守るだけではなく、親子のスキンシップにもなるんですよ。ですから、ぜひそういうふれあいを持ってほしいですね。

中学生以降はどうなりますか?

岸秀穂院長 岸デンタルクリニック4

一般的に一番虫歯になりやすいのは、中学生から20代くらいの年齢なのです。中学生になると部活動の後にお菓子を食べたり、受験勉強で夜食を取ったり、行動が多様化して、親が管理しにくくなります。高校生・大学生になるとますます行動が自由になり、歯磨きがおろそかになる時期といえます。その頃に虫歯になると一生付き合う歯が虫歯になってしまいます。その前から正しい歯ブラシの習慣が身についていて、数ヵ月に1度のメンテナンスが習慣になっていれば、ひどい虫歯になる前に対処できます。ですから、子ども時代にいかに予防に取り組むかは一生にわたって大切なことなのです。また診察では、歯石がつきやすい、歯肉が腫れやすいなど、「この子は将来、歯周病になりやすいタイプだな」ということもわかります。その場合は特に定期的なメンテナンスの重要性をお話しするようにしています。

これからも変わらず、地域のかかりつけ歯科医師として

昔に比べて、皆さんの意識は高くなっていると感じますか?

岸秀穂院長 岸デンタルクリニック5

私は近隣の4つの保育園の園歯科医をしており、お子さんのお口の中を診る機会は多いですが、昔に比べると虫歯は減りましたね。ただ、それは親御さんの意識が高くなっただけで、先ほどもお話したように、問題は高校生、大学生になってからもそれが続くかということです。また、親御さんに強い虫歯菌があると、子どもに移ってしまうとされています。親御さんのお口を衛生的に保つことは子どもの歯を守る第一歩ということも伝えていますし、妊娠中の歯のケアについても積極的に情報を発信しています。妊娠中は口の中が酸性になりやすかったり、女性ホルモンの影響で歯茎が腫れてしまったりと歯が悪くなりやすいとされています。つわりで歯磨きがおろそかになるだけでも虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、正しい口のゆすぎ方やキシリトールを含むガムを噛むなどのアドバイスをしています。

歯科医師としてやりがいを感じるのは、どのような時でしょうか。

実は2年前ぐらいに、私が体調を崩して入院した時期がありましてね。その間、患者さんにはご迷惑をおかけすることになってしまいました。診療に戻ると、ずっと通ってくださっている患者さんから「先生がいなくなったら、この歯は誰が診てくれるの」「ここがなくなったら困るから、これからも頼むよ」などと声をかけていただけました。「待ってくれている人がいるのだな」とうれしかったですし、地道に続けてきて良かったなと感じましたね。それからは、自分の体のケアにもより一層気をつけるようになりました。

今後の展望をお聞かせください。

岸秀穂院長 岸デンタルクリニック6

ここを開院する前は1日に数えきれないほどの患者さんが来るような、多忙な歯科医院にも勤務していました。それもいい経験になりましたが、私は地域のかかりつけ歯科医師として、患者さんとじっくり長いお付き合いをしたいと思って、この地を選び、開院しました。20年以上がたって、当時自分がめざしたスタイルの歯科医院になっているのではないかなと思っています。ですから、これからも目新しいことに取り組むということではなく、これまでどおりのスタイルで一人ひとりの患者さんと向き合っていけたらいいなと考えています。