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中村 成弘 院長の独自取材記事

みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック

(練馬区/武蔵関駅)

最終更新日:2024/04/18

中村成弘院長 みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック main

吉祥寺駅から徒歩20分、武蔵関駅から徒歩20分。または両駅からバス5分、関町南二丁目停留所前にある「みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック」は広々とした間口の開放的なクリニック。「北海道出身のせいかおおらかな性格だと言われます」と笑顔を見せる中村成弘院長は、幅広い世代から慕われる物腰のやわらかいドクターだ。北海道と東京で約20年、頭頸部腫瘍を専門に数多くの診療に携わった後、2011年に開業。地域医療に貢献しようと、耳鼻咽喉科の疾患に限らずさまざまな相談に応じる。何でも気軽に相談できるクリニックをめざす中村院長に、日々心がけていることや具体的な診療について話を聞いた。

(取材日2020年6月29日/更新日2024年4月15日)

患者の話を丁寧に聞くことが診療の基本

医師をめざしたきっかけ、耳鼻咽喉科を選んだ理由を教えてください。

中村成弘院長 みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック1

小児科医師だった叔父のところによく遊びに行っていて、幼い頃から医師という職業を身近に感じていました。手術で病気を治したいという思いが強かったものの、最終的には診療も手術も重要で内科的な要素も必要とされる耳鼻咽喉科を選択。初めの診察・診断から治療の最終段階まで関われて、患者さんと長く付き合えることに魅力を感じています。大学病院の耳鼻咽喉科に7年ほど勤務した後、専門を持ちたいと考え頭頸部腫瘍の治療に携わるように。珍しい症例を経験し、医師として大きなスキルアップにつながりました。

この地に開業した理由を教えてください。

地域の皆さんの健康を守りたいという目標があったので、開業するならご家族で通っていただきやすい住宅地でと考えていました。いろいろと物件を見て回った結果、妻の出身地で土地勘もあるこの場所に。吉祥寺通りに面していてわかりやすいですしね。地域に長く住んでいる方が多く、穏やかな方が多いという印象です。開院して10年近くたちますので長く通ってくださる患者さんも増えており、親しくお話しさせていただけるのもたいへんうれしいですね。

診療ではどのようなことを心がけていますか。

中村成弘院長 みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック2

患者さんの話を丁寧に聞くことが診療の基本です。勤務医時代は1日に多数の患者さんを診る必要があったため、1人2分程度しか時間が取れない状態でしたが、今は最低5〜10分、前回の診療であまり時間を取れなかった患者さんには今回はもっと時間をかけてお話ししようという気持ちで臨んでいます。ご高齢の患者さんから「いつも丁寧にお話を聞いてくださってありがとう」とお手紙をいただいたこともあり、励みになっています。またお子さんの場合、最初から無理に治療をしようとせず徐々に慣れてもらうことが肝心。私も一児の父親ですし子育て経験のあるスタッフもいますので、一人ひとりのペースに合わせた診療を心がけています。うまく治療を受けられたらご褒美のシールをあげるなど、しっかり褒めてあげることも大切ですね。

ホームページでも病気をわかりやすく解説されていますね。

病気を疑うと皆さんはインターネットなどで情報を得ようとしますよね。正しい情報を提供することで受診前に少しでも安心していただこうと考え、病気や治療の概要を載せています。当院の患者さんはお子さんが半分ぐらい、ご高齢の方が4分の1程度なので、子どもに多い病気、高齢者に多い病気というカテゴリーでも解説しています。

不調の原因はさまざま。気になったら早めの受診を

患者さんの訴えはどのようなものが多いですか。

中村成弘院長 みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック3

お子さんだと風邪に伴う中耳炎や副鼻腔炎、扁桃炎。またアレルギー性鼻炎や気管支喘息などのアレルギー疾患も増加傾向です。ご高齢の方では加齢による難聴や嚥下障害など、中高年男性からの睡眠時無呼吸症候群の相談も増えています。また昨今は新型コロナウイルス感染拡大防止のため自粛生活が続き、生活リズムの変化や自律神経のバランスの崩れからめまいを訴える人も増加傾向です。テレワークが広まり自宅で長時間同じ姿勢で仕事をする人も多く、首や肩の凝りからめまいを引き起こしているとみられるケースもあります。運動不足も長期的にみると三半規管の機能低下につながりますし、ストレスもめまいの原因の1つです。

めまいの患者さんにはどのように対応されていますか。

めまいは安静にしすぎると長引くこともありますので、基本的にはある程度体を動かしながら改善をめざします。当院では耳鼻咽喉科系のめまいについて的確な検査・診断に努めていますが、めまいには中枢性のものもありますので、疑わしい場合には専門医療機関で脳の検査を受けていただくことになります。また起立性調節障害により立ちくらみやめまいを起こしやすくなっている方もいますので、生活の変化や症状を詳しくお聞きしています。

お子さんの疾患で気になるものはありますか。

中村成弘院長 みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック4

お子さんに多いのは滲出性(しんしゅつせい)中耳炎。風邪やアレルギーをきっかけに中耳腔に滲出液がたまります。痛みがなく気づきにくいので要注意。テレビの音が大きい、呼びかけても反応が鈍いなど気になることがあれば早めに受診してください。また近年、早期に発見されることが多くなった先天性難聴ですが、まれに2、3歳まで気づかずに放置されていることも。精密検査や専門治療が必要な場合、小児難聴の治療に力を入れている医療機関にご紹介しています。そのほかアレルギー性鼻炎が低年齢化しているのも気になりますね。内服薬や点鼻薬などで症状の改善を図っています。

小さな悩みも気軽に相談できるクリニックをめざして

補聴器に関する相談にも応じていらっしゃると聞きました。

中村成弘院長 みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック5

当院では週1回、補聴器に関する相談の時間を設定。聴力検査と診察をもとに、補聴器の専門家の協力を得て、ちょうどいい聞こえ方を調整しながらニーズに合った補聴器を見つけていきます。補聴器は自分には合わない、雑音が入って不快だという方もいらっしゃいますが、自分にぴったりの補聴器を調整するには半年ほどかかることもあります。腰を据えて取り組んでいただきたいですね。音を聞くのは耳ですが、それを言葉として理解するのは脳なんです。聞こえが悪くなると会話を理解する力が衰え、認知症の引き金にもなるといわれています。高齢になると、聞こえにくいのは年齢のせいだと諦めたり、家族なども仕方がないと放置したりしがちですが、ある程度聞こえているうちに自分に合う補聴器を準備しておくことが、高齢化時代の生活の質向上につながります。

感染症対策にも力を注がれていますね。

院内を清潔に保つのは医療機関として当たり前のことです。器具類はすべて消毒薬で洗浄した上で高圧滅菌処理。患者さんが直接触れる箇所は1人の診察ごとにアルコール消毒、午前・午後の診療前の待合室内の消毒も徹底しています。新型コロナウイルスの流行時には、できることはすべてやるという心構えで対応をさらに強化。時間帯予約によりクリニック内に5人以上が入らないよう調整するとともに、来院者全員に検温と手指消毒を実施。30分に1回5分以上、あるいは状況に応じて常時換気を行っています。診察時にはマスクを着用し、鼻や喉の治療時は使い捨て手袋を装着しています。発熱がある方はあらかじめお電話をいただいて時間帯を分けて診療。来院に不安を感じる方には電話診察、オンライン診察も応じていますのでご利用ください。

今後地域でどのような役割を担っていきたいとお考えですか。

中村成弘院長 みみ・はな・のど吉祥寺なかむらクリニック6

病気を見逃さず、自分ができる診療に責任を持って取り組むことが第一ですね。専門医療機関での医療が必要な場合には武蔵野赤十字病院、杏林大学医学部付属病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などに迅速にご紹介しますし、近隣の他科の先生方とも連携し、患者さんにベストな治療を受けていただけるよう努めていきます。なるべく受診のハードルを下げ、小さなことも気軽に相談できる身近なクリニックをめざしています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

困ったことがあれば耳鼻咽喉科を積極的に活用してください。例えば耳垢が取れないといったことでもいいんです。特にお子さんは耳の穴が狭い上じっとしていませんから、家庭での耳掃除は大変ですよね。またお子さんの病気は小児科を受診される方が多いと思いますが、中耳炎などは専門の耳鼻咽喉科で治療したほうがよいこともあります。あと、ご高齢の方は難聴を年齢のせいだから仕方がないと考えずにご相談いただきたいですね。そのほか、どこの科を受診すればいいかわからないという場合にもお話をお聞きした上でアドバイスさせていただきますのでお気軽にお立ち寄りください。

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