神谷 玄司 院長、中田 雄介 副院長の独自取材記事
丸の内永楽ビル歯科クリニック
(千代田区/大手町駅)
最終更新日:2025/07/10

大手町駅B1a出口から地下通路で直結。永代通りと丸の内仲通りに面したビルの地下1階に「丸の内永楽ビル歯科クリニック」はある。落ち着いた雰囲気の院内は8台のユニットが並ぶほど広く、2012年の開業時から院長の神谷玄司先生と副院長の中田雄介先生が診療を担当。口腔内の環境が全身にも影響を与えることから、総合歯科診療をベースに包括的な治療を提供していることが特徴だ。そのため虫歯、歯周病、インプラント治療、歯列矯正、嚙み合わせ、小児歯科、睡眠時無呼吸症候群、審美歯科など、幅広い診療に対応し、マイクロスコープなどの先進的な設備をそろえる。「患者さんの不安を取り除くことが重要」という神谷院長と中田副院長に、診療方針などについて話を聞いた。
(取材日2025年2月28日)
全身の健康を考慮し、口腔内全体を診る総合歯科診療
クリニックの診療方針を教えてください。

【神谷院長】「患者さま第一主義」を掲げており、症状や要望に沿ったさまざまな治療内容から選んでいただくなど、患者さんに寄り添った診療を提供しています。歯科への通院が敬遠される理由の一つは治療を受ける際の痛みだと思います。表面麻酔などの物理的に痛みを感じさせないための工夫はもちろん、それ以上に大切なのは綿密なコミュニケーションを図ることです。会話で患者さんの気持ちを和ませたり、丁寧な説明をしたりすることで、痛みへの恐怖心の軽減につなげています。
【中田副院長】なるべく一つの歯科クリニックで、患者さんに必要な治療がすべて行うことができるようにしています。例えば、歯がない患者さんがインプラント治療を希望され、咬合のバランスが悪い場合は、まずは歯列矯正を進めます。矯正が終わったタイミングでインプラントを埋入し、最終的に口腔内をトータルで診ていきます。
特徴の一つである総合歯科診療の考えにもつながっているのですね。
【神谷院長】総合歯科診療とは、歯を1本ずつではなく、口腔内全体を診ることを指します。例えば虫歯の場合、治療して終わりにするのではなく、虫歯になった原因について口腔内全体から考えていきます。そして、歯周病は糖尿病や心血管疾患などの全身疾患とも密接な関係性がありますから、全身の健康も視野に入れ、そのようなことを患者さんにも説明した上で治療を行っています。また最近では睡眠の質が健康に影響を与えている点が注目されています。当院でも睡眠時無呼吸症候群の患者さんは増えており、ご自身で気づいていない人でも、周囲からいびきを指摘されて来院するケースもあります。当院では、内科などで睡眠時無呼吸症候群と診断された方に対し、睡眠時に気道をふさがないようにするためのマウスピースの製作を行います。舌が大きかったり、肥満だったりすると、睡眠時に舌根が沈下して気道をふさいでしまうため、このような方々も要注意です。
噛み合わせが全身に与える影響はどうでしょうか?

【中田副院長】噛み合わせが悪いケースも、不定愁訴をはじめとする悪影響を与えます。不正咬合の患者さんには、例えば将来的に奥歯に負担がかかって全身に不調を来す可能性があることを話し、矯正で犬歯を移動させることで、奥歯にかかっている負担を逃すといった歯列矯正の提案もします。もし歯列矯正をしたくない場合は、補綴での解決策を提案することもあります。食事は人間の生活の中でも最も重要な要素ですので、おいしく食事できることは健康と深い関係性があると思います。あとは顎関節症の患者さんも一定数いて、当院ではマウスピース型の器具を使ったスプリント治療を行っています。適切な顎位を与えることによって改善をめざします。
歯周病は位相差顕微鏡による細菌検査と内服薬で治療
どのような患者さんが来院されていますか?

【神谷院長】丸の内エリアで働かれているビジネスパーソンが中心で、歯科に対する意識の高い方々が多いのが特徴ですね。そのため、治療よりも定期検診などのメンテナンスを受けに来院されるケースが多い傾向にあります。当院は位相差顕微鏡を備えていますので、口腔内の細菌を検査することでよりしっかりしたメンテナンスを行うことができます。
【中田副院長】メンテナンスが多い一方で、患者さんからはさまざまな要望があります。セラミックのかぶせ物や詰め物を使い審美面に配慮した修復治療やホワイトニングといった、プラスアルファの要望にも応えることができます。ユニットは8台あり、2人の歯科医師、7人の歯科衛生士が在籍していますが、同じ歯科医師と歯科衛生士が患者さんを継続的に診る担当制で診療にあたっています。
歯周病治療の詳細を教えてください。
【神谷院長】まずは位相差顕微鏡で細菌の検査を行い、口腔内の状態を撮影して患者さんに見ていただきます。歯周病菌が確認できるなど、状態が悪い場合は歯周内科治療を行います。これは内服薬を用いる治療法で、歯周病菌を殺菌するための抗生物質を3日間服用していただき、服薬から2週間くらいの間に歯周ポケットの歯石をクリーニングで取り除くという治療です。歯周病菌を完全になくせるわけではありませんが、大幅に減らすことが期待できます。
【中田副院長】歯石を取り除いた後は、定期的にメンテナンスを受けていただくという流れです。歯周病は感染症なので、再感染しないためには毎日の正しいブラッシングも必要です。
マイクロスコープなどの先進的な設備にも力を入れている印象です。

【神谷院長】破折が疑われるなど、根管治療が必要な場合は最大80倍まで拡大できるマイクロスコープを使っています。これまでは抜歯しなければいけなかったケースでも、精密な治療ができるマイクロスコープを使い、歯をできる限り削らず、できる限り抜かない治療を行うために役立てています。ほかに口腔内の情報を立体的に表示してくれる口腔内スキャナーや3次元の立体画像として診断できる歯科用3DCTを備えるほか、インプラント治療にはインプラントを適切な位置に埋入できるガイドシステムを導入しています。
不安を取り除き、安心して治療を受けてもらうために
診療で大切にしていることは何でしょう。

【神谷院長】最も大切なのは患者さんの不安を取り除くことです。不安というものは、どんな治療をされるのかわからないことや、痛みへの恐怖から生じますので、インフォームドコンセントを重視し信頼関係を築くことを心がけています。そのような対応によって、初めて安心して通っていただけるのではないでしょうか。実際に、このエリアの会社にお勤めされていて、定年退職後も遠く離れた自宅から定期的に通っていただいている患者さんも多数います。
【中田副院長】患者さんを説明する際には、ユニットの前に設置している大型モニターに口腔内スキャナーで取得した3Dデータをなるべく映すようにしています。そうすることで、どのような治療が行われているのか、自分の口腔内の状態がどうなっているのかが理解しやすいので、患者さんは安心できますよね。同様の目的で歯科用3DCTで撮った画像も活用しています。
ほかにクリニックの強みはありますか?
【中田副院長】詰め物やかぶせ物を作る際には、口腔内スキャナーで光学印象(型採り)を行っていますが、一方で専属の歯科技工士がいます。普段は当院からも程近い京橋で仕事をしているので、患者さんの治療に合わせて来てもらい、補綴物の色や形の相談をしたり、噛み合わせがおかしい場合に微調整してもらったりしています。つまり、デジタルの技術で精度を高めながら、職人の技を加えることで、より質の高い補綴物をめざしているんです。全国的に歯科技工士が減少している中、院内にラボがあるかのように歯科技工士との連携がうまく行えるのは当院の強みの一つです。
最後に今後の展望について聞かせてください。

【神谷院長】将来的には医科との連携を図ることができればと考えています。歯科に関しては、日本大学歯学部付属歯科病院と連携しているので、当院で対応できない治療に関しては紹介していますが、医科については今後の課題となっています。例えば歯周病と糖尿病はお互いに影響を及ぼし合う関係性にありますので、内科と連携しながら歯周病を治療していくことができれば、患者さんにとっても良いことだと思います。
【中田副院長】新しい治療法や技術などは積極的に取り入れていきたいです。勉強会などで得た技術や知見はスタッフ全員で共有しており、患者さんからの要望に対して常に応えられる歯科クリニックでありたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/22万円~
インプラント治療/30万円~
セラミックインレー/5万5000円~
歯周内科治療/4万5000円~
ホワイトニング/1万6500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。