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森末 裕行 院長の独自取材記事

森末歯科医院

(調布市/飛田給駅)

最終更新日:2024/06/12

森末裕行院長 森末歯科医院 main

京王線飛田給駅北口からすぐの場所に「森末歯科医院」はある。1989年の開業以来、地域のかかりつけ医として診療してきた。森末裕行院長は予防歯科に力を入れ、定期検査にのみ長年通院している地域住民も多いという。院内はバリアフリー設計で、車いすのまま診療室に入ることも可能だ。「歯の健康は、最後は自分でしか守れません。私たちはできる限りのサポートをするだけ」と語る森末院長。同院では患者の適切なセルフケアのために、歯みがきの指導にも力を入れる。今回は、予防歯科の重要性や予防のために具体的に行うべきことなどについて聞いた。

(取材日2024年4月12日)

開業から35年、予防歯科の地域浸透を実感

どのような患者さんが来院していますか?

森末裕行院長 森末歯科医院1

未就学のお子さんからご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんがいらっしゃいます。開業時からずっと通ってくださっている患者さんも多く、とてもありがたいことです。クリーニングや定期検診で通う患者さんも増え、これも25年ほど前から取り組んできた予防歯科が、患者さんに浸透している証しかなとうれしく思っています。診療体制は、私と別に何人かの歯科医師が普段の診療を担当し、歯科矯正は専門の歯科医師による診療を選ぶことも可能です。歯科矯正の外来は第2日曜日を中心に実施しています。近年はお子さんの歯科衛生に敏感な親御さんが増えたためか、むし歯になる子どもが減少しました。開業した35年前は、むし歯がある子どもは当たり前でしたので、歯科衛生に対する意識が変化したといえるでしょう。

力を入れている治療についてお聞かせください。

治療というよりは、予防歯科診療を重視しています。もちろんむし歯も治療しますが、その後も定期的に通っていただいて、悪くなる前に予防することが大切だとお伝えしています。初期のむし歯であれば治療も大がかりではないことが多いですからね。たとえその歯の寿命があと3〜4年だと思われたとしても、適切に治療をして自分の歯をできるだけ長く使えるようにめざせるならそのほうが良いのではないかと考えています。当然患者さんによってさまざまな考え方がありますので、じっくりお話しした上で、最終的には患者さんが納得のいく方法で治療を進めています。少しでも長く自分の歯を使いたいと願う患者さんのセルフケアへのサポートにも力を入れていきたいですね。

地域の予防歯科にも取り組まれているそうですね。

森末裕行院長 森末歯科医院2

はい、調布市歯科医師会の役員として地域の歯科医療や公衆衛生活動に従事してきました。調布市がある北多摩南部地域は、お子さんの歯科衛生への意識の高い地域だといわれています。その背景には調布市はじめ行政の取り組みが大きく影響しているのではないかと考えています。調布市では、1歳半と3歳で行う法定の乳幼児健診に加えて、希望者に半年後の検診やフッ素塗布などを調布市歯科医師会と連携して実施しているのです。これにより保護者の歯科衛生への意識も高められたのではないでしょうか。そういった活動に取り組めていることは、歯科医師としてとてもうれしく感じています。

10代に広まる歯周病。予防には丁寧な歯みがきが基本

15~18歳の若年層にも歯周病が広がっていると聞きました。

森末裕行院長 森末歯科医院3

そうですね、若い人の歯周病が多くなっていると感じます。歯周病は歯肉炎から歯周炎と進行していく病気ですが、歯肉炎を起こしている10代の人が増えました。低年齢のときには親御さんが仕上げみがきをしたり、歯科医院にクリーニングに通ったりするので、むし歯になりにくいのですが、中学生や高校生になると自己管理が必要になり、ケアが不十分になるのでしょう。すると、歯みがきが足りないことなどで歯垢が蓄積され、歯茎に炎症を起こしてしまうのです。歯肉炎は歯茎が赤く腫れている状態なので、見た目でも判断ができます。また、歯みがきの時に血が出る場合は、歯肉炎を疑うべきです。歯肉炎の状態であれば、丁寧に歯みがきをすることで自然に治まってくるので、早めに気がついて対処することが大切になります。

歯周病の予防には何が大切でしょうか。

予防歯科の基本は歯みがきです。歯を1本1本みがくよう意識して丁寧にブラッシングすることをお勧めします。毎食後に歯をしっかりとみがくのが理想ですが、お昼など時間がない時には軽くブラッシングを行うだけでも違います。また、デンタルフロスも有用です。特に唾液の分泌が少なくなる、就寝前の歯みがき時に使用するのがいいでしょう。お子さんの場合は、小学校3~4年生くらいまでは保護者に仕上げみがきをしてもらうように勧めています。ただし、お菓子をしょっちゅう食べているのではみがいた意味がありません。甘い物が悪いのではありません。決まった時間に食べる習慣を身につけ、食べたら歯をみがくことが大切です。大人も子どもも半年~1年に1回は歯科医院で検診とクリーニングを行うと、健康な自分の歯の維持につながります。

治療に不安がある患者さんへどのように対応されていますか?

森末裕行院長 森末歯科医院4

患者さん一人ひとりの状態を確認し、どういった不安があるのかをしっかりお聞きして治療を行うようにしています。例えば痛みに対する不安でも、痛みの感じ方には個人差があるので、これを行えば痛くないということは言えません。ただし、麻酔注射を行うときには注入速度を速めると痛みを感じやすいため、できるだけゆっくり時間をかけて薬剤を注入するなど、痛みを軽減できるような工夫をしています。中には、注射自体が怖く、麻酔をしたくないという患者さんもいらっしゃるので、そこは患者さんの希望を伺ってしっかり説明をした上で対応します。

健康な歯を維持することは全身の健康維持にもつながる

なぜ予防に力を入れようと思われたのでしょうか。

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歯科医師会の活動で、行政の健康づくり計画に関わったことがきっかけです。超高齢社会において、これからは地域のかかりつけ医の役割が重視されると実感していました。健康寿命を延ばすためには、自分の歯でしっかりと食べられることが大切です。そこで予防歯科に力を入れていこうと考えるようになったんです。患者さんの中にも、いつまでも自分の歯で食べたい、入れ歯になりたくないといった意識を持つ方も多く、セルフケアに関心が高い人は少なくありません。ですが、やみくもにみがいても効率的とはいえません。適切なセルフケアを行うためにも、お口のプロとしてその手助けをしていきたいのです。高齢になっても、しっかりと自分の歯が残せるような指導が理想ですね。

スタッフの皆さんとの連携はどのようにされていますか?

当院のスタッフは長い人で30年以上、短い人でも10年ほどと、みんな長く勤務してくれています。長く勤務してくれている分、患者さんのこともよく知っていて、スタッフから患者さんの様子を聞くことも少なくありません。患者さんからすると、歯科医師の私よりもスタッフの方が話しやすい場合もあるでしょう。そうした患者さんと歯科医師の橋渡し役のようなことも担ってくれるので、とても助かります。

今後の展望についてお聞かせください。

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今後も変わらず、予防歯科には力を入れたいと思います。基本的には、歯は自分で守るしかなく、歯科医師はその手助けをする立場です。自分の歯を守ることへの意識を高めることが、いずれ大きな意味につながると信じています。また、患者さん一人ひとりをしっかり診られる診療体制も継続していく予定です。10年ほど前から診療体制を見直して、1人あたりの診療時間を長く取るようにしました。昔は周辺に歯科医院も少なく、むし歯の患者さんも多かったので、1人あたり10分ほどしか時間をかけられないこともあったんです。しかし、それでは患者さんとしっかりコミュニケーションが取れず、そうした診療に疑問を感じていました。今は予防歯科で受診する患者さんも増えたので、1人あたり30分ほど時間を取って診療できるようになりました。この体制は今後も維持していく予定です。

自由診療費用の目安

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インプラント治療/35万円~ 
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