田村 好之 院長の独自取材記事
柴崎駅前歯科
(調布市/柴崎駅)
最終更新日:2024/12/26

柴崎駅から徒歩30秒。駅から続く商店街にある「柴崎駅前歯科」は、田村好之院長が大学病院の勤務を経て2002年に開業。院内は、患者の不安軽減のため落ち着いた照明にし、BGMも静かで低い音域のものを流す。治療ではなるべく歯を抜かない・削らない、そして神経を残す保存的治療を開院当初から重視。矯正専門の歯科医師やスタッフと連携し、チーム医療を実践している。特にスタッフとのコミュニケーションを重視する田村院長。診療の流れや患者対応について意見を交わすことも少なくないという。そんな院長の診療のこだわりとは何か、詳しく聞いた。
(取材日2024年10月4日)
治療の可視化と衛生にこだわった改装
全面的なリニューアルを行ったそうですが、どういった部分が変わったのでしょうか。

内装と設備の両方でリニューアルを行いました。カーテンや壁紙を新調して、お子さんの目に入りやすい場所にはキャラクターものを使うなどワンポイントも入れました。親子で通ってくださる方も多いので、少しでも明るい気持ちで来院してくれたらうれしいですね。また、照明にも工夫をしていて、患者さんは天井を見る時間が多いので、青みがかった色を避け、暖色系の光を採用しています。設備面では、診療用チェアを1つ増設し、それぞれにモニターを設置しました。歯科用CTや性能にこだわった滅菌器の導入など、患者さんの目が届きにくい部分も含めてリニューアルをしています。
衛生面をさらに強化されたのですね。
ウイルスや細菌の侵入する経路を少なくし、安心して診療を受けていただくための取り組みとして滅菌器にはこだわっています。衛生への意識が高いヨーロッパの基準を採用した機器で、治療に使う器具などを清潔な状態に保ちます。その他、唾液や粉塵を吸引するための口腔外バキュームやN95という高性能マスクの着用を行っています。患者さんにも治療前に感染予防へとつながる過酸化水素水を希釈した水でのうがいや、外からの感染を遮断するために院内でのスリッパ着用などご協力をいただいています。感染リスクを抑えるために今後もできることを積極的に取り入れていきたいと思っています。
歯科用CTはどういった時に使用してしますか?

例えば、親知らずの外科的治療を行う際に、歯の形状や神経との重なりを確認する場合や、歯根破折(しこんはせつ)といって、歯が割れていることを確認するケースで活用しています。歯科用CTを導入して一番良かったなと思うのは、患者さんへのご説明がしやすくなったことです。すべての診療用チェアに設置したモニターで検査画像や口腔内の写真などが表示できるので、どこに問題があって、どんな治療をするのかをしっかり伝えることができます。患者さんもご自身の状態がはっきりわかるので、治療への意識も変わり、より進めやすくなりました。
各分野に特化した歯科医師が連携する歯列矯正
歯列矯正にも力を入れているそうですね。

月2回木曜午後の診療から、歯列矯正を専門の歯科医師による治療が受けられます。まず私が患者さんの口腔内状況を確認し、大まかな情報を得て、矯正の先生にバトンタッチしています。矯正というと小さいお子さんが受けるものと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は老若男女、年齢層はさまざまです。当院では、ワイヤー矯正のほか、マウスピース型装置を用いた矯正や歯の裏側に装置をつける見た目が目立たない裏側矯正、期間短縮につながるインプラント矯正、部分矯正なども行っています。矯正担当の歯科医師は男性2人おり、木曜日にどちらか1人が治療を担当しています。
こちらで歯列矯正を受けるメリットをお教えください。
歯列矯正は歯全体に及ぶ場合と、部分的な矯正と大きく分けて2つあります。中でも、部分的な歯列矯正では、一般歯科治療が組み込まれていることが多数です。例えば、傾いている歯を部分矯正で起こしてから、かぶせ物の治療を行うこともあります。こうした場合は、歯列矯正の歯科医師と一般歯科診療の歯科医師が話し合い、最終的なゴールをめざして協力する必要があるのです。当院ではその連携を院内で行えるので、非常にスムーズですし、患者さんも複数の歯科医院を受診する手間が省けます。診療中に矯正の先生から「ちょっとお願いします」と、声をかけられて診察に入ることも少なくありません。そうした柔軟な診療を行えるのが、当院で歯列矯正を受けていただくメリットだと思っています。
矯正治療を行う先生はどういった方でしょうか。

2人ともとても優しくて、患者さんの話をよく聞いていらっしゃいますね。思っていることをうまく言葉にできないことは、誰しもあると思います。特に歯科医院という環境で、治療を受ける不安もあればなおさらです。先生方が患者さんのお話をじっくり聞くことで、患者さんも落ち着いてくるように感じます。また、患者さんへの説明も非常に丁寧です。必要な説明以上に、患者さんが不安や疑問に思うことを先回りして解消してあげたいという心遣いが伝わってきます。2人とも多くの症例をご経験され、研鑽を積んできたベテラン歯科医師です。この2人だからこそ、信頼して矯正歯科をお任せすることができています。
保存的治療を軸に次の20年に向けて進化
診療で大切にしていることを教えてください。

「抜いたり、削ったりしたものは戻ってこない」をキーワードに、歯の保存に重きを置いた治療を心がけています。例えば、神経を抜く治療を行うと痛みを感じなくなるため、悪化しても気づきにくく、処置が遅れてしまいかねません。そうなっては患者さんのためになりませんよね。そのため、なるべく歯や神経を残すことを方針とし、どうしても削る必要がある場合は、削る量を最小限に抑えられるように特殊なルーペや小さな切削器具を使って治療を行っています。虫歯が深く、神経が露出してしまって根管治療に進む場合は、MTAセメントを塗布し、可能な限り神経を保存できる方法で処置を行っています。治療後は再発をさせないための予防が大切です。当院では患者さんの予防をサポートできるよう、さまざまな取り組みを行っています。
予防への取り組みとは具体的にどういったことでしょうか?
治療が終わり安定している患者さんは、数ヵ月に1回のクリーニングと定期検診を受けていただくことをお勧めしています。定期検診までの期間は患者さんによってそれぞれです。検診まで間が空くことが心配な患者さんには、歯垢だけを除去するプログラムをお勧めしています。超音波PMTCというプログラムで、超音波によって歯垢の除去を図るものです。ブラシで磨くのではなく、超音波で水を振動させて汚れを落とすことをめざします。フッ素の塗布などは行わず、あくまでも汚れを落とすことを目的としたライトな施術です。お口の健康にとって大切なのは、日々の予防と定期的なメンテナンスで虫歯や歯周病を防ぐこと、それによる早期発見です。月1~2回、この施術を受けてもらうことで、患者さんにも予防歯科により関心を持っていただきたいと思っています。
今後の展望について教えてください。

基本的な診療方針、大切にしている部分は変えずに、次の20年を見据えて前進していければと考えています。今回のリニューアルで診療用チェアも増えたので、将来的には歯科医師を2人体制にすることも検討中です。歯科治療は、これまでの歯を削る治療から、いかに歯を残すかという治療に大きく変わりました。これは国民皆歯科健診を国が進める方針からもわかります。つまり、国も歯を残す重要性を認識しているということです。歯を残すことをめざすためには精密な治療を、より時間をかけて行うことや早期発見・早期治療といった基本的な対応が必要です。ケースによっては自由診療の検討も必要になるでしょう。ですので、患者さんが納得して治療方法を選択できるよう、CT画像などをモニターで確認できるようにしました。こうした工夫や改良を重ねながら、抜かない・削らないを目標にした治療を提供できるように励みたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは・歯髄保存治療(MTAセメント):4万9500円~
・部分矯正:14万3000円~、ブラケット矯正:77万円~、裏側矯正:99万円~、インプラント矯正(矯正治療の補助的な追加処置):5万5000円~、マウスピース型装置を使った矯正:82万5000円~、子どもの床矯正:77万円~
・PMTC:3300円~
※詳しくはクリニックにお問い合わせください
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。