白内障で見えづらさを感じたら
低侵襲の日帰り手術を
武蔵境眼科医院
(武蔵野市/武蔵境駅)
最終更新日:2025/02/12


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年齢を重ねるにつれ、目がかすんだりぼやけたりして見づらくなったと感じることはないだろうか。それらの原因は、目の中でレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう白内障かもしれない。白内障は年を経ていくごとに、誰にでも発症の可能性がある疾患。進行した白内障の治療には手術が必要となるが、目の手術と聞くとつい尻込みしてしまう人も多いだろう。「武蔵境眼科医院」の村松大弐(むらまつ・だいすけ)院長は、「現在は手術も低侵襲で行うことができ、手術時間は10~15分ほど。見えづらいと感じたら、まずは受診してみてほしいですね」と語る。人生100年時代だからこそ、体が元気なときに白内障手術を済ませてほしいと話す村松院長に、白内障手術を考えるべきタイミングや手術の流れ、手術前後のケアなどについて話を聞いた。
(取材日2025年1月20日)
目次
体が元気なうちにこそ白内障手術の検討を。手術で用いる眼内レンズはメリット・デメリットを踏まえて選択
- Q白内障を疑うべき症状を教えてください。
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A
▲2002年に開業以来、地域住民を支えている
かすんで見える、光がまぶしく感じる、にじんで見えるといった症状が代表的です。「月が2個や3個に見える」と表現する人も多いですね。視力そのものは落ちていなくても強い見えづらさがあるという人もおられますから、単純に視力検査でわかるものでもありません。何か見えづらさを感じたら、まずは検査することをお勧めします。高齢になるにつれて白内障の割合は増えていきますが、高齢者で視界の濁りが強くても不自由をあまり感じない人もいれば、50~60代くらいでまだ軽度の白内障であっても、仕事上、不自由さを強く感じる人もいます。何より本人にとって見えづらさが強い場合に、治療を考えたほうがいいと思います。
- Q白内障の手術はどのようなタイミングで行えばよいでしょうか?
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A
▲患者の見え方の状態をよく把握して治療の提案を行う
本人が不自由さを強く感じている場合、手術を考えてよいと思います。高齢の方で考慮に入れてほしいのは、まだ見えるからと手術をせずに放っておくうちに、目以外の病気などで体の状態が悪くなってしまい、白内障の手術が難しい体調になってしまう可能性です。まだ大丈夫と放置せず、5年後、10年後を考えて元気なうちに手術を済ませたほうが、長期的には負担も軽いでしょう。また、早いうちに手術して視力の回復を図ることで、活動しやすくなってアクティビティーが向上することや、認知症リスクの低下も期待でき、視界がクリアになれば転倒の危険も減るはずです。見づらさを感じたら、あまり我慢せずに手術を検討してみてはいかがでしょうか。
- Q白内障の日帰り手術について教えてください。
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A
▲痛みに配慮した手術の実施を心がける
当院では、白内障手術の申し出を受けた1~2ヵ月後先の日にちで手術日を決定します。そして、手術実施の1~2週間ほど前に手術開始時間を決めて、日帰り手術を行っています。手術直前には点眼麻酔を施すのが一般的ですが、当院ではさらに麻酔注射も行い、より術中の痛みを感じないよう配慮しています。手術の手順としては、黒目と白目の境に2.4ミリメートルほどの小さな切開創をつくり、この切開創から器具を入れて、超音波で粉砕した濁った水晶体を吸い出した後、眼内レンズを挿入します。切開する範囲もごく小さく侵襲も少ない手術で、手術時間は10~15分ほどです。
- Q手術で用いる眼内レンズの種類について教えてください。
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A
▲患者のライフスタイルに合わせた眼内レンズの提案を実施
白内障手術で用いる眼内レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。単焦点眼内レンズは遠・中・近のどれか一つにしか焦点を当てられませんが、焦点を合わせた距離の見え方はとてもクリアです。レンズが保険適用であることも利点ですね。焦点を合わせた以外の距離を見るときは、眼鏡をかけて調節することが前提になります。一方、多焦点眼内レンズはいろいろな範囲に焦点を当てられますが、その分見え方のクリアさは単焦点には劣ります。どうしても眼鏡をかけられない人にとっては一つの選択肢ですが、夜間は光がにじんで見えるため車の運転がしづらくなるデメリットも。それぞれの特徴を踏まえて選んでいただければと思います。
- Q手術前の準備やアフターケアについてお聞かせください。
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A
▲術後のフォローも丁寧に行っていく
手術の4日前から抗菌などのため処方した点眼薬をご自宅で差していただいて準備し、当日は手術の2時間前から30分ごとに異なる種類の薬を点眼していただきます。手術が終了した後、局所麻酔による気持ち悪さなどがなければ、さほどリカバリーの時間は取らずにご帰宅いただけますが、片目に眼帯をしているため足もとには注意が必要です。術後は翌日、3日後、1週間後にそれぞれ傷口のチェックなどのため来院、その後は通院の間隔を長くしていき、最終的には半年や1年ごとのチェックで大丈夫です。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズ/26万3100円~ 多焦点眼内レンズ(乱視用)/28万8100円~ ※多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は選定療養での治療となります。