村松 大弐 院長の独自取材記事
武蔵境眼科医院
(武蔵野市/武蔵境駅)
最終更新日:2025/02/28

JR中央線・武蔵境駅から徒歩約2分の場所に、2002年に開院した「武蔵境眼科医院」。2024年7月に、前院長である父から同院を継承し、村松大弐(むらまつ・だいすけ)先生が院長に就任した。村松院長は東京医科大学病院で長年診療にあたってきた網膜疾患のスペシャリスト。特に手術経験が豊富で、日帰り手術施設を備えた同院でも、白内障を中心に数多くの手術に対応している。治療可能な医療施設が少ない硝子体注射を行うことも特徴で、他院から紹介される患者も多いという。「幼少期から青年期まで過ごした武蔵境に戻り、経験を生かして皆さんの目の健康を守っていきたい」と、地域に根差し頼られる歴史ある同院を守り、さらに進化させていく展望を持った村松院長に話を聞いた。
(取材日2024年10月1日/更新日2025年2月18日)
日帰り手術施設を備えた歴史ある眼科医院を父から継承
20年以上の歴史ある眼科医院を、お父さまから継承されました。

2017年からは副院長として診療にあたっていましたが、2024年の7月に前院長の父から継承しました。父は今も名誉院長として診療を続けています。それ以外に非常勤の先生に2人来てもらっています。当院の副院長として勤務する前は、東京医科大学病院に18年間在籍し、病棟医長や外来医長などの診療責任者を歴任してきましたので、一通りの眼科疾患には精通しています。専門は網膜疾患で、手術を多く行っていました。前院長は角膜が専門で、東京医科大学の角膜分野の教授だったので、角膜と網膜のそれぞれを専門とする医師が在籍しているのは、一つの強みだといえると思います。
たたずまいからも、前院長時代より続く歴史を感じられますね。
リニューアルのようなことはしていないので、結構古くなっていますけどね。良く言えば、歴史を感じるということになるでしょうか。前院長の趣味で、骨董品が置いてあったり、絵画が飾ってあったりするので、医療機関らしくない落ち着いた雰囲気だと思います。2階建てのビルですがエレベーターを完備し、バリアフリー設計になっていますので、車いすでも来ていただけます。同じビルのスポーツジムやドラッグストアなどとの共有駐車場が30台分ありますので、車で来る方にも便利かと思います。実際にご高齢の患者さんはご家族に車で送ってもらっている方が多いですね。武蔵境近辺だけでなく、府中方面から車で来られる方も結構います。
手術設備もあるとお聞きしました。

前院長が開院した当初から、日帰り白内障手術ができる設備をそろえています。最近は、少しずつ増えてきているようですが、当時はこの規模の眼科医院で、手術ができるところはあまり多くはなかったと思います。高齢の患者さんが多いので、現在メインで行っているのは白内障手術ですが、昨年新しい設備を導入してたので、硝子体手術という網膜の手術も日帰りでできるようになりました。
受けられる医療施設が少ない硝子体注射にも数多く対応
白内障手術以外で、特に得意とされている治療は何でしょうか?

加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、あとは糖尿病黄斑浮腫などの眼科疾患も専門で取り組んでいたので、これらに対する硝子体注射も当院で受けることが可能です。目に針を刺して注射する特殊な治療で、硝子体注射が必要な症例の件数が全国的に増えているにもかかわらず、治療ができる医療機関がすごく少ないんですよ。大学病院で治療する方が多いのですが、状況に応じて大学病院から当院に患者さんが紹介されて来られることもあります。病院では入院してその治療をするケースもあり、入院を待つ期間が2~3週間とかかってしまうため、その間に病状が悪化してしまうことも考えられます。だから、日帰りですぐに治療ができることは、当院の強みといえますし、患者さんにとってもメリットが大きいと思います。
網膜疾患の患者数は増えているのでしょうか?
加齢黄斑変性は高齢化に伴って患者数が増えていて、現在の日本の失明原因の第4位となっています。網膜静脈閉塞症の患者さんもいらっしゃいますが、これも高齢化と、血圧やコレステロールの影響を受けるといわれています。他に糖尿病網膜症の患者さんも大学病院時代はたくさん診ていたのですが、この辺りの地域は糖尿病のコントロールがきちんとできている方が多いのか、糖尿病網膜症の患者さんは比較的少ないと感じますね。糖尿病に関しては、この20年で薬が大きく進歩したことも大きいと思います。昔は日本の失明原因の1位が糖尿病網膜症で、私が医師になった頃は、そのコントロールが重要だったんです。薬の進化で発症する人が劇的に減ったと思います。
加齢に伴って患者数が増える疾患が多いとのことですが、加齢以外にも要因はあるのでしょうか?

加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症に関しては、食生活の欧米化により肉食が増えたり油っこいものを多く食べたりするようになったことは、おそらく関連しているのではないかといわれています。また、喫煙の影響もあるとされています。酸化ストレスは体の細胞の老化を促進させるので、目の疾患も細胞の老化で起こるとも考えられています。ですから、ビタミンCやビタミンEの摂取を意識することなどは大切かもしれませんね。
40代以降は自主的な検診で目の健康を守ることが大切
緑内障の患者さんも増えているのでしょうか?

現在の日本人では40歳以降の4~5%、20人に1人ほどが緑内障だとされています。ただし、眼科でフォローしている人はその中のごく一部しかいないということが問題になっています。定期的な検診が必要なのですが、初期では自覚症状がわかりにくいため、気になる症状を感じないのに眼科を受診する方は少ないのです。その部分をなんとかしないといけないと感じています。眼科の医師全体として、眼科を受診するきっかけづくりの啓発活動を始めています。
他にも、私たちが目の健康のために気をつけたほうがいいことはありますか。
老眼の適切なフォローでしょうか。だいたい40歳以上になると老眼が始まってきますので、日本人の人口の半分以上は老眼の人がいるということになります。でも、きちんフォローできていない人がとても多いのです。まずは、適切な老眼鏡をかけることが大切です。最近は安価な既製品の老眼鏡もあります。そういうものを使うのも良いのですが、適した度数のものを使わないと、あまり意味がありません。相談に来てくれたらお伝えできますので、ぜひお話を聞かせてください。合わない老眼鏡をかけ続けると、目の疲れがひどくなって、肩凝りや頭痛につながってしまうこともあります。老眼の始まる年代は緑内障の検診が必要になってくる年代とも重なりますから、そういう意味でも、老眼のチェックをきっかけに眼科を訪れていただくのは良いことだと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

眼科に関する一通りの疾患に精通していますので、専門分野に偏ることなく、赤ちゃんからご高齢の方まで、すべての年代の方に来ていただきたいと思っています。その上で、私と前院長の2人ともにある大学病院での勤務の長い経験から、大学病院並みの診断能力と治療技術をご提供できると思っています。手術や注射などの処置が必要な場合、院内で治療ができる設備を整えていることも特徴です。どうぞ安心してご来院ください。