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松本 正 院長の独自取材記事

松本歯科

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日:2021/10/12

松本正院長 松本歯科 main

JR吉祥寺駅北口から徒歩数分。吉祥寺通りを折れた中道通りに「松本歯科」はある。親子3代でかかりつけにしている患者もいる老舗の歯科医院である。院内は落ち着いたデザインで広さもあり、ゆったりと治療を受けられる雰囲気。院長を務めるのは松本正先生。歯科医師となって数十年、ベテランの先生だ。従来の歯科治療にこだわらず、東洋医学をベースにした新しい治療法を確立され、今までにない歯科治療を行っていることでも知られている。「口腔内の疾患は体全体の問題」として、全身を深く診ることをこだわりとされている。歯科疾患に限らず足腰などのトラブルで通う患者も多いそうだ。松本院長に今日までの歩み、こだわりの治療法について、展望などのお話を伺った。

(取材日2013年9月27日)

診療スタイルを決定づけた出会い

お父様の代から、吉祥寺の地で治療をしてこられた歯科医院なのだそうですね。

松本正院長 松本歯科1

先代は戦前からこの地で開業していましたので合わせると70年ぐらいになると思います。僕は別に南町の方で30年間開業していました。父の引退後、跡地に移転して今に至っています。若いころは家業を継ぐということに抵抗を感じていましたが父に毎日説得されあとを継ぐことになりました。大阪大学を卒業後、歯科医師になってからも、始めは削ったり、詰めたりで面白くなかったのですが、経験を重ねるにつれ歯科医療の奥深さを知り、面白さ、楽しさがわかりました。今では歯科医師というのは天職であると感じています。それはある転機があったから。そこからですね、本腰を入れて研鑽を重ね、自分だけの治療を追求したのは。親子3代でかかりつけにしてくれている方もいますし、本当に歯科医師になって良かったなと感じています。

ある転機とはどのようなことでしょうか?

まず、もともと、興味があったんですが、東洋医学に凝っていたんですよ。 歯科医師になってからも卒後研修があり、講習会に度々通うものですが、費用が結構かかるんです。稼ぎが悪く、なかなか通えませんでした。それでも何か受講できるものはないかなと思い、いろいろと探していて、そこで巡りあったのが東洋医学だったんですね。はじめは鍼灸の講習会だったと思います。自分に合っていたというのもあるんでしょう、積極的に学んでいました。この医院を引き継いでからも続けていて、患者さんにツボ刺激をやってあげるととても喜んでくれています。先述あった、ある転機というのは1987年のこと。歯科医師会の総会が開かれて、出席した際、当時の会長がスピーチの時に、「今日は、ちょっと腰の調子が悪いので、座ったままで失礼します……」とおっしゃっていたので、総会の休憩時間に会長を訪れツボを押して差し上げました。翌日、電話がかかって来て、「楽に動けるようになった。ありがとう」と感謝の言葉をいただきました。会長も驚かれていましたが、僕もこれほど効果のあるものなのかと感じて。それで、東洋医学の知識や施術の技術をさらに深く学ぼうと決心したんです。また、これを歯科治療にミックスできないものかとも考えました。

西洋医学的な歯科治療と東洋医学を合わせたのが先生の診療スタイルなのですね。

松本正院長 松本歯科2

そうです。厳密にいえば、ミックスしたというよりは東洋医学をベースにした歯科治療というのかな。自己研鑽を重ねる中で、PIA療法、さらにCW(コズミックウィズダム)療法(重力バランス軸調整療法)との出会いがあって、それを取り入れたものですね。とても患者さんも喜んでくれますし、ちょっとなかなか、ない治療法ですから、驚かれもします。また、同業者に言っても理解されないこともありますよ(笑)。真剣に耳を傾けてくれる方もいらっしゃるけれど。東洋医学というと少し違和感を感じるのかもしれません。いいものは良いと思うんですが、なかなか難しいものですね。

痛みは体のSOS。その原因をまず知ることから、本当の治療は始まる

具体的にどのような治療法なのでしょうか?

松本正院長 松本歯科3

百聞は一見にしかずで、言葉にはなりづらい面もあるんですが。端折って説明すると、手にある合谷を触るとその人の「ひずみ」が私には感じられます。さらに首、背中にもそれが表れます。調整部位はいろいろあるのですが、特によく使うのが足首付近にある距骨というのがあって、ここを調整すると一気に体全体のバランスが良くなる。そして口腔内の治療を行うというものです。これをまずやっておくと歯を削るだったり、従来の歯科医療も最小限でよくなるんです。

体のひずみが口腔内の疾患に寄与しているということですか?

その通りです。体っていうのは全身、髪の毛から足のつま先までつながっており、歯だけがいいということも、歯だけが悪いということもあり得ないんですよ。口腔内になんらかの問題が生じているというのは、結果であって、体のどこかしらに問題があるということなんです。場合によっては心の問題もからんできます。従来の歯科治療というのは、虫歯になっていればその部分だけ削って、詰めものをして、悪くなれば歯や神経を抜いてしまうのが常でしょう? たしかにそれで、痛みはとれるかもしれないが、根本的な治療になっていないわけです。虫歯になりやすい歯は削っても治療しても再発しやすいという問題。それはなぜか? どうすればいいのか? という問いに介入していくのが僕の治療スタイルですね。口腔内の症状に限ったことではなく、痛みというのは体のSOSですよ。それを治療と称して消してしまえば、患者さん本人は良かったと感じるかもしれないが、体にいいことはないですよね。だから虫歯も、歯周病も治しても、治しても良くならないという患者さんが現にいるわけです。

歯科治療に限定しない、総合的な治療を行っているという印象を受けました。

松本正院長 松本歯科4

木を見て森を見ずという言葉もありますし、東洋医学では人間の体を小宇宙として捉えるという考え方がありますが、そうですね。あくまでも症状ではなく、原因を診るということ。人の健康に貢献するのは歯科も医科も関係はないと感じるし、少しでも健康のお手伝いができればと考えています。なので、当院に来られる患者さんは歯科疾患だけではないんです。それこそ、足腰が痛いとか、さまざまな不調を抱えた方がいらっしゃいます。治療を終えると皆さんホッとされた表情になるんですよ。多くの方が、まず実感されているのが、施術前よりも、息を一杯に吸えるようになるということ。あと、嚥下しやすくなることも。体全身がリラックスできるようになるんですね。中には、他県からわざわざ来院いただく方や現職のお医者さんも来られますよ。ただ、現時点ではすべての患者さんに効果があるということではありません。これが自分でも不思議なんだけれども、この治療法が合う方と合わない方がいらっしゃいます。

いち人間として全人的な医療を提供していきたい

休日のご趣味などはありますか?

松本正院長 松本歯科5

なんといっても、テニスですね。普段あまり動かないから運動不足解消というのもありますが、結構本腰を入れてやっていますよ。全日本歯科医師テニス連盟というクラブに所属していて、来月には小田原で全国大会もあります。去年は仙台まで行き、準優勝することができました。もちろん今年は優勝を狙いますよ(笑)。学生時代からやっているので、なかなかのものじゃないかな。ただ、もっともっとテニスの技を磨ければと思いながら練習しています。

最後に今後の展望をお願いします。

松本正院長 松本歯科6

これからも、自分自身の治療技術をどんどん深めていくこと。体の神秘というのか、まだまだ分からないことはたくさんありますが、研鑽を積めば積むほど、技術の進化を実感していますし、今でも勉強の毎日です。そして今よりももっと、幅広い患者さんに診療を還元していきたいですね。僕は歯科医師を職業としているけれども、歯科治療という枠にこだわらず、一人間として全人的な医療を提供できればと思っています。なので、万病に対応できる治療技術の確立というのが目標であり、人々の健康や暮らしに貢献できる人物でありたいというのが目標ですね。

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