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松本 正 院長の独自取材記事

松本歯科

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日:2024/06/12

松本正院長 松本歯科 main

吉祥寺駅北口から徒歩で数分、吉祥寺通りを中道通りへ左に入った2つ目のビル4階に位置する「松本歯科」。松本正院長の父の代からこの地で約80年診療を続ける歯科医院である。松本院長は、歯科医師となって数十年のキャリアをもつベテランの歯科医師で、従来の歯科治療法と東洋医学の考え方を合わせながら、「口腔内の疾患は体全体の問題」として歯だけでなく体全体を考えた診療を行っているのだそう。「診療に来られる前に、まずは私が2021年11月に出版した歯科医療についての書籍をお読みいただければと思います」と話す松本院長に、診療の特徴や今年出版した書籍についての話も聞いてきた。

(取材日:2022年1月12日)

東洋医学の考えを用いた歯科診療を行う

歯科治療についてのお考えを聞かせてください。

松本正院長 松本歯科1

一般的な歯科治療においては、「歯が痛い」というと、その部分の痛みを取り除くために局所的な治療、つまり歯の悪くなった部分を削って詰めていく治療を行うことが基本です。ですが、その痛みの原因は何かを突き止めず、単に「痛みを取り除くための治療」としてしまっては、柱が傾いている家を治すのに、柱を直さずに屋根や壁などに手を加えていくのと同じようなものではないかと思うんです。歯科治療に置き換えると、まずは歯の痛む原因をしっかり探っていき、その原因に向き合って、ベストと思える治療法を探っていくことが大切なんです。当院では、虫歯になったらすぐに削ったり、詰めたり、神経を抜いたり、抜歯したりと表面上の症状に対応していくのではなく、まずは「原因」を診ていくことから始めています。「歯が痛い」のは「原因」ではなく、「結果」なのです。

東洋医学の考えを合わせた診療をなさっていると聞きました。

「合わせた」というよりは、東洋医学を「ベースにした」というニュアンスのほうがわかりやすいでしょうか。東洋医学の考えをベースにすると、口腔内の疾患も、体のひずみと関係がある場合があると考えられるのです。私たち人間は、生きている限りどのような姿勢でいても体の一部が地面に接しています。この、地面に接する部位の骨にトラブルが起きるとバランスが崩れて、結果的に「歯が痛い」「しみる」「口が開かない」などの症状が起こることがあると考えられます。そのため、当院では患者さんの口腔の不調の原因を探る際に、体のひずみにも着目して診療を行っているのです。

歯科治療というよりも、体全体を総合的に診ていくのですね。

松本正院長 松本歯科2

そうですね。東洋医学に興味をもち、自己研鑽を重ねるうちに出会って学んだ重力と体のバランスに着目する考え方を取り入れています。診療室にはユニットに加え、体のバランスを確認するためのスペースを設けています。

歯科治療への思いをまとめた書籍を出版

昨年、書籍を出版されたと聞きました。

松本正院長 松本歯科3

2021年11月に「なにもしたくない歯医者 削らない歯の治療をめざして」というタイトルの書籍を出版しました。長年通院してくださっていた患者さんが出版関係の仕事をしていらして、その方から「先生、本を出してみたらいかがですか?」と勧められたのです。文章を書くのはあまり得意ではないのですが、当院での診療の様子を皆さんにお伝えできればと思い、出版を決めました。この本を読んでいただければ、診療に対する私の思いや診療で大切にしていること、当院での治療についてご理解いただけるのではないかと思います。ご興味を抱いた方はぜひお読みいただけるとうれしいです。

長く通院している患者さんは、出版を喜ばれたのではないでしょうか?

そうですね。親子3代にわたって通ってくださっている方や、遠方にお住まいの方でも定期的に通ってくださる方もいらっしゃいます。執筆の際には、皆さんからさまざまなお話をご提供いただくこともできました。東洋医学では、「人間の体を小宇宙として捉える」という考え方があります。先ほどのお話とも重なりますが、当院ではあくまでも、「歯が痛い」といった症状に対処するだけでなく、「原因」を診ていくことを大切にしています。人の健康に貢献するのは歯科も医科も一緒です。患者さんの全身の健康に、少しでもお役に立ちたいという気持ちで日々診療しています。

どのようなきっかけで、現在のような診療スタイルになったのでしょうか。

松本正院長 松本歯科4

歯科医師になってから、もともと興味を抱いていた東洋医学を勉強し始め、鍼灸の講習会に参加して学んでいました。その当時、歯科医師会の総会があり、会長がスピーチの時に、「今日はちょっと腰の調子が悪いので、座ったままで失礼します」とおっしゃる場面があったのです。そこで休憩時間に会長のもとを訪れ、腰痛に関連したツボを触らせていただきました。その翌日電話をいただき、「ありがとう」という言葉をいただいたのです。このことをきっかけに、東洋医学の知識や施術の技術をさらに深く学ぼうと決意し、今に至ります。

毎日1ミリでも良いから前に進んでいこう

先生のお話を聞いていると、歯科治療の捉え方が変わりそうな気がします。

松本正院長 松本歯科5

そうですね。大人の虫歯は進行が早くはないため1年かけて様子を見ていってもいい場合も多いんですよ。1年たってもそれ以上悪くならないと判断でき、その状態を維持していくように管理し続けることができれば削る必要はないと思います。これは、がんなどでも同じことが言えるのではないでしょうか。積極的な治療をしなくても進行していかないと確認ができていて、定期的な管理やコントロールができている状態なのでしたら、そのままがんと共存していく方法もあると思うんです。当院での歯科治療に対する考え方は、他ではなかなか出会わないようなものかもしれませんので、最初は驚かれる患者さんもいらっしゃるでしょう。この考え方に真剣に耳を傾けてくださる患者さんも多くいらっしゃいますし、一方で、この考え方が合わないと感じる方がいらっしゃってもいいと思うのです。

先生ご自身の健康を保つ秘訣を教えてください。

テニスをずっと続けていて、今でも週に1度テニスクラブに通い、体を動かしています。この年になっても、できることが少しずつ増えていることが実感できるのが、とても楽しいですね。練習や試合に参加するたび、充実感、達成感を味わっています。

今後の展望と、こちらでの受診を考える方にアドバイスを教えてください。

松本正院長 松本歯科6

歯科医療という枠にとらわれず、万病に対応していくための治療技術の研鑽とアプローチ法の確立を目標としながら、これからも全人的な目線での歯科医療を提供していければと思っています。私はいつも、前しか見ないのですよ。同じ位置にいるのは「後退」だと思っているんです。毎日1ミリでもいいから前に進む意識で取り組んでいます。当院へ初めていらっしゃる方は、できれば、先ほど申し上げた私の著書を読んでいただいて、ぜひ当院の診療のコンセプトなど、私がどのようなことを考えているのかを知っていただきたいですね。現在、患者さんからの紹介制のみで初診を受けつけていますので、こちらもご理解の上、ご検討いただければと思います。

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