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酒井 和夫 院長の独自取材記事

ストレスケア日比谷クリニック

(千代田区/日比谷駅)

最終更新日:2024/05/20

酒井和夫院長 ストレスケア日比谷クリニック main

日比谷駅から徒歩1分、有楽町駅からも徒歩3分の好立地にある「ストレスケア日比谷クリニック」。心療内科、精神科、内科を標榜する同院には、1996年の開院以来、小学生から90歳を超える高齢者まで幅広い年齢層の患者が訪れている。院長の酒井和夫先生は、東京大学文学部哲学科を卒業後に筑波大学医学群に入学、精神科の医師になったという経歴の持ち主。患者一人ひとりの状態を把握した上で適切な薬の処方を行い、症状によってはサプリメントも紹介するなど、「一人ひとりの患者さんの思いを受け止めながら、その方に合った対応を考えています」と穏やかに話す酒井院長に、開院のきっかけや診療の特徴について話を聞いた。

(取材日2024年3月12日)

うつ病、摂食障害、発達障害など脳と心の病に広く対応

まずは先生のご経歴と、開院の経緯をお聞かせください。

酒井和夫院長 ストレスケア日比谷クリニック1

東京大学文学部哲学科を卒業後に医療の道を志し、筑波大学医学群に入学、同大学卒業後は東京・三鷹市にある長谷川病院での勤務を経て、1996年に当院を開業しました。きっかけは、首を痛めて自宅療養を余儀なくされたことです。診療で多忙だった日々から一変、ただじっと横になって1週間を過ごしました。家の天井を見つめ、古くなっているのに気がつき、「家を建て直そう、しかも2、3階を自宅にして、1階を診療所にしよう」とふと思い立ちました。このような偶然がなければ、開業には至らなかったわけですから、「運」や「巡り合わせ」の大切さを実感しています。当院を受診される患者さんの話をお聞きしていると、不運な出来事がきっかけで、調子が悪くなられる方が多いように感じます。治療では、患者さんのこれからの人生に何か良いことが起こりやすくなるような、「運を良くしていく」ということも大切にしています。

こちらの診療内容はどのようなものでしょうか?

当院では、うつ病をはじめ、不眠症、パニック障害、インターネット・ゲーム依存といった幅広い精神疾患に対応しています。最近はADHD(注意⽋如・多動性障害)などの発達障害や、摂⾷障害、仕事上のストレスで受診される⽅が多い印象です。日比谷という場所柄、会社勤めの方が多いのではと思われるかもしれませんが、当院には小学生から90代の方まで、さまざまな年齢層の患者さんが、時には遠⽅からもいらっしゃいます。以前、中学1年生の方がインターネットで当院を知り、「学校で友達とうまくいかない。どうしてうまくいかないのかがわからない」と、一人で来院されたこともありました。ご家族でおみえになる方々もいらっしゃいます。また、心理学や精神医学の分野をテーマに執筆した書籍が20冊以上あるのですが、これらの著書を読み、私の診療に対する考え方に共感して来院してくださる方もいらっしゃいます。

診療はどのように進めておられますか?

酒井和夫院長 ストレスケア日比谷クリニック2

初診時は、まず、カウンセラーや看護スタッフが、詳しくお話をお聞きします。患者さんが今⼀番困っていることを中⼼に、家族構成や職歴などのバックグラウンドなども含めて、治療についてのご希望や疑問、不安なことなどもお話しいただいています。その後、診察室での問診となります。場合により⼼理テストを行うこともあります。診療では、患者さんの思いをくみ取ることが重要だと考えています。例えば、1ヵ月後、3ヵ月後に⾃分がどういう状態でいたいのか、⼈は誰でも、未来に対する感覚というのがあると思っています。症状で苦しい中、「良くなりたい」と来院される患者さんは、なおさらそうだと思います。薬を使いたいけど抵抗がある、休職したいけどあまり気が進まない、など、患者さんの素直な気持ちを尊重しながら、ご本⼈が持つ未来への感覚を意識し、治療にあたっています。

患者の思いを受け止め、複数の治療方法を提案

患者さんの感覚を重視しながら薬を選んでいくことを大切にされているとか。

酒井和夫院長 ストレスケア日比谷クリニック3

開業してから28年、これまで数多くの診療を経験してきました。その中で言えるのが、薬の作用と副作⽤は、患者さんによって多種多様な形で現れるということです。もちろん⼤まかな傾向はありますが、患者さん⾃⾝が抱く「薬を飲んだ感じ」というのは、本当に⼈それぞれだと言えます。薬の作用を最も敏感に感じるのは、患者さんご本人です。できるだけ患者さんへの負担を少なく、そして的確に作用を得られるように、その薬を飲んでどうだったか、という患者さんの感覚を重要視し、その方にとって本当に良くなった、という状態を⼀緒にめざします。また、診療以外の時間を利⽤して、薬の効能の研究や開発にも⼒を⼊れています。

先生はサプリメントの研究も行っているそうですね。

はい。さまざまな精神障害を自然物、つまりサプリメントでケアする研究も行っており、その研究結果を論文で発表しています。特に最近、力を入れているのが発達障害の研究です。現在、発達障害の治療薬は4種類ありますが、治療薬には症状の改善が期待できる反面、副作用のリスクもありますから、特に小さなお子さんへの使用には慎重になるべきです。その点、サプリメントは自然なものからできていますので、小さなお子さんにも安心してご使用いただけるのでは、と私は考えています。当院では発達障害だけではなく、うつや、悪夢で眠りが妨げられる悪夢障害の方にも、サプリメントをご紹介することもあります。

サプリメントだと抵抗がなく、日常に取り入れやすいという方も多そうですね。

酒井和夫院長 ストレスケア日比谷クリニック4

はい。ただ、サプリメントだけをご紹介しているわけではありません。一般的な治療薬とサプリメントの両方をバランス良く使うことで、症状の改善がより期待できると考えています。また、「できるだけ薬は使いたくない」とサプリメントを希望される方もいれば、「薬でなければ信用できない」と否定的な方もおられます。患者さん自身の心の根底にある、治療や薬の服用についての考え方を無視してしまうと診療がうまくいかない場合があるので、患者さんの思いを受け止めながら、一番良い方法を考えていきます。

「心の風邪」にかかる前段階のタイミングで受診を

心療内科や精神科には、どのようなタイミングで足を運べば良いでしょうか。

酒井和夫院長 ストレスケア日比谷クリニック5

うつ病は「心の風邪」といわれていますが、「風邪」というよりも「肺炎」のような重い状態になって初めて受診される方が大勢いらっしゃいます。以前に比べて集中力が落ちた、ちょっとした判断を誤ってしまう、ミスが増えたなど、「最近ちょっと調子が出ないな」というタイミングで来ていただきたいですね。できるだけ早期に受診することで、症状の悪化を防ぐことが望めるのはもちろん、治療も軽い程度で済む傾向にあります。何か悩みを抱えているとしたら、今より少しでも元気な心と体の状態で、今後の対策をつくっていくというほうが、良いアイデアをひらめきやすいともいえるでしょう。もしも、今通われている病院での治療がうまくいっていないと感じるなら、別の病院で診てもらうなどセカンドオピニオンを積極的に受けることもお勧めです。

お忙しいかと思いますが、どのようにリフレッシュされていますか?

LPレコードでクラシックを聞いています。CDだとなぜか、頭と耳が音を受けつけず、落ち着いて聞けないんですよ(笑)。患者さんにより良いアドバイスをするためには、自分を整えることも大切です。自分自身のコンディションを良い状態に保つためにも、診療以外の時間はよく遊ぶことを心がけています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

酒井和夫院長 ストレスケア日比谷クリニック6

当院では、働く人のメンタルヘルスのサポートにも力を入れています。開業した頃は「大企業に就職することができればそれで満足、一生安泰」という考え方が主流でしたが、今は企業の規模に関わらず職場環境が悪化してきており、単なるストレスチェックだけではどうにもならなくなってきていると感じています。このようなストレスフルな環境により、今までストレスとは無縁だった方でも病にかかってしまう場合が多くなってきています。そのため、薬による治療だけではなく、ストレス源となっている環境の整備や配置転換など、さまざまな角度からアプローチをすることが大切だと考えています。少しでも「調子がおかしいな」と思ったら、気軽にご来院ください。

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