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中村 元美 先生の独自取材記事

スバル医院

(千代田区/日比谷駅)

最終更新日:2022/10/03

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日比谷駅からすぐ、有楽町駅日比谷口からも歩いて3分という立地に「スバル医院」はある。ラグジュアリーホテルや劇場にもほど近く、多彩な飲食店が軒を連ねるJR線路沿いのにぎやかなエリアだ。長く泌尿器科・皮膚科を中心に診療を展開してきた同院では、2020年9月から新たに中村元美先生が加わり、精神科・心療内科の診療をスタート。働く人のメンタルヘルスを支えてきた経験も持つ女性医師による、親切丁寧な診療で、薬に頼りすぎない治療をめざす。「精神科の薬には負のイメージを持つ方も多いようですが、正しく使えば怖いものではありません。自己判断することなく、専門の医師の指示に従って服用することが大切なのです」と語る中村医師に、同院のめざす精神科・心療内科医療について話を聞いた。

(取材日2020年9月25日/更新日2022年9月28日)

歴史あるクリニックで、精神科・心療内科診療を開始

歴史あるクリニックで、最近新たに診療に加わられたと伺いました。

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当院は私の祖父が戦後に開設した「スバル街医院」を前身に、数十年にわたってこのエリアで医療を提供し続けてきました。2002年からは「スバル医院」として父が院長となり、泌尿器科・皮膚科の診療を展開。ご存じの通りオフィスや飲食店が多いエリアで、近隣にお住まいの方というよりは近くで働いていらっしゃる方を中心に、性感染症や膀胱炎、ED、皮膚疾患などの患者さんをお迎えしてきました。2020年9月より私が診療に加わり、精神科・心療内科の診療をスタート。3階の診療室を使って、完全予約制で患者さんをお迎えしています。当初の予定では、近くにお勤めの皆さんのご来院を想定していましたが、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、近隣オフィスに人が少ない状況。JR有楽町駅から歩いてすぐ交通の便が良いことから、神奈川県など遠方からの受診も大きな割合を占めています。

先生は長く精神科の医師としてご活躍なのですね。

急性期治療を中心とした基幹病院に10年ほど勤務したほか、非常勤でクリニックでの地域医療にも関わってきました。また、高校、大学の校医や企業内クリニック勤務も経験し、学びの場、働く場など生活に密着した現場での相談業務などを通して、さまざまなお立場の方々のメンタルヘルスをサポートしてきました。勤務先の関係からこれまでは神奈川県内での診療でしたが、今回父が院長として運営する当院にて初めて都内での診療をスタートさせることとなりました。

新型コロナウイルス感染拡大という未曾有の難局面にあたり、精神科の医師として感じられていることは?

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得体の知れないものへの恐怖を感じ、不安を強く感じていらっしゃる方が増えている印象です。外出への不安やご自身がすでに感染しているかもしれないという不安から、だるさや疲れやすさ、不眠、気分の落ち込み、やる気が出ないといった精神症状を訴える方も多いです。また、勤務先がリモート体制となったことで出社の回数が急に減り、生活リズムが狂ったことで体調を崩される方も。精神科の医師としても新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きいと感じています。

不安を抱かれがちな精神科の薬も、正しく使ってほしい

診療の際に心がけていらっしゃることは?

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患者さんが訴える症状はもちろん、その背景にあるもの、心の奥底に隠されている悩みにまでたどり着けるよう、初診には1時間前後と時間をかけて、表面的にならない診療を行うように心がけています。同じうつ状態でもその原因はさまざまで、患者さんの性格や考え方、経験などによって大きく変わってきます。生まれた時からの生い立ちなど、現在の患者さんの背景にあるものが、成人してから症状へとつながるケースもあるのです。こうしたバックグラウンドについては、患者さんご自身が意識していらっしゃらないことも多く、時間をかけて深掘りすることで初めて明らかになるもの。「初めまして」から始まる初診時にはつかめないこともあり、診療を継続するうちに診断が変わってくるというケースもあります。限られた診療時間内で原因へとたどりつくのは容易なことではありませんが、お話しいただける環境を整え、基本は待つ姿勢で伺うようにしています。

治療は投薬が中心になるのでしょうか?

薬は治療においてとても大切なものですが、それのみに頼ってしまうのは危険です。症状の根底にある原因を探り、それを取り除く環境調整を行うことで、必要最低限の薬での治療をめざしています。精神科・心療内科で処方する薬に対してはネガティブな印象をお持ちの方も多く、自己判断で服用を中断してしまう方も。また、反対に複数の医療機関から重複するものなど不必要な薬を処方され、過度に服用してしまっている方もいらっしゃいます。正しく使えば怖くないお薬でも、使い方を誤れば毒にもなってしまいます。現在のお薬に少しでも不安や疑問を感じていらっしゃるなら、まずは主治医に相談してほしいですね。

薬の服用を自己判断でやめてしまう方にはどのように対応していらっしゃいますか?

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精神科の医師の立場からは、「ぜひ服用を続けてほしい」と思うばかりなのですが、それだけでは患者さんの意識を変えることは難しいというのも感じています。精神症状への薬は副作用があるものも多く、飲み続けるのを負担に感じる方も多いのです。しかし、自覚症状がなくても高血圧や糖尿病の薬を飲み続けるべきであるのと同様、精神科の薬もある程度飲み続ける必要があります。薬の服用をやめていることを医師が把握できていないと、症状が再発した時に誤った対応をしてしまいます。まずは薬の服用をやめてしまったという事実を包み隠さず伝えていただける関係を築くことが大切だと思っています。その上で、「家族にやめろと言われた」「飲み忘れてしまう」「副作用がつらい」など、それぞれの薬をやめたかった理由をお聞きして、対策を一緒に考えていきます。病気への理解が重要になりますので、その説明も根気よく繰り返します。

「いかに生きるか」を支えたい思いから精神科の道へ

先生が医師を志されたきっかけは?

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特に「医師になりたい」と意識したことはないのですが、医師の家系で3代目に生まれたということで、いつの間にか当たり前にという感じです。両親にうまく乗せられたというか(笑)。小学生の頃は警察官とか他の職業に憧れを持ったこともありますし、高校生の頃は数学や物理が楽しくて、その方面を追求したいという思いもありました。しかし、医学部専門の塾に通っていたこともあり、「他のことは医師免許をとってからやればいい」と言われてそれもそうかなと。当時、阪神淡路大震災を経験し、ボランティアを志望しつつも学生では役に立てないと感じたこともきっかけの一つです。そうした現場で役に立てるのはやはり医師であると強く感じました。

精神科を専門に選ばれたのはなぜですか?

このエリアでの診療を視野に、当初は形成外科を志望していました。しかし、研修で各科をまわるうち、他の疾患で入院していらっしゃる患者さんにも精神症状を訴える方が多いことに気づきました。がんなどの病気を治療するという医療からは見落とされがちなこれらの訴えに耳を傾けたい。人生の終末期にあってもいかに生きるかを追求する患者さんを手助けしたいと精神科に興味を持つようになり、緩和ケアへの関心から同科を志望したのです。実際に勤務を開始してからは緩和ケアというよりは急性期の治療に従事する機会が多かったのですが、やはり病気を抱えていらした患者さんが治療により心の健康と自信を取り戻し、笑顔で退院していかれる姿に大きなやりがいを感じます。

読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

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うつ状態とひと口に言っても、例えばバセドウ病などの症状の一つとして発症する方もいらっしゃるように原因はさまざま。治療の方針もそれぞれで異なります。また、整形外科で肩こりにと抗不安薬を処方されたり、内科で睡眠薬を出されたりと、ご自身が気づかないうちに精神に働く薬を必要以上に多く飲んでしまっている方も。当院では、それぞれのご状況をじっくりと時間をかけて把握し、それぞれに合わせた対応を行うことで、薬は必要最低限の使用にとどめた治療を行っています。まずは些細なことでもご相談ください。率直に思いを打ち明けていただければ、しっかりと受け止め、解決に向けた関係構築をめざしていきます。女性ならではのお悩みもぜひお気軽にご相談いただければと思います。

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