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帆足 公人 院長の独自取材記事

神田橋デンタルオフィス

(千代田区/神田駅)

最終更新日:2020/04/01

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一歩足を踏み入れると、マホガニー製の大きなデスクと本棚が目に留まる。「神田橋デンタルオフィス」はシックで落ち着いた雰囲気の歯科医院。院長の帆足公人先生はアメリカで臨床経験を積み、1999年に同院開業後も、海外の先進技術や医療事情にアンテナを張り、クリニックの診療に生かしている。予防歯科を主軸に、歯周病治療、インプラント治療など幅広く対応しながら、これからの日本の社会に必要な医療、患者が喜ぶ医療を追究し続ける帆足院長に話を聞いた。
(取材日2018年7月17日)

“プレシジョンメディスン”の考え方を歯科に応用

まるで高級レストランのような重厚なインテリアですね。

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患者さんに「来て良かった」と思っていただきたくて、インテリアには力を入れました。内装は落ち着いた木目を生かし、床はやや濃いめのブラウンに。診察ブースには仕切りを設けてセミプライベートな空間をつくり、間接照明も使ってゆったりくつろげる雰囲気にしました。参考にしたのはアメリカの歯科医院です。アメリカでは歯科医師が受付で患者さんをお出迎えして上着を預かり、ホテルのコンシェルジュのように診察室にご案内するなど、マナーやサービス、院内環境の整備が行き届いています。当院でも受付カウンターに患者さん用の椅子をご用意し、そこでスタッフが患者さんと対面しながら、受付のご案内や治療後のお支払いに対応しています。

診療において大切にされているお考えは?

遺伝子レベルで原因を突き止め、その方に合った科学的根拠に基づく医療を見いだすこと。そしてそれを治療やケアに生かして、真の意味での治癒・予防を実現すること。これは「Precision Medicine(プレシジョンメディスン)」と呼ばれる新しい考え方で、当院ではこの考え方を診療のベースにしています。従来の考え方とどう違うのか。がん医療を例にご説明しますと、一般的に医師は決められたガイドラインに沿って、まずは外科手術、腫瘍が取り切れなかったり、再発のリスクがある場合、化学療法や放射線治療を組み合わせる、というふうに治療を進めていきます。つまり、平均的にデザインされた治療を前提に、病気にアプローチするという視点です。一方、プレシジョンメディスンでは、その方のがん遺伝子を解析し、がんの特性を把握します。そして、個々のがんに合った治療方法でアプローチするという、診断メインの考え方になります。

歯科ではどのように生かされるのですか?

例えばインプラント治療や審美歯科は、病気が起こった結果に対する処置といえます。しかし、虫歯や歯周病はそうではありません。しっかり原因を調べて適切な対処をしなければ、再発する可能性があります。それに個人差もあり、同じ年齢で同じようなケアを続けていても、歯のトラブルを起こしやすい人、そうでない人がいます。そこで生かされるのが、プレシジョンメディスンの考え方ですね。例えば、歯周病菌を代表する病原性の高い菌には6つの遺伝子型があり、その中の1つを持っていると歯周病を発症しやすかったり、病状の進行が早かったりするといわれています。歯周病菌の検査によってそのタイプを特定すれば、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を提供できる。このことを今できる医療の現場でいかに実現していくかを考えながら、未来を見据えて予防につなげたいと思っています。

こちらの予防歯科の特徴について教えてください。

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皆さん案外、自分の口の中に歯が何本残っていて、治療している歯が何本で、といったことをあまりご存じないんですよ。なので、まず患者さんに自分の体、自分のお口の状態をまず知ってもらうことを重視しています。同時に私たちも、患者さんの体のこと、生活環境やライフスタイルをある程度知った上でなければ本当の意味での予防につなげられません。虫歯もそうですが、特に歯周病は生活習慣病ですから、その人の生活背景を見て治療や予防ケアに反映させることが必要なんです。そこで先ほどお話しした患者さんをタイプ別にグループ化し、グループごとに臨床データを積み上げ、それをもとに「このグループの人にはこういう治療法をしよう、こういう予防法をしよう」と方針を決めるのが、当院のめざす予防法です。

顎口腔系機能の維持・向上で健康寿命を長く

他にもクリニックならではの治療があると伺いました。

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顎口腔系機能の維持・向上によって、健康的な生活をサポートすることも歯科医師の重要な役割だと思っています。高齢化が進んだ現在、歯が残っていても、きちんと噛んで食べられない人が実は増えています。こうした人たちは、舌や頬の筋肉の衰えや唾液の減少、飲み込む機能の衰えなどに気づかず、水分で流し込むようにして飲み込んでいたりします。機能の低下が見られるか判断し、患者さん自身にも認識してもらいながら、機能の改善を図ります。高齢になると体の機能は衰えますが、できるだけ衰えのスピードを減速させ、健康寿命を長くしたいという思いで取り組んでいます。

こだわりの設備はありますか?

適切な診断を行うために導入したのが、歯科用CTとマイクロスコープです。自分が行いたい治療を行うためにも必要だと考え徐々にそろえました。マイクロスコープは精密な治療で成功率を上げたいというより、純粋に「見えないところを見たい」と思いが強かったですね。歯科用CTもそう。エックス線画像では見えないさまざまな情報を得ることができます。これらの機器は大いに役立っています。

インプラント治療の経験も豊富だとか。

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1985年にアメリカでインプラント治療の講習会を受けて以来、数多くの症例を手がけてきました。しかし私は「この歯はもう駄目だから、さっさと抜いてインプラントを入れる」という治療では、そもそもの問題は解決しないと考えています。その歯がどうしてそういう状態になったのか根本原因がわからないと、他の歯も同じ道をたどってしまうでしょう。そういったことから当院では歯周病を診療の中心に据え、歯を失わないための治療や予防に力を入れているのです。インプラント治療というのは、虫歯や歯周病含めて予防を一生懸命やったけれど、それでも抜かざるを得なくなった場合の選択肢の一つ。その患者さんが自分の歯をどれだけ大事にできるか、しっかり見極めてからでないと行いません。

患者のライフスタイル、ライフステージに合った治療を

審美歯科についてのお考えは?

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例えば「あの女優さんのようなきれいな歯にしたい」と思っても、人それぞれ骨格も肌の色も違うので、白いセラミックを入れても同じ印象になるとは限りません。その人が持っている美しさをどう引き出すかが大切だと思っています。また審美性というと、歯列を整える矯正もそのカテゴリーに入るでしょうが、当院の矯正は見た目の美しさというより、歯を長く維持することを目的に受ける方が多く、55歳以降が半数以上。歯並びが悪いと磨きにくく歯垢がたまりやすいため、マウスピース型装置を用いる矯正で問題の箇所を整えていきます。矯正とは歯列や噛み合わせを整えることで歯を守るために行うものだと私は考え、予防という観点から積極的にお勧めしています。

スタッフについて教えてください。

みんなとにかく勉強熱心で、いろんなことに興味を持って取り組んでくれています。当院の「原因を重視する」という診療ビジョンを理解しているので、仕事でもただ結果だけを求めるのではなく過程を大事にしています。それに患者さんへの対応もピカいちです。そんなスタッフたちを連れて、先日、開院20周年記念で軽井沢旅行に行ってきたんですよ。目的はカーリング。今はやってますよね。予約を取るのは大変でしたが、やってみるととても面白くて、大いに盛り上がりました。来年もまたやろうかなと思っているくらいです(笑)。

最後に、先生が考える理想の医療とは?

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患者さんの求める治療をライフステージに合わせて提供し続けていく、これが私にとっての「最高の医療」。患者さんが喜んでくれれば、たとえそれが保険診療でも最高の治療なんです。例えば40〜50代の患者さんは、保険診療を選ばれる方が多いんです。いろいろお金がかかる時期ですから。しかし60歳を過ぎてリタイアすると、皆さん上のランクの治療を希望されます。ずっと通い続けてくださるのもうれしいことですし、私の伝えてきたこと、やってきたことは正しかったのだな、と励まされる思いです。これは20年続けてきたからこそわかったこと。今後もさらに30年、40年と続けていきたいです。

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