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野口 正興 院長の独自取材記事

ノグチ歯科医院

(千代田区/神保町駅)

最終更新日:2022/05/31

野口正興院長 ノグチ歯科医院 main

地下鉄神保町駅A7出口より徒歩4分、JR御茶ノ水駅より徒歩7分のところにあるビルの3階に「ノグチ歯科医院」はある。院長を務めるのは、補綴のエキスパートである野口正興先生。同院には遠方から通っている患者が多く、治療時間を最低でも30分、長い人で90分確保しているのは、1回の治療でなるべく多くの治療をして、通院回数の負担を軽減するための配慮なのだという。「1978年からある歯科医院なんですが、外からは歯科医院とわかりづらくて、長くこの町で勤めていても、初めて知ったという患者さんもいるんです」と野口院長は笑う。知る人ぞ知る歯科医院で、診療方針から野口先生の素顔に至るまで、じっくりと話を聞いた。

(取材日2022年4月6日)

専門は補綴。補綴の技術こそ歯科医師の腕の見せどころ

こちらの歯科医院の歴史について教えてください。

野口正興院長 ノグチ歯科医院1

開業する前は、大学院時代から10年間、飯田橋にある大学病院に勤務していました。そして1978年、そこに籍を置きながら、こちらの歯科医院を開いたんです。昼間は大学病院で診療し、それが終わるとこちらへ来て、夜間診療を行っていました。夕方5時半に開く、ちょっと不思議な歯科医院だったんですが(笑)、患者さんはとても喜んでくださいました。当時、仕事が終わってから通える歯科医院はとても貴重でしたから。昼間も診療するようになったのは、30年ほど前からなんです。

先生は「補綴」がご専門だそうですね。

はい。「補綴」という言葉は聞き慣れない言葉かもしれませんね。出版社に勤める患者さんから「この字はなんて読むんですか?」と聞かれたこともあるくらいです。補綴とは人工の材料を使って、歯の機能の回復をめざす処置のことです。高分子材料や金属、セラミックなどを使って歯の再現を図る、歯科の中での最終処置ですね。詰めたり、かぶせたり、そしてインプラント治療も、すべて補綴の技術に支えられています。また、審美歯科という分野についても、ホワイトニングを除けばほとんど補綴の技術を用いるんですよ。ですから私はあえて「審美補綴」と呼んでいます。

補綴の技術というのは、すなわち歯科医師の腕を示すともいえそうですね。

野口正興院長 ノグチ歯科医院2

そう思っていただいて間違いないでしょう。インプラント治療においても、インプラント自体を植立するのはうまくても、その上にかぶせ物をする補綴の処置がうまくなければ歯の機能を回復することはできないと考えています。インプラント治療の成功のためには、どちらの知識も重要なんです。補綴物を実際に作るのは歯科技工士かもしれませんが、設計するのは歯科医師です。患者さんにとって最良の歯を思い描いて設計することが歯科医師の仕事で、それを忠実に再現するのが歯科技工士。その両者の力量が、治療の良しあしを決めると思っています。以前、患者さんに「これは先生ではなく、技工士さんがうまいからこんなにきれいにできたのでしょう?」と言われたことがありました。確かにそうです(笑)。ただ、歯科医師がいかにうまく型を採るかと、歯科技工士に的確な指示を出すことが、すべての始まりなんです。

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

中高年の方が多いです。また、当院の患者さんの8割ほどが遠方から通ってくださっています。遠いところで栃木県や神奈川県の逗子の方もいらっしゃいますね。主訴は虫歯や歯周病、義歯、インプラントなどです。当院では治療内容によっても異なりますが、一人の患者さんにつき30〜90分の治療時間を確保しています。歯科治療は短時間では理想的な治療は行えません。それに遠方の方は通院が大変なので、1回の来院でなるべく多くの治療を行うようにしています。

セカンドオピニオンにも積極的に対応

予防歯科にも力を入れていると伺いました。

野口正興院長 ノグチ歯科医院3

はい。私は補綴が得意ですが、皆さんがしっかり予防に力を入れて、補綴を専門とする歯科医師が必要なくなることが、一番の理想なんですよ(笑)。歯は、やはり自分の歯が一番。入れ歯を入れると、味覚も変わることをご存じですか? 人間は、上顎のでこぼこした部分と舌で食べ物を挟んで味覚を感じるのですが、そこを入れ歯で覆ってしまうと、味の感じ方が変わってしまうんです。そうならないためにも、皆さんご自分の歯を大事にしてください。お年寄りで元気な人はたいてい歯がいいものです。自分の歯で長生きしましょう。

印象深い診療のエピソードを教えてください。

以前、患者さんの中に、結婚してハワイに移住された方がいました。現地の歯科医院を受診したところ、「この治療を行った歯科医師の名前を教えてほしい」と驚かれたそうです。常々、同業者が見ても笑われないような治療を心がけていますが、海を越えてその心がけが通じたとわかった時は、本当にうれしかったですね。それがきっかけとなり、彼女の日本にいるご家族が全員当院へ来てくださり、それもありがたかったです。また、別の歯科医院で「抜歯する」と言われて、セカンドオピニオンを聞きに来られた患者さんもいらっしゃいました。これは誰が見てもどうしても無理だという場合以外は、できるだけ抜歯せずに治療するのが、私の方針です。

セカンドオピニオンを聞くために受診するのは、少し気が引けます。

野口正興院長 ノグチ歯科医院4

納得して治療を受けるためには、とてもいいことだと思いますよ。迷ったら、サードオピニオンまで聞くのがいいと患者さんにはお話ししています。3人の歯科医師に聞いて、2人が勧める治療法が妥当だと思うんです。また、治療の途中で不安があったり、補綴物の形や色に不満があったり、噛み合わせが悪かったりする時などは、はっきり歯科医師に伝えましょう。お金を払っているのですから、正当な権利です。ご自分で確信が持てない場合は、別の歯科医院に相談に行ってもいいと思いますよ。

抜歯をしない治療を心がけているそうですが、年齢によっては抜かざるを得ない場合もあるそうですね。

もちろん、可能な限り残せる歯は残しますが、ご高齢で今後施設に入ることが予測され、他の既往歴がある方は抜歯することもあります。と言うのは、施設に入ってしまうとその後の経過観察ができなくなってしまうからです。きちんとしたケアが施設内でできないと悪化してしまう場合もありますから、確実にこの歯は大丈夫だと思える歯は残しますが、怪しそうな歯はやむを得ず抜歯することになります。その場合はきちんとご説明をして、納得していただいた上で抜歯します。

患者の信頼を裏切らないように全力で診療にあたる

感染症対策について教えてください。

野口正興院長 ノグチ歯科医院5

入口に検温器つきアルコール消毒液を設置しました。待合室には検温やマスクの着用、処置前の含嗽(がんそう)剤でのうがいなどの協力をお願いする掲示物を貼っています。また、患者の人数制限や診療室の換気、空気清浄機の設置、患者一人ごとの診療台や器具機材の消毒を行い、治療中は口腔外バキュームを使用したり、フェイスシールドを装着したりしています。

釣りや空手がご趣味だそうですね。

空手は18歳から始めました。以前は週に1回、母校の空手部で教えていたのですが、新型コロナウイルス感染症の流行が始まって以降、大学内へ入ることができない状況が続いています。落ち着いたらまた学生たちと一緒にやりたいですね。釣りは患者さんに誘われたのがきっかけです。「釣れた!」という喜びがなんとも言えない魅力です。釣れないと逆にストレスをためて帰ってくることになるのですが(笑)。

患者さんへのメッセージをお願いします。

野口正興院長 ノグチ歯科医院6

当院は昔から通ってくださっている患者さんがほとんどです。これからもその信頼を裏切らないよう、技術で応えていきたいと思います。歯は自分のものが最良。安易に神経を抜くと、歯は変色し、もろくなり、破折しやすくなります。また、前歯に人工の歯をかぶせると、歯肉は年とともに少しずつ下がりますので、境目に変色した歯が黒く見える場合があります。歯や歯の神経をできるだけ残せるように、私も精一杯全力で診療にあたります。開業医として、自分の引き際は自分で見極めなければいけませんが、空手のおかげか、今のところ体も壊していませんので、もうしばらくは診療を続けていけそうです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/27万5000円~、セラミッククラウン/10万2300円~、金属床義歯/29万7000円~

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