塚原 宏泰 院長の独自取材記事
塚原デンタルクリニック
(千代田区/小川町駅)
最終更新日:2025/12/15
東京・千代田区の「塚原デンタルクリニック」は、都営新宿線・小川町駅など3駅のB4出口から地上に出てすぐ。靖国通りと都道403号線が交わる小川町交差点に面して立つビルの2階から4階にクリニックを構える。口腔外科を専門とする塚原宏泰院長はインプラント治療の経験が豊富だが、一方で歯を残す治療を重視し、奥歯でしっかり噛める状態を維持するため、歯周病の改善と歯科衛生士によるメンテナンスに最大限の力を注ぐ。患者からの信頼が歯科医師の要と話す塚原院長に、近年実行した全面改装のことや診療コンセプト、インプラント治療の強みなどについて語ってもらった。
(取材日2025年11月19日)
感染を取り除き、両の奥歯でしっかり噛める状態に
開業から30年近いと伺いましたが、白を基調とした院内がきれいですね。

今の姿になったのは2022年です。もともと3階だけでしたが、18年に全面改装でユニットも総取り換えしたところ、翌年新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、4階のテナントさんが退去されたので、うちが借りますと手を挙げました。かねてより、継続で来てくださる患者さんと初診の方で予約がいっぱいになり、私の場合1ヵ月先、メンテナンスは3ヵ月先までお待たせする状態でしたから、結果的に良かったですね。そうこうするうちに2階も空いて、こちらも借りたので3フロアに広がりました。ユニットを4台から7台に増やし、2階は患者さんの受付と、スタッフみんなで食事が取れるカフェのような場所にしています。社食のサービスを導入したのに伴い、電子レンジが3台もあるんですよ(笑)。
どんな考え方を持ったクリニックなのか、日頃意識しているコンセプトを教えてください。
大きくまとめると2つあって、1つは患者さんの「お口の中の感染を確実に取り除く」こと。もう1つは、年齢に関わらず「両方の奥歯でしっかり噛める状態を維持していく」ことです。例えば、40歳までは維持できたけれど、それ以降にバランスが崩れて歯を失う方も少なからずいらっしゃいます。そういう場合は義歯なりインプラントなりで元の噛める状態に戻し、そこからまた維持するための努力を続けていく、それが開業以来の私たちのコンセプトです。特に奥歯と言ったのは、両の奥歯でバランス良く噛めることが、顔の表情筋のつき方をシンメトリーに保つ上で重要だからでもあります。片方だけで噛む偏咀嚼(へんそしゃく)を続けると顔のゆがみにつながってしまうので、歯が失われた状態を長く放置しないことはとても大切です。
歯を失う前に、それを防ぐことができれば一番いいですね。

もちろんです。患者さんと診療中に話していてこちらに伝わってくるのは、ご自身の持って生まれた歯をできるだけ長く生かしたいという強い思いです。私は口腔外科が専門でインプラント治療を得意分野としているため、患者さんに抜くのが専門みたいに思われがちなのですが、全然そうではありません。歯周病であっても極力抜かないできっちり治すことをめざしていますし、壊れた歯はちゃんと元の形状を再現するように作ります。虫歯が進行した場合の根管治療も噛み合わせに支障が出ないように細心の注意を払います。一方で、口腔外科で積んできた経験は、親知らずの抜歯のほか、口腔内の前がん病変、つまり将来的にがんになるリスクが高い状態を見極めることにも大いに役立っていると思います。
顎の骨が薄くなっていてもインプラント治療は十分可能
こちらのクリニックでインプラント治療を受けると、どのようなメリットがあるとお考えですか?

インプラント治療は長年取り組んできましたので、まず技術の面ではご期待に添えると思います。それ以外で挙げるとしたら、インプラントを構成する人工歯根や人工歯といった素材を選び、その中でも予後の良い物を厳選して使用している点ですね。そうすることによって、インプラント治療後の歯周病によるトラブル、いわゆるインプラント周囲炎のリスクの軽減を図っています。もう1つは、歯周組織が大きく壊れてしまっている場合、とりわけ土台となる顎の骨が相当に薄くなっていても、インプラントを入れることが可能な点です。当クリニックは骨造成にも対応しており、これを治療過程に組み込むことで、通常8、9ヵ月かかるインプラント治療を半分程度の期間に短縮することが可能です。
より進歩したインプラントの素材にはどういった特徴があるのでしょうか?
簡単に言うと、昔に比べて近年のインプラントは骨に埋め込む人工歯根がより細くなっているのですが、以前は強度が足りなくて折れてしまう恐れもありました。しかし、最近では非常に強度を上げた素材が使われるようになり、耐久性が高くなっています。なお、先ほどのメリットの話につなげれば、当クリニックのインプラント治療では単一メーカーの素材ではなく、さまざまなメーカーの物を使い分けているのも特徴です。これにより、例えばかなり昔に入れたインプラントにトラブルが発生したとか、ほかの歯科でインプラント治療をした後にメンテナンスだけ頼みたいといったご要望で患者さんが来られた場合でも、ほぼすべてのメーカーに対応することができます。
診療を円滑に進めるために心がけていることはありますか?

カルテに治療で行ったことはもちろん、患者さんが話してくださったこともしっかり書き込むことです。毎日数十人の患者さんが来院されますが、高額な治療費がかかる場合もあれば、いろんな不定愁訴を抱えて来られる場合もあって、診察室での会話内容は非常に多岐にわたります。そこで耳にした事柄を漏らさず書き留めておいて、次回お会いした時にはすべて頭に入れて治療を始めるんです。「確か頭痛がひどいとおっしゃっていましたね」とか、「まだ肩凝り治らないですか」とか、歯科医師やスタッフが以前の話を覚えていれば患者さんも安心しやすく、スムーズに治療を始められます。
技術にも増して患者からの信頼を得ることが何より大事
先生は教育の現場で、後進の歯科医師や歯科衛生士の指導にも注力されてきたそうですね。

かつては東京医科歯科大学(現・東京科学大学)の顎口腔外科で臨床教授を務め、母校の日本大学松戸歯学部や神奈川歯科大学でも学生の指導にあたってきました。還暦を過ぎてからは大学との関係に一区切りつけ、今は専門学校でスタッフの養成を手伝っています。私が教育に関わってきたのは、教える楽しみを感じて、というより、私自身が大学からたくさんの恩恵を受けてきたので、そのお返しをする使命があると思ったから。当クリニックで若手の歯科医師を受け入れているのも同じ動機で、うまく言えませんが、今まで自分が身につけてきたものをなくしてしまうのは惜しいんですよね。私は人から学ぶのが得意です。勉強ができるという意味ではなく、いろんな先生のいいところを「頂く」ことができる。先生方も、本当なら教えてくれないようなことまで教えてくださいました。そのご恩に報いるため、今後も機会をとらえて若い人に教えていこうと思っています。
先生が歯科医師として一番大事と思うことは何ですか?
それはもう「信頼」の一言に尽きます。患者さんからの信頼。そこに先輩の先生方やスタッフからの信頼をつけ加えてもいいでしょう。長くこの仕事をしているとわかるのですが、患者さんはこちらに専門性や特技があるから来院されるわけではないと思うんです。初診ではそういう動機もあるかもしれないですが、それだけだと、継続しないでしょう。一定の技術があるのは大前提として、歯科医師の人柄が好ましいとか、院内がよく片づいているとか、受付や歯科衛生士が話しやすいとか、そういった小さな事柄から生まれる信頼感を大切にしたいと思っています。
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

60代を迎えましたが、あと10年は今のクオリティーを維持しながら、皆さまにご納得いただける歯科医療を提供したいと考えています。私は10数年前、このドクターズファイルの記事中で、今後は患者さんの栄養指導に力を入れたいとお話ししました。当時は診療メニューのオプションに加えるつもりでしたが、気がつけば、今ではどの患者さんに対しても栄養の話をすることが増えています。食事のバランスが大きく偏っていると、やはりお口の中の状態に良くない影響が出やすいんです。食事や睡眠といった普段の生活が口腔内環境と深く関わっていることを、皆さんにもっと知ってほしいと思います。そんな願いも頭の隅に置きつつ、これからも精いっぱい診療に励みます。どうぞよろしくお願いします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(一次手術)/27万5000円~、骨造成/11万円~、顎顔面矯正/44万円~、矯正/88万円~、セラミックスクラウン/11万円~

