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河野 英雄 院長の独自取材記事

麹町内科

(千代田区/半蔵門駅)

最終更新日:2021/10/12

河野英雄院長 麹町内科 main

半蔵門駅から徒歩30秒ほど。ビルの2階にある「麹町内科」。院長の河野英雄先生は東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学病院で痛風と高尿酸血症の診療にあたってきた。さらに麻酔科でも研鑽を積み、総合病院ではその経験を生かし救命救急にも携わった。3年前よりアトピー性皮膚炎の治療にも対応。症状に応じて塗り薬だけではなく飲み薬や注射を併用しながら、ステロイドの使用量に配慮した治療を行うよう心がけている。出身校である東京慈恵会医科大学の「病気を診ずして病人を診よ」という教えを大切にし、患者一人ひとりにしっかり向き合う河野先生に、痛風やアトピー性皮膚炎について、また他院とのネットワークについても話を聞いた。

(取材日2020年3月11日/更新日2021年3月1日)

医師である父に勧められ、医療の道へ

先生はなぜ医師をめざしたのですか?

河野英雄院長 麹町内科1

父からの勧めもあり、子どもの頃から医療の道を視野に入れていました。私の父は整形外科の医師だったんです。私と同じ東京慈恵会医科大学の出身ですから、先輩でもありますね。実は私、勉強嫌いなんですよ。「六法全書を覚えるのは大変だ」という理由で弁護士を諦めたくらいですから。ですが、医師になるための勉強はスムーズに頭に入っていきました。もともと理数系が好きでしたから向いていたのかもしれません。私は人と接することが好きな性格で、患者さんの悩みを聞きながら「この患者さんのために何ができるか」を考えて診療にあたっています。この性格も医師に向いていたのでしょう。今は医師として患者さんが元気になる手助けができることに、喜びを感じる毎日です。

開業までのご経歴についてお聞かせください。

東京慈恵会医科大学を卒業後は、同大学病院で主に痛風と高尿酸血症の診療にあたってきました。その昔は痛風といえば整形外科の領域だったのですが、私が大学病院に勤務し始めた当時は、痛風が整形外科から内科の領域に変わり始めた頃でした。痛風の治療は投薬がメインですが、痛風結節といって尿酸の塊ができてしまう病気もあります。今ではあまり見ない症例ですが、当時は痛風結節の患者さんも多く、手術が必要なこともあったんですよ。大学病院では麻酔科でも研鑽を積みまして、後に勤務した総合病院ではその経験を生かし、内科全般に従事しながら救命救急にも携わってきました。内科の診療を幅広く経験したのち、2008年にクリニックを開業しました。

どのような方が通われているのでしょうか?

河野英雄院長 麹町内科2

会社勤めの方が多いですね。お昼休みを利用して来院される患者さんもいます。会社帰りに立ち寄る方も多いので、当院では18時半まで受付を開いています。ちょっとした体調不良から季節のアレルギーまで、症状は幅広いです。最近はアトピー性皮膚炎のご相談も多いですね。アトピー性皮膚炎は先天性のものが大半で、子どもの頃に発症するケースがほとんどです。本来は網目状になっている皮下組織のバランスが崩れて起こります。長年悩んだ末に来院される患者さんが多いですが、きちんと治療を続ければ、症状の改善が見込めます。

塗り薬だけに頼らない、アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の診断は、どのように行われるのでしょうか?

河野英雄院長 麹町内科3

アトピー性皮膚炎の診断は血液検査で行います。血液中のTARCと呼ばれるタンパク質の値を計るのですが、皮膚の見た目やかゆみといった自覚症状とTARC値は必ずしも比例しません。「見た目には症状が出ていないけれどTARC値が高い」というケースもあるんですよ。その場合はアトピーの治療が必要です。逆にかゆみが酷くてもTARC値が低ければ、アトピーの治療は必要ありません。その場合は他の原因を探ります。かゆみの原因はアトピーだけではなく、ストレスや他の病気によるものもありますからね。傾向として、アレルギー疾患のある方は肌にも症状が出ることが多いです。

アトピー性皮膚炎の治療方法について教えてください。

アトピーというと塗り薬を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろん塗り薬は重要ですし欠かすことはできませんが、当院では症状に応じて飲み薬や注射も併用しながら治療を進めています。かゆみというのは我慢できないものです。重症の場合治療が長期にわたりやすく、塗り薬のみでかゆみを抑えようとすると、必然的にステロイド剤の使用量が増えてしまいます。基本的に使用する塗り薬にはステロイドが使われていますから、多用すれば皮膚が薄くなるなどのデメリットも生じます。当院が飲み薬や注射も扱っているのは、そのデメリットを極力抑えて治療したいからです。体の中からもアプローチすることで、ステロイドの使用量を減らした治療を行うことができると考えています。ただ、もし1週間程度でかゆみが治まっても、そこで内服薬をやめてしまうと元に戻ってしまいます。毎日薬を飲むのは大変ですが、根気よく飲み続けることが大切です。

今後、力を入れていきたい分野はありますか?

河野英雄院長 麹町内科4

大学病院で経験を積んだ痛風の診療に、さらに力を入れていきたいです。人間の体の中にはもともと尿酸がありますが、それが増えすぎてしまった状態が痛風です。痛風そのものは命に関わるものではありませんが、痛風発作の痛みの強さは日常生活に支障を来してしまいます。痛風関節炎は尿酸の針状結晶が関節内にできるとイメージしてください。治療では尿酸値のコントロールが重要なのですが、うまくいかないと繰り返し発作が起きてしまいます。私は大学病院でも数多くの症例を診てきましたし、当院の患者さんで発作に悩み続けている方はほとんどいません。悩んでいる患者さんには、ぜひ一度相談にいらしてほしいですね。

街のホームドクターとして、医療機関と幅広く連携

診療における先生のモットーを教えてください。

河野英雄院長 麹町内科5

患者さんの希望に沿った治療を心がけています。患者さんが希望しなければ、無理な治療は勧めません。そして患者さんとしっかり向き合うこと。これは私の出身校である東京慈恵会医科大学の「病気を診ずして病人を診よ」という教えにも通じます。病気ばかりに集中せず患者さん一人ひとりの話をきちんと聞いて、オーダーメイドの治療を提案できること。医師が「病気」から一歩引いて患者さんそのものに向き合うことが、とても大切だと思っています。そしてホームドクターとして幅広く対応することと、必要に応じて専門の医師を紹介できるクリニックであることをモットーとしています。

医療機関と幅広く連携されていますね。

「開業医は専門医である必要はない」というのが私の考えで、それはその先に紹介できる先生とのネットワークがあるからこそ成り立っています。当院では新鋭の治療を患者さんに提供しています。また痛風やアトピー性皮膚炎は私の得意分野です。ですが、すべての症例に1人で対応することは不可能です。まずは私がホームドクターとして診察し、必要があれば適切な病院・適切な先生を紹介しています。例えば患部が肩なのか膝なのかでも、紹介する先が変わります。提携先は幅広いのですが、大学病院にもクリニックにもそれぞれの良さがあります。クリニックのスピード感が必要な症状もあれば、大学病院の施設でないと対応できない症例もあるでしょう。総合的に判断して、患者さんの症状と希望に合った医療機関をご紹介します。

最後に読者へメッセージをお願いします。

河野英雄院長 麹町内科6

医療の常識も時代により変化しています。例えばステロイドやケトン体に対する評価も、一昔前とは真逆になってきているんです。新しい医療技術も次々生み出され、治療の選択肢が幅広くなっています。これからも医師として常に情報へのアンテナを張り、患者さんに還元していきたいですね。また、当院では健康や美容の相談にも乗っています。専門的な治療が必要になれば、私のネットワークを生かして適切な医療機関や信頼するドクターを紹介します。少しでも気になることがあれば、健康管理のためにも気軽にご来院ください。

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