林 準治 院長の独自取材記事
リーフ歯科
(中央区/馬喰町駅)
最終更新日:2025/02/14

馬喰横山駅から歩いてすぐのビル6階に、2023年2月に移転した「リーフ歯科」。虫歯治療・根管治療のほか、インプラント治療・矯正歯科・メンテナンスまで幅広く診療する。院長の林準治先生は「患者さんのためになるものは積極的に取り入れたい」と、歯科診療のデジタル化に邁進。院内にはCTや患部を5~30倍に拡大できるマイクロスコープ、3Dの口腔内スキャナーに加え、先進的なプラズマ照射器など充実した設備がそろう。治療前・治療中・治療後の口腔内を撮影することで今後起こり得る問題を可視化し、治療の際には患者の負担とリスクを軽減できるよう処置に努める同院。インタビューを通して、地域住民の歯と体の健康を願い、責任感を持って治療に取り組む院長の姿が見えてきた。
(取材日2024年12月5日)
デジタル化とデータの蓄積が今後の歯科診療の基盤に
まずはこちらのクリニックを簡単にご紹介ください。

当院は2001年に茅場町に開業し、2014年に兜町に移り、2023年2月に馬喰町に移転して現在に至ります。最初の移転でマイクロスコープやCT、口の中を3Dで撮影できる口腔内スキャナーなどを導入し、こちらに移転した際にはマイクロスコープを新しくして診療室のモニターも大きくしました。最近では新たにプラズマ照射器を導入し、患者さんのメリットが少しでも増えればと期待しています。もう一人の歯科医師は僕の兄ですし、スタッフも明るい人たちばかりですので、和やかな雰囲気の中で治療を受けていただけると思います。
デジタル機器など設備が充実しているんですね。
当院では移転前から歯科診療のデジタル化を進めてきました。例えば口腔内スキャナーで口の中を撮影して3D化し、CT画像とコンピュータ上で合成して、頭の位置に対してどこに歯や骨があるかを明確化するのもデジタル技術の成せる業です。歯の詰め物なども従来の歯型採りではなく、3D画像のデータを技工所に送ることで迅速かつ精密に作製してもらえます。デジタルのメリットを診療に生かすことで、より適切に効率良く治療ができますし、結果的に患者さんの治療時の負担とリスクも軽減できると思います。さらに今後は、メンテナンスにももっとデジタルを活用したいと考えています。患者さん一人ひとりに合ったケアのポイントがパッと見てわかるシステムを構築し、お口の中だけでなく食事や咀嚼、嚥下なども含めた口腔機能全般をサポートしていきたいですね。
診療におけるこだわりを教えてください。

デジタル化と合わせて力を入れているのが、写真を撮ることです。当院では治療前・治療中・治療後のお口の中を、口を大きく開ける必要がないペン型のデジタルカメラや口腔内3Dスキャナー、CTで撮影して記録に残します。データの蓄積によって今後のリスクの予測ができますし、治療をしなかった部分の経過観察もしやすくなります。初期の虫歯であればフッ素歯磨きで再石灰化を図れることも患者さんに知っていただきたいですし、過去のデータと比較できれば「今のケアで良いんだ」と納得もしていただけると思います。歯科のニーズは、虫歯治療から現状維持・管理へと移り変わってきました。管理していく上でも大事なのは過去と比較できる写真データです。通常のメンテナンスと合わせて、長期の通院が必要な方には口腔内スキャナーを用いたメンテナンスも行い、以前のデータと重ねて問題がわかれば早期の対処につなげます。
デジタル技術で治療の質を向上し、患者の負担を軽減
先生が得意とする治療はありますか?

得意というほどではないかもしれませんが、マイクロスコープを用いた根の治療はしっかりと対応させていただきます。また、歯科治療において大前提である虫歯の治療はもちろんのこと、噛み合わせや歯ぎしりの治療にも力を入れています。朝起きると顎が疲れている、奥歯に突然虫歯ができる、その周りの歯茎が腫れるなどの症状がある方は、気づかぬうちに歯ぎしりで負荷をかけている可能性が高いです。今の時代、歯を磨かないことよりも、噛み合わせや歯ぎしりが原因で奥歯に亀裂が入り、虫歯になるという方が結構いらっしゃるんです。歯ぎしりに対しては、必要に応じてマウスピースを作って調整を図ります。
インプラント治療や矯正歯科にも対応されているそうですね。
インプラント治療もデジタル技術を用いることで、メスを使わず小さい穴を開けて埋入するという侵襲の少ない方法で行います。医科の手術でいうと、開腹手術ではなく小さい穴から行う腹腔鏡手術のようなイメージです。患者さんのデータをもとに作られたマウスピースのようなガイドを当て、小さな穴からアプローチするので、当日の縫合が不要で手術も早く終わることが望めます。また、歯茎を剥がさないので腫れにくく、術後の回復も早いことが期待できます。矯正歯科は矯正を専門としている先生が来てくれています。スタンダードなワイヤーの矯正から、マウスピース型装置を用いた矯正なども行っています。
新たに導入されたプラズマ照射器について教えてください。

プラズマ照射器は主にインプラントに用います。インプラント治療ではまず顎の骨を削り、土台を入れて定着を図りますが、中にはうまく定着しないケースがあります。その原因の一つとして浮上したのが不純物です。インプラントは工場で滅菌されているので清潔ではあるんですが、表面にはどうも微細な不純物があるようで、それが定着を阻害するのではないかと考えられています。その不純物を取り除き接着性を高める目的で使うのがプラズマ照射器です。もちろん、通常定着しない場合には一度取り外してやり直すのですが、患者さんの負担を考えても1回で定着できるに越したことはありません。原因についてはまだ解明されていないこともありますが、取り除けるものは取り除きたいですし、患者さんのメリットになることへの努力はしていきたいですね。インプラント以外では、かぶせ物や土台ポストの不純物除去にも活用しています。
歯科診療のみならず、体全体の健康をサポートしたい
診療の際、大切にされていることは?

患者さんとコミュニケーションを取ってお話をすることを大事にしています。クリニックというと静かでちょっと堅いイメージがあるかと思いますが、最近の歯科は美容室のような日常生活の中のプラスの空間になりつつあります。ですので、患者さんと治療やメンテナンスの話で盛り上がるような、にぎやかな雰囲気でもいいと思うんですね。歯科診療には推理のような面白さがありますから、患者さんとの会話の中から証言を引き出して、エックス線写真などの証拠があって、ズバッと名探偵のように解決に導く。その結果、感謝していただけるとありがたく、やりがいにもつながります。また、治療には患者さんの治したいという気持ちも必要で、患者さんと歯科医師、双方が同じ思いを持つことが重要だと考えています。患者さんの治したいという気持ちがある限り、僕らは努力をしてしっかりとそれに応えていきます。
今後の展望をお聞かせください。
歯科診療のデジタル化を進めるとともに、医療連携も強めていきたいです。虫歯が多い方に歯磨きを促すだけの時代は終わり、今はそのバックボーンを見つけていく時代になっています。磨き残し、歯並び、噛み合わせ以外にも、摂食障害、糖尿病、薬の副作用など、根本的な原因を見つけることが根本的な解決につながります。そのためには医科との連携が必要と考えています。さらには、患者さんの体の不調に早く気づくことも、僕らの使命なのかなと思っています。年に1回は健康診断や人間ドックを受けられていると思いますが、歯科医院には3ヵ月や半年に1回通われている方も多いのですから、歯科医師の僕らがまず見つけなくてはと。実際に歯茎の腫れから循環器系の不調を疑ったり、患者さんの受け答えや顔色から異変に気がつくこともあります。口腔ケアにとどまらず、体全体の健康管理につながるよう患者さんをしっかりと見ていきたいですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

皆さんには、ぜひエックス線やデジタルカメラなどでしっかりとお口の中の写真を撮ってくれるクリニックに通ってほしいです。先ほど、治療やメンテナンスには写真を取ってデータに残すことが重要だとお話ししましたが、そこには僕自身が患者さんの治療に対して責任を持ちたいという思いもあるんです。当院でなくても通いやすいクリニックで構いません。写真を撮ることで、治療を責任持って確認する先生だとわかるでしょう。クリニックを見つける一つの目安にしていただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/41万8000円~(1本)、ワイヤー矯正(抜歯あり)/88万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/93万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。