低侵襲でQOL向上も期待
眼内コンタクトレンズによる視力矯正
水天宮藤田眼科
(中央区/水天宮前駅)
最終更新日:2025/07/15


- 自由診療
日本でも眼内コンタクトレンズでの視力矯正治療を導入する眼科が増え始めている。コンタクトレンズや眼鏡は煩わしいが、レーシックにする勇気はないという人にとって、新たな選択肢が増えたのは朗報だ。しかし、目の手術であることには変わりはなく、怖いと感じる人もいるだろう。「ほぼ目を傷つけない手術ですし、生活の質を上げるのみならず災害時の安全確保にも役立ちます」と語るのが「水天宮藤田眼科」の藤田浩司院長だ。イメージガイドシステムなどの先進機器を活用して、これまで数多くの眼内コンタクトレンズ手術を手がけてきた同院。患者が理想とする見え方を実現できるよう、術前の詳細検査にも力を入れている。眼内コンタクトレンズにはどのようなメリットがあるのか、手術の流れと合わせて藤田院長に詳しく解説してもらった。
(取材日2025年6月24日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q眼内コンタクトレンズによる視力矯正とはどのようなものですか?
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A
眼球内部の虹彩と水晶体の間にレンズを埋め込んで視力の矯正を図る手術です。レンズの素材はコラーゲンと樹脂からなる高分子化合物で、異物反応が少ないのが特徴です。白内障の治療で使う眼内レンズとほぼ同じような物質で100年近い耐久性があるともいわれています。術後にレンズが入っていると感じることもありません。従来の粘膜を覆うコンタクトレンズはドライアイに弊害があり、アレルギー性結膜炎などの点眼治療の支障になるというデメリットがありました。これらを解消するだけでなく、日々裸眼のように過ごせて災害時にも不自由しないなど患者さんにさまざまなメリットが期待できる治療法です。
- Qレーシックとの違いが気になります。
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A
違いは大きく分けて3つあり、まずレーシックは適応外となる-6.00D以上の強度近視にも対応できます。次に、レーシックと違っていつでもレンズを取り出せて「元に戻せる」点が大きな違いです。さらに特筆すべきは傷の小ささといえるでしょう。黒目と白目の境目を3mmほど切ってそこからレンズを入れるだけなので、角膜の真ん中を削るレーシックとは目に与える負担が比較にならないほど小さいです。レーシックのように角膜の傷により視野がぼやける心配もありません。日本ではようやく知られてきたところですが、すでに欧米では近視矯正手術としてレーシックよりも眼内コンタクトレンズを選択する人のほうが多くなっています。
- Q眼内コンタクトレンズによる治療が難しいケースもありますか?
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A
基本的に目の成長が終わった成人ならば適応となりますが、45歳以上は推奨されていません。なぜならば、白内障、緑内障、老眼などが出て、せっかく入れたレンズが合わなくなってしまう可能性が高いからです。年齢に関係なくぶどう膜炎などの炎症がある人、緑内障により角膜と虹彩の間が狭くなっている人なども手術は適応外です。また、眼内コンタクトレンズは近視だけではなく乱視の矯正にも用いられますが、どの向きに入れるのか繊細な技術が問われます。手術中に多少目が動いても追尾して顕微鏡下にガイドを表示する先進のイメージガイドシステムを備えているクリニックならば、より精度の高い治療が期待できるのではないでしょうか。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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医師からの眼鏡、コンタクトレンズ、オルソケラトロジーなども含め、それぞれの近視矯正法に関するメリット・デメリットの説明を聞く。その上で眼内コンタクトレンズを選択した場合は、簡易的な目の検査を受ける。担当者から手術費用、通院スケジュール、手術前の生活制限についての話を聞く。
- 2詳細検査
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コンタクトレンズの使用を1〜3週間ほど中止し、ピントを合わせる力をまひさせるための目薬をさし、正確な視力測定をしてもらう。角膜の状態が手術に耐えられるのかもチェック。虹彩の下にレンズをすべり込ませるのに必要な、瞳孔の開き具合の検査も受ける。さらに網膜などに病気がないかも調べ、網膜裂孔などがあれば術前に処置をしてもらう。
- 3シミュレーション
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どの眼内コンタクトレンズにするか決まったら、同じ度数のコンタクトレンズや眼鏡を使って見え方のシミュレーションを行う。過矯正になると疲れ目になりやすいので、気になる点を細かく伝えて微調整をしてもらおう。見え方の最終調整が完了した後に眼内コンタクトレンズを発注し、手術日の予約をする。
- 4手術日
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点眼麻酔と瞳孔が開く目薬の投与が終わったら、いよいよ手術だ。術前準備に2時間、手術自体は両眼で20分、術後観察に30分ほどの合計3〜4時間の手術となる。眼圧が上がり頭痛が出るケースがあるので、鎮痛剤などを処方してもらう。術後はしばらく視界がにじんで見え、瞳孔も開き気味なので公共交通機関で帰宅する。当日夜から翌朝までには見え方も落ち着いてくるという。
- 5術後定期検査
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翌日、3日目、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後、半年後、1年後に経過観察に通う。視界がかすむのは目の中に炎症が起きているサインなので、定期検査以外でもできるだけ早く受診する。その後も、年に1度のペースで検査を受けるのが望ましい。ライフスタイルが変わるなどして見え方を変えたい場合は、レンズの交換を検討する。
自由診療費用の目安
自由診療とは眼内コンタクトレンズによる視力矯正手術:乱視なし/60万円、乱視あり/70万円