藤井 俊史 院長の独自取材記事
日本橋Fレーザークリニック
(中央区/日本橋駅)
最終更新日:2025/09/10

日本橋駅から徒歩2分に位置する「日本橋Fレーザークリニック」には、あざや傷痕、イボといったさまざまな皮膚トラブルの解決をめざし、国内外から幅広い層の患者が相談に訪れる。「美容観点だけでなく、身近な傷痕のケアにも有用な、レーザーを使った施術の幅をもっと広げたい」。そう話す院長の藤井俊史先生は、子どもには、将来を見据えて施術が必要かどうかを判断し、施術が不要なら丁寧に理由を伝え、真摯に対応するよう心がけているという。レーザーでの施術によって、クリニックに対するトラウマを感じさせたくない。そんな思いやりが伝わる、穏やかな語り口と柔和な笑顔が印象的な藤井院長に、こだわりや注力していることなどを聞いた。
(取材日2025年8月13日)
細かい疾患内容に合わせた、幅広い施術を提供
クリニックの特徴を教えてください。

当院は、患者さん一人ひとりの状態に合わせてレーザーでの施術を行っています。傷痕、しみ、イボなど、さらに細かく分けると数多くの施術があり、患者さんの状態も異なります。そのため、ただレーザーを当てるだけでなく、あざやしみの形、硬さなどの皮膚構造を把握し、該当するところに効率良く光を届けることを大切にしています。皮膚の状態は人によってさまざまなので、長年多くの患者さんを診療し分析した、経験とノウハウを生かして施術を行っています。また、当院の大きな特徴は、さまざまなレーザー機がそろっているため、複数のレーザーを組み合わせて施術を行うこともできる点です。使用している機器はパラメーター設定の自由度が高い物なので、患者さんの状況によって微妙に光を調節することも可能です。
開業15年で変化したことはありますか?
あえて変えたことは特にありませんが、徐々に変化が見られたと感じるのは、傷痕の施術をすることが多くなった点でしょうか。ケガをされた場合はもちろん、美容クリニックでの施術後の変化によるご相談や、セカンドオピニオンとしてご来院される方も増えたことが背景にあると思います。レーザーでの施術というと、美容系の施術がメインだと捉えている方も多くいらっしゃるかもしれませんが、一般的な施術として活用できることも多いんです。単純性血管腫、苺状血管腫といった赤あざや、異所性蒙古斑・太田母斑といった青あざは、保険適用の治療ができることもありますので、それをご存知の方がいらっしゃるようになったというのもあるかもしれませんね。
老人性血管腫のケアにおいてもこだわっている点があるようですね?

昔から知られている疾患ではありますが、当院のスタッフブログで取り上げたところ、多くの方からお問い合わせをいただき、それをきっかけに来院される方も増えました。「老人性血管腫」という病名には「老人」という言葉が含まれていますが、実際には年齢や性別を問わず発症する赤みを伴う疾患で、ご高齢の方よりも若い患者さんの来院が多いのが現状です。当院では、患者さんの症状に合わせて適切なレーザーを選定し、専門的な施術を行っている点が特徴です。老人性血管腫は皮膚の下に隠れていて目に見えない部分も多いため、そうした箇所にも的確にレーザーを照射することが重要です。もちろん個人差はありますが、適切な施術を行うことで、施術後に痕が残りにくく、見た目もきれいな状態を保てる可能性が高まります。
専門性の高い施術を求め、多くの患者が来院
専門性の高いクリニックとして注力していることはどんな点でしょうか?

当院が現在特に注力しているのは、「傷痕のケア」の幅を広げることです。傷痕にはさまざまな種類や部位があり、当院では一般的なものから稀少なケースまで、幅広く対応しています。当院の強みは、複雑で繊細な傷痕に対しても、専門的なレーザー治療を用いて対応できる点にあります。こうした技術を生かしながら、傷痕の治療にも力を入れ、より多くの患者さまに満足いただけるよう努めています。保険適用となる治療についても丁寧にご案内し、安心してご相談いただける環境づくりを大切にしています。
どのような患者さんが多く来院されますか?
最近は、色素沈着に悩まれている患者さんが増えている印象です。例えば、虫刺されをかきむしってしまい、その痕がなかなか消えずに色素沈着してしまった、というような日常的なきっかけで来院される方が多いです。また、イボに関しては、かなり重症になってしまった方や、珍しい部位にできてしまった方がよく来院されます。保険診療では液体窒素による治療が一般的ですが、何度も通院が必要になるため、「保険適用外でも早く治したい」と希望される方も少なくありません。イボの場合、見た目が気になったり、人にうつしてしまうのではと気にされることが来院の理由となることも多いので、日常生活での過ごし方や周囲への影響についても、しっかりとお話しすることで、患者さんの安心につながると考えています。
イボはどのようなタイミングで受診したら良いのでしょうか。

イボは放っておくと、だんだん広がり、数が増えてしまうケースもあります。首回りがザラザラしている症状などもそうですが、数が少ないうちやサイズが小さいうちに治療しておくことをお勧めします。そのほうが、治療回数もダウンタイムも少なく、治療費も抑えられることがほとんどです。イボはどうしても、一つ一つに対しての治療になるので、数が少ないうちに一度受診していただけたらと思います。体に悪さをしてしまうような、悪性の皮膚疾患の可能性がある場合は、すぐに大学病院の皮膚科をご紹介しています。そのため、初診のハードルを下げられるよう工夫を凝らしています。気になるイボができている方はお気軽にいらしてほしいですね。
自身の状態をよく知り、自分に合ったケアを
気を配っていることや大切にしていることをお聞かせください。

施術に不安をお持ちの方や、仕事や日常生活への影響を気にされている方も多いので、丁寧にわかりやすく説明し、ご納得いただいてから施術に臨んでもらうことを大切にしています。当院では、施術方法や回数、費用はもちろんのこと、ダウンタイム、考えられる副作用やリスク、日常生活の制限、施術の費用以外にかかる費用といった、細かい点までを口頭だけでなく、「治療内容説明書及び治療同意書」にして私の署名をつけ、患者さんにお渡しするようにしているんです。また、施術をやりすぎないことにも気を配っています。レーザーでの施術期間はケースによって違いますが、例えば傷痕の場合、2ヵ月に1度の施術を最低3回はご継続していただき、患者さんに満足していただいた際や、施術の限界まで達したところを終了地点にしています。
取り組みたいことやめざしたいことはありますか?
目に見えているものがケアの対象ですが、見えているのに光がうまく届かない場合や、もっとこういう光があれば良いのに……と、技術や機械が及ばない時には歯がゆさがあり、レーザーによる施術の難しい点だと思うことがあります。しみに関しては、ほとんどはきれいに消すことが見込めるのですが、中には茶色いあざの扁平母斑や黒いあざの母斑細胞母斑など、何度も再発する種類のものも存在しますので、それに対するケアは課題だと思っています。再発を防ぐために何か工夫ができないかと常に模索し、これからも取り組み続けます。
読者の方々にメッセージをお願いします。

医療機関選びを慎重に考えてほしいとお伝えしたいです。イメージや施術名、機械名などで「これをやってみたい」と言う方もいらっしゃいますが、それはお勧めしません。肌状態や状況は人それぞれ異なり、他人の事例を見ても同じ結果になるとは限らないため、当院では他の患者さんの術前・術後の写真はお見せしません。まずはご自身の特質を知った上で、お悩みに対してどのようなアプローチが適しているかをご提案します。例えば、過去に他の医療機関で受けた施術の縫合の痕に納得されていない場合、縫合痕が目立つから薄くしたいといったことならわかりますが、ただ傷痕の形が気になるという場合は、人それぞれ気になり方も違うので、どのような状態をめざしたいかを明確にすることを大切にしています。一番に思うことは、とにかく納得して施術を受けていただきたいということです。少しでも気になる点がある方は、気軽にお話にいらしてください。