井上 玲奈 院長の独自取材記事
レナデンタルクリニック
(中央区/銀座駅)
最終更新日:2025/08/18

銀座駅C3出口から徒歩3分の好立地にある「レナデンタルクリニック」。開業20周年を迎えた2024年5月に移転した院内は、天井が高くて開放的。格子で仕切られた和モダンなテイストの半個室と、大きな窓から銀座の街並みを望める完全個室を備え、落ち着いた空間でリラックスして治療を受けることができる。開業当初から「全身の健康から全身の美へとつながる歯科診療」をめざしてきた同院では、むし歯や歯周病の治療だけでなく、噛み合わせや睡眠時無呼吸症候群の治療、小児の口腔育成にも注力。乳幼児から高齢者までさまざまな世代の患者の健康をサポートしている。「お口だけでなく、全身のバランスを視野に入れた治療をご提案しています」と話す井上玲奈院長に、クリニックの特徴や診療方針などを聞いた。
(取材日2022年3月1日/再取材日2025年2月27日)
全身の健康にも影響する噛み合わせの治療に尽力
クリニックの特色をお聞かせください。

当院は「口腔全体の健康が全身の健康につながる」という考えのもと、全身の健康から全身の美へとつながるような歯科診療をめざして2004年に開業しました。むし歯や歯周病の予防・治療はもちろん、噛み合わせを考慮した入れ歯治療など、多角的なアプローチでお口と全身の健康をサポートしています。2024年5月には、20周年を機に現在の場所へ移転しました。以前は2フロアだった診療スペースを1フロアに集約したことで業務の効率が向上し、患者さんにもより快適な環境を提供できるようになったと感じています。内装は、天井の高さや大きな窓を生かし、診療スペースの仕切りに格子を取り入れるなど開放感のある空間になるよう工夫しました。歯科治療は楽しいものではないかもしれませんが、少しでも前向きな気持ちになっていただければうれしいですね。
口腔の状態は全身の健康に影響するのですか?
はい。歯周病が糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞といった全身の病気と深く関係していることはよく知られています。また、噛み合わせが悪いと、口の中の空間に影響して舌が適切な位置に収まらない場合があります。そうなると舌は下へ後ろへと落ち込み、鼻呼吸がしづらい環境になっていきます。口呼吸になると感染症にかかりやすくなるなどのデメリットが生じることもあります。また、噛み合わせの悪さから顎の位置がずれると、そのずれが体の軸や姿勢のゆがみに影響して、全身の不調につながることも考えられます。当院では、噛み合わせの悪さによって呼吸に問題が起こったり、顎全体のずれが体のゆがみを進めたりする可能性に着目し、噛み合わせの治療や口周りの筋肉の調整を行い、呼吸の改善や健康の維持・回復につなげていければと考えています。
どのような方が受診されているのでしょうか。

近隣にお勤めの30~50代の方が多いですね。むし歯治療やクリーニングを目的に受診される方のほか、ホームページやSNSで当院が噛み合わせの治療に力を入れていることを知って相談に来られる方もおられます。開業当初はむし歯の治療だけを希望される方が中心でしたが、口腔と全身の健康の関係をお伝えする中で、「顎や噛み合わせのバランスも診てほしい」と考える方が増えてきたように感じています。また、当院ではお子さんの口腔機能を健康に育てる「口腔育成プログラム」にも力を入れており、就学前のお子さんも来院されています。さまざまな世代の患者さんが生涯にわたってお口と全身の健康を保っていけるよう、お一人お一人に合った治療を提案していきたいと思っています。
保護者と協力して子どもの口腔育成をサポート
小児の口腔育成について教えてください。

むし歯は減った一方、不正咬合や口呼吸、いわゆる「ポカン口」の子どもが増えたという話を聞いたことがある方もおられるでしょう。これは食べる、話す、呼吸するといった口腔機能が十分に発達していない口腔機能発達不全症にあたるとされています。さらに口腔機能発達不全症は歯並びや噛み合わせの乱れを伴うこともあり、当院ではこうした状態の改善をめざして、口腔育成を行っています。噛み合わせや顎を適切な位置へと導くなどの調整によって、口腔や顎の正常な発達を促して歯並びや噛み合わせの乱れを防ぐ効果が期待できます。お話ししたように顎の位置は姿勢や呼吸とも関係しますから、子どものうちから噛み合わせや顎の位置を整えることは、体の機能や姿勢を正しくすることにつながり、体や脳の発達にも良い影響が期待できるのではないでしょうか。
家庭で口腔機能の発育を促す方法はありますか?
お口の周囲への刺激が少ないことが口腔機能の発育不全の一因といわれます。ご家族が衛生的な指で赤ちゃんの唇や口周りを触ってあげるなど、刺激を与えることも大切だと思います。また、乳児期の母乳を吸うという行動は口周りや顎の筋肉の発育に良い影響を与えます。哺乳瓶で授乳する場合、赤ちゃんが口周りの筋肉をあまり使わずに飲めてしまうこともあるため、できるだけ母乳に似た運動ができる人工乳首を選んでいただきたいですね。歯が生えてきたら前歯を使って齧ることがとても大切です。十分に筋肉を使って顎の発達を促すことが、口呼吸や歯並び、噛み合わせの乱れの予防・改善につながりますので、ご家庭でもしっかりと発達を促してあげてください。
睡眠時無呼吸症候群の治療にも注力されているそうですね。

はい。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に舌を支える筋肉が緩み、下顎が下がって気道が狭くなることが原因の一つです。医科で睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんに対して、マウスピースによる治療を行っています。マウスピースの装着により下顎をわずかに前に出た状態で固定し、気道を広げて呼吸しやすい状態に導きます。ただし、下顎の骨が小さい、後方に下がっているなど骨格的な問題がある場合は、外科的な矯正治療をお勧めすることもあります。無呼吸状態が続くと睡眠の質が低下し、日中の強い眠気や疲労感が生じるだけでなく、高血圧や心疾患、脳血管障害のリスクも高まります。いびきを指摘された、寝ても疲れが取れないと感じている方は、どうぞご相談ください。
健康と美を歯科学的な面から追求するため歯科医師に
その他、力を入れている治療はありますか?

歯列矯正にも力を入れており、一般的なワイヤー矯正のほか、マウスピース型装置を用いた矯正にも対応しています。当院では「歯をきれいに並べる」ための矯正だけではなく、できるだけ骨格を意識し、適切な顎の位置・噛み合わせに導いていくことにも重きを置いています。そのため、前後左右の2次元ではなく、上下も含め3次元的に歯を動かす目的の矯正をご提案しています。また、親知らずの抜歯を提案することはありますが、それ以外は極力、非抜歯での矯正を心がけています。
先生が口腔と全身の関係に着目されたきっかけは何でしたか?
もともと健康と美、特に口腔と全身の関係にとても興味を持っていました。歯科医師をめざしたのも、健康と美しさを歯科学的な面から追求しようと思ったのがきっかけです。患者さんには今の状況だけでなく、将来起こる可能性のあるトラブルについてもわかる範囲でお話しして、それを避けるために今からできることは何なのかを丁寧にアドバイスしています。もちろん当院で治療した歯は、できるだけ良い状態で長くキープできるようにメンテナンスも重視し、皆さんが一生幸せに暮らせるようサポートしていきたいと思っています。
休日はどのように過ごされていますか?

小さい頃から和太鼓をずっと続けていて、時間が許せば練習やイベントに参加しています。始めたきっかけは、地元の子ども会の和太鼓の会に参加したことでした。中学校を卒業すれば子ども会からは抜けるのですが、私は和太鼓をずっと続けたくて、大人になっても参加できる会を仲間と一緒に立ち上げたのです。和太鼓は体を思いっきり動かすのでリフレッシュできますし、仲間たちと息の合った演奏ができたときはとても気持ち良いですよ。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
お口の中の健康を維持することは、さまざまな病気にかかるリスクの低減につながり、ずっと悩んでいた症状や体調不全が噛み合わせを整えることにより改善に向かうきっかけになることもあります。口は命の入り口です。歯科クリニックは歯やお口の中が悪くなってから行くのではなく、体全体の健康をキープするために行く所だと考えています。健康であることを確認するために、ぜひ歯科での定期検診を習慣にしていただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは噛み合わせ審査(口腔全体)/3万3000円、歯列矯正/(部分)33万円~、歯列矯正(全体)/121万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/33万円~、小児口腔育成/11万円~、ホワイトニング(2回セット)/4万4000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。