小池 道子 院長の独自取材記事
銀座プリマ・クリニック
(中央区/銀座駅)
最終更新日:2025/06/17

都内で乳腺疾患を専門とするクリニックとして、1998年に開業した「銀座プリマ・クリニック」。銀座の中心地にありながら、飲食街やビジネス街からは1本中に入った通り沿いにあり、周辺には古き良き銀座の情緒が残る。銀座駅からも東銀座駅からも徒歩5分とアクセスが良く、女性1人で通いやすいのもうれしい。立地の選定からも、「気軽に乳房のことを相談できる場所をつくりたい」と「女性による、女性のための診察」を掲げて開業した小池道子院長の思いの強さが伝わってくるようだ。障子風の窓から差し込む外光の下でゆったりとした椅子に腰かけて診察を待ち、小池院長の屈託のない明るさに触れる時間は、病への不安や悩みを抱える中でも心地良く、前向きな気持ちを与えてくれるだろう。同院の診療や患者への思いなどを小池院長に聞いた。
(取材日2025年4月14日)
通いやすく、相談しやすい乳腺専門クリニック
アクセスが良く、通院しやすいですね。

検診を兼ねて気軽に受診できて、必要に応じて適切な医療機関への橋渡しをしてくれる。乳腺疾患を専門とするそんなクリニックをつくりたくて、1998年に当院を開業しました。乳腺は、その性質上、疾患の発見や治療が遅れがちです。まず、生活の中で乳腺が必要になるのは主に妊娠期間と育児期間で、普段は意識することがあまりありません。それに加えて、乳腺の症状は周りの人に察してもらいにくく、気軽につらさを訴えるのが難しい部位でもあります。乳腺が腫れたり痛んだりしても、「おっぱいの調子が悪いので、休みたいです」とは言いづらいですよね。風邪のように傍目に見てもわかりやすい症状が出るわけではないので、周りが察して受診を勧めることもまずないでしょう。だから、会社帰りや、買い物ついでにふらりと立ち寄れる場所を選びました。
気になる症状があっても、大規模病院はハードルが高いという方にもうれしい環境です。
それも、開業のきっかけの一つです。私が開業した当時、都内で乳腺疾患を専門とするクリニックはほとんどなく、乳腺に異常を感じたら大学病院や総合病院の乳腺外科を受診するのが一般的でした。大規模病院は待ち時間が長かったり、紹介状が必要だったりして、どうしても受診のハードルが高くなりますよね。東京大学医学部附属病院や癌研究会附属病院(現・がん研究会有明病院)などで勤務していた頃、受診を躊躇したり、途中で足が遠のいたりして状態が悪化する方をたくさん見てきました。「もっと気楽に気になることを相談できる、外来中心のクリニックが身近にあれば苦しむ患者さんを減らせるのに」と思ったことが、開業につながりました。
清潔で、家庭的な内装もすてきですね。

温かみに欠けた無機質な空間にいると、緊張がほぐれず、受診することがつらくなってしまいます。患者さんがリラックスして順番を待ち、心を開いて話をしやすいように、内装にも気を配りました。検診を目的に昔の仲間同士で連れだっていらして、密やかに待合室で会話に花を咲かせている……なんて様子もたまに見かけますね。一人でいらした方も、窓側のソファーなど、落ち着く場所を見つけて思い思いにくつろいでいただけているようです。診察時には、世間話でコミュニケーションを取るなど、相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。お子さんの話や仕事の話、人に言えない愚痴を言って帰っていただいてもいいのです(笑)。友達の家や実家のような気安さを感じてもらえたらうれしいです。
「女性による女性のための診察」がモットー
検査中、「何かあったらどうしよう」という不安が大きくなるのがつらいという声も聞きます。

そうですよね。横になり、じっと黙って検査をされている時の不安や怖さは、私もよくわかります。超音波の画面が見えても、そもそも何を診るための検査なのか、白っぽいところや線が何を示しているのかがわからない方も多いのではないでしょうか。私が検査をするときは、超音波で何がわかるのかをまず説明し、画面に見えているものを解説しながら検査を進めるようにしています。乳がんができる場所や、痛みを感じるのが筋肉や肋骨であれば乳腺の病気ではない可能性が高いことなどを説明すると、自分の体の仕組みと検査の内容が理解できますよね。もちろん、疑問に思ったことは、その場でどんどん質問していただいて構いません。
先生を含め、スタッフさんは全員女性だそうですね。
事務スタッフをはじめ、マンモグラフィの検査技師さん、内臓病変のスクリーニングのための超音波検査をする検査技師さんも全員女性です。女性の体を診るクリニックですから、「女性しかいない」ということは一つの安心材料になるでしょうし、話しやすい雰囲気づくりにも一役買っていると思います。私が医師になった頃、乳がん診療を担当する医師はほぼ男性でしたが、ある時「女性の先生で良かったわ」と言っていただいたことがありました。人を助けて喜ばれる仕事がしたいと思って医師の道に進み、薬ではなく自らの手で治療ができることに魅力を感じて外科を選んだ私に、その一言は自信を与えてくれました。自分の選択には、社会的な意義があるのだと実感することができたんです。これからも、女性による女性のための診察を続けていきたいと思っています。
病気が見つかったときの告知について、お考えをお聞かせください。

患者さん自身の体のことは、どんなことでも患者さん自身に決定権があります。ほとんどの患者さんは「結果がどうあれ、自分の体について知っておきたいから話してほしい」とおっしゃいますが、中には知りたくない方もおられます。それもその方の選択ですから、ご本人以外にお知らせする方をお聞きし、こちらの意見を押しつけることはありません。私にできるのは、がんがどういう病気なのかをわかりやすくお伝えし、後悔のない意思決定や治療選択ができるようサポートをすることです。
術後の長い人生を健やかに。フォローアップに注力
乳がんは、術後も長くフォローしていく必要がありますよね。

そのとおりです。当院でがんが見つかった場合、患者さんが持病を診てもらっている病院の乳腺外科や、ご希望の病院にご紹介して手術をするか、連携している病院で私が手術をするか選ぶことができます。そして、手術して終わりではありません。定期検診と再発予防を10年、20年と続けていくことが重要です。近年は検診のレベルが上がり、乳がんを早期発見・治療してフォローアップに回る患者さんが増えてきました。大規模病院の中には、フォローアップまで手が回らないケースも少なくありません。今後は、身近で受診しやすい当院の利便性を生かして、大学病院や総合病院で治療を終えた方の術後フォローにより力を入れていきたいと思っています。転院の方には、それまでの経過やご希望を伺い、納得できる治療を提供していきたいですね。
検診や健康管理について、読者にアドバイスをいただけますか。
最近は、サプリメントの過剰摂取が気になっています。体に良いといわれると試したくなるのはわかるのですが、「取れば取るほど良い」とエスカレートしたり、何種類ものサプリメントを無差別に試したりするのはお勧めできません。インターネットの広告などには真偽が不明なものも含まれていますから、ぜひリテラシーを高めて、自分に必要なものを必要なだけ取るようにしていただきたいと思います。「これでいいのかな?」と思ったら、ぜひ相談してください。検診については、30代からを基本として、近親者に乳がんを患った方がいる場合は20代後半から受けていただくと良いと思います。最近では、卵巣がんや膵臓がんの家族歴も乳がんの発症に影響することがわかってきましたから、早いうちから定期的に検査を受ける意識を持ちましょう。素手で乳房を触り、しこりの有無をチェックする自己検診もぜひ行ってください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

現在、乳がんを確実に予防できる方法はありません。しかし、乳がんはしこりなどから早期に発見をすることもできる病気です。普段から自分の乳房に関心を持って自己検診をし、定期的に医療機関の検診を受けていれば、たとえ乳がんが見つかっても完治をめざせる病気なのです。病気や検査に関する根拠のないうわさを信じて、受診をためらって進行させてしまうのはとてももったいないこと。正しい知識を持って、自分の体を守りましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは【銀座プリマ・クリニック 乳がん検診のご案内】
※夜間早朝等加算: 平日18時以降・土曜午後・祝日のご予約は、下記金額に550円加算あり
■3項目(マンモグラフィ・超音波検査・視触診)
30歳代まで 9000円
2人まとまって検診 8500円/人
3人以上 8000円/人
40歳以上 1万円
2人まとまって検診 9500円/人
3人以上 9000円/人
■2項目(超音波検査・視触診)
初回及び40歳以上 7000円
30歳代まで(再診)6500円
※お支払いは現金のみ