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岩垂 純一 所長の独自取材記事

岩垂純一診療所

(中央区/銀座駅)

最終更新日:2020/04/20

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目ぬき通りを一本入った銀座らしい街並みの中にある「岩垂純一診療所」は、2006年の開業以来、肛門の病気に悩む人たちを救ってきた。30年にわたって総合病院で診療に携わった後、効率を求められ1日数百人の患者を診療していくよりも、患者と向き合いじっくりと質の高い医療を行うという理想を実現する道を選んだ岩垂純一所長。完全予約制の自由診療で、時間をかけて患者の悩みと向き合い、満足度の高い治療をめざしている。日本全国のみならず、海外から訪れる患者も多い。「恥ずかしい、怖い、誰にも言えないという悩みを抱えている人にきちんと寄り添い、治してあげたい」と話す岩垂所長に、日々の診療や患者への想い、また、自身が理事長を務める日本臨床肛門病学会の取り組みについても話を聞いた。
(取材日2018年8月23日)

患者とじっくり向き合う、自身の理想の医療を実現

開業される前のご経歴や開業された経緯を教えてください。

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開業するまで30年近く、社会保険中央総合病院(現・JCHO東京山手メディカルセンター)の大腸肛門病部門に勤務し、いわゆる総合病院の中の肛門科の診療を行っていました。当時はテレビの健康番組などで肛門の病気について解説していたこともあり、全国から患者さんが来られている状況で、1日200人から300人の方を診療、待ち時間が4時間になってしまうこともありました。そのような中、定年間近となり、部門長も務めたことで総合病院での診療はやり尽くしたと感じました。そこで、これまでやったことのない医療をやってみようと、2006年に銀座で開業しました。

まるでエステサロンのようなすてきなインテリアですね。

肛門の病気には恥ずかしいという思いが伴ったり、人知れず悩む人も多くいます。内科だとどんな治療をするか想像がつくかもしれませんが、肛門の診療は、ちょっと想像のつかない、得体の知れない治療というイメージから恐怖心が膨らんでしまうこともあるため、まず考えたのが医療の現場から外れた色使いでした。美容室やエステサロンのように木目と間接照明、そして床にはじゅうたんを敷きラグジュアリーでリラックスできる空間にしました。一般的に診療所というとブルーや白、ピンクで統一され清潔第一というのが前面に出ているでしょう。でも、それ以上に診療を受ける時の雰囲気が大切だなと思い、待っている間にも嫌な気分になることがないように工夫しました。

診療スタイルにはどのようなこだわりがありますか?

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じっくり一対一で話をする機会をつくるということです。効率を考えると先に患者さんにベッドに寝ていただいた状態で初めて話をするということになるのですが、おしりを出したままでは患者さんは落ち着いて説明を聞くこともできないはず。そこで当院ではカウンセリングルームを設置し、初めて来た人は必ずその部屋で問診をします。電子カルテには直接、絵や文字が記入でき、診察後は結果を動画で見ながらじっくりと説明していきます。流れ作業のような診療ではなく、一人ひとりの患者さんと向き合うこのスタイルは、自由診療だからこそできること。かつて1日に何百人もの患者さんを診るため1分間診療を続け、1日数十例もの手術をやってきた経験があるからこそ、じっくり医療に取り組む必要性を感じ、それをやるために始めたのがこの診療所なのです。

日帰り手術で、患者の負担を軽減

こちらでは日帰り手術に対応されていると伺いました。

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保険診療での肛門の手術の場合、腰椎麻酔を用いるため、麻酔が冷めた後、しばらく歩けなくなる、頭痛が起こる、おしっこが出にくくなるという症状が生じる場合があるため入院が必要になります。しかし、患者さんは、仕事、子育て中や授乳中、介護などで、長い日数家を空けられない人がほとんど。そこで当院では、麻酔を専門にする医師が全身麻酔を行い、その間に約40分かけて私が手術を行います。そうすると目が覚めた時には手術がすべて終わっているので、痛みや苦痛をあまり感じずに済み、皆さん晴れ晴れとした顔で帰っていきます。そういう心身ともに負担の少ない治療をめざしています。

患者さんはどのような方が来られていますか?

患者さんは全国からやってきます。自由診療ですから手術費用もそれなりにかかるのですが、北海道や九州から飛行機に乗って来られる方はもちろん、海外からの患者さんも多いですね。中国から通訳つきで来られる人や、日本に帰国した際に手術を受けに来られる海外在住の日本人の方、イタリア人の女性を日帰りで治療したこともあります。男女の比率は1:1。女性は来院するまでは相当悩まれるようですが、いざ治療となると女性のほうが度胸がありますね。

日々の診療で心がけていることは何ですか?

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当院の患者さんは長年苦しんでここにたどり着く人ばかりですね。今までいろいろと治療を受けたけれどうまく治らなかった人が、最後の駆け込み寺としてやってくるわけですから、いかに患者さんの悩みをとらえ、治療をしてあげられるかが大切です。それは裏を返せばいかに肛門の診療が難しいかという証なので、それだけ難しい病気なんですよ、ということを説明しながら治療を進めています。そもそもこれまで受けた治療で満足できなかったのは正しく治療されていないだけでなく、詳しい説明がなかったり、術後うまくいっていない理由の説明がなかったり、時間をかけてもらえなかったからだと考えられます。その点、当院では時間はたっぷりかけられるので、なるべく何に悩んでいるかに応えてあげるように心がけています。

肛門の病気でつらい思いをしている人の最後の砦に

先生自身の充実感は勤務医時代より今のほうが大きいのでしょうか?

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今は勤務医時代よりかえって大変です。というのは、バックに大きな病院がありその病院の診療科のトップだというだけで誰もが一目置きますが、一開業医となるとそうはいかない。なおかつ、高額な自由診療を受けようと思った人をいかに満足させるかということを考えると、勤務医時代よりもはるかに集中力を要し、本当に大変な毎日です。大規模な病院で、「何とか治してください」とやってくるたくさんの人を自分の力で治療していくのも一つの喜びですが、今は、「私が治させていただきます」という姿勢ですね。開業の先生はみんなそのような気持ちで目の前の患者さんと向き合っているのだと思います。

先生は肛門疾患という専門領域について、危機感を抱いておられるそうですね。

現在、肛門疾患の診療を行う医療機関は全国各地にあり、それに関わる医師も相応数いるのにもかかわらず、肛門疾患を主とする医師となるとかなり限られてしまっている状況です。またそれに加えて、2018年からの専門医制度により、肛門領域の専門性が認められない、「肛門科」自体が消滅してしまうかもしれない危機にさらされています。ものすごく困っている人も多いポピュラーな病気であるにもかかわらず、「肛門科」がなくなるかもしれないのです。そういった状況に危機感を感じ私自身が理事長として設立したのが日本臨床肛門病学会です。日本の肛門病診療は何十年もかけて発展し、その専門性を増してきました。その専門性を継承、発展させていくため、同学会は積極的に活動しています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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前述の日本臨床肛門病学会をなんとか軌道に乗せていきたいです。今後肛門専門の医師をどうやって育てていくかが課題です。肛門疾患の病気は手術の後遺症も多いため、高い専門性と経験が必要です。私が立ち上がらないと、これまで頑張ってきたことがすべて無駄になってしまいますからね。肛門の病気でつらい思いをしている人、過去の治療で満足がいかなかった人はぜひ当院にお越しください。そういった方の最後の砦としてじっくりと時間をかけて診療をしたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

初診料/1万円、日帰り手術/30万円~

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