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山本 欣正 院長の独自取材記事

山本歯科医院

(杉並区/代田橋駅)

最終更新日:2020/04/01

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笹塚駅前のにぎやかな商店街を抜け、歩くこと10分ほど、約70年の歴史を持つ「山本歯科医院」がある。ぬくもりを感じさせる昔ながらの歯科医院という院内だが、3代目の山本欣正院長はデジタルエックス線、CCDカメラなど充実した設備を生かして、虫歯、歯周病、食いしばり・歯ぎしりなどトータルに診療している。患者への感謝の気持ちから、診療を終えた患者の荷物を持ち、毎回見送るのを欠かさない山本院長。そのホスピタリティーの高さに信頼が寄せられ、近隣だけでなく遠方から通う患者も多いそうだ。「仕事が趣味。患者さんとお話しするのが楽しいんです」と朗らかに笑う山本院長に、歯科医師をめざした理由、治療で心がけていること、患者とのエピソードなどを聞いた。
(取材日2012年11月27日、再取材2018年9月4日)

細かく丁寧な生活指導で、患者の健康を支え続ける

開院の経緯をお聞かせください。

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ここにはもともと祖母の家がありました。九州から出てきた祖父と結婚し、祖父が歯科医院を開業したんです。父が後を継いでから約70年がたちました。最初は平屋で、40年ほど前に建て替えたのですが、その時も地元の患者さんの要望に添って、開院当初からの雰囲気は極力残しました。待合室にある熱帯魚が泳ぐ大きな水槽は父の趣味です。お子さんに大人気ですね。僕は大学卒業後、3年間大学の歯周病科に残り、その後2軒の歯科医院での勤務を経て、1998年に戻ってきました。この辺りの風景は昔と変わらず、生まれ育ったこの町への愛着は深いです。

どんな患者さんが多いですか?

全顎治療を基本とする当院では、ご自身が気づいていない疾患もしっかり見つけ出し、病気の進行を食い止めるために早めの処置を行うので、治療期間は早い方でも半年はかかります。しかし皆さん最後まで通ってくださるので本当にうれしいですね。飛び込みの方は少なく、メインはご紹介で来る患者さんです。近燐の方が6割、千葉や横浜といった遠方の方が4割。特にセラミックや入れ歯の治療で紹介の輪が広がっているみたいですね。僕が以前の勤務先で診ていた患者さんや、引っ越されて行った患者さんも通い続けてくださっています。一番古い方は、僕が大学病院にいる頃からのお付き合いなので、もう20年以上になるんですよ。患者さんとは仕事を忘れて、個人と個人としてコミュニケーションを続けているので、親子より絆が深いかもしれませんね。

歯科医師になったのはご家族の影響ですか?

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祖父や父が朝8時から夜9時まで診療にあたる姿を見ていたので、歯科医師は大変な仕事だと腰が引けていました。他になりたい職業もなく歯学部に進みましたが、敷かれたレールに乗っているような反発もあり、どこか冷めていました。大きく変わったきっかけは、大学3年生の時に祖父が亡くなったことです。祖父がしていた総入れ歯を、自分が作ってあげられなかったという悔しさが残りました。そして尊敬する祖父、父が築いたこの歯科医院を潰すわけにはいかないという覚悟が芽生えたんです。以来、歯科医師の仕事に本気で打ち込むようになり、人の目を見て話せない性格もガラっと変わりました。さらに臨床を手伝うようになってからは、患者さんとのお付き合いががぜん面白くなりました。歯周病科にいた大学時代には、治療15分で残り2時間45分ずっとお話ししていたこともあります(笑)。

10年、20年通い続けてくれる患者の信頼に応えたい

気になる疾患はありますか?

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食いしばりは増えています。皆さん自覚症状はないですが、歯型を採って模型を作ると、歯の削れ方で歯ぎしりしているのは一目瞭然ですし、顎の筋肉を触診すると凝っている側が決まっています。そして、やはり姿勢が悪いのが問題ですね。壁に立った状態を写真に撮ると、左右の肩の高さが明らかに違います。かばんをいつも同じ肩にかけていたり、つい猫背になったり、パソコンに向かっているとどうしても右肩が落ちてきます。こういった生活習慣による体の歪みが顎を歪め、食いしばりを引き起こすことがあるのです。

食いしばりの治療法を教えてください。

現在の状態を説明した上で、マウスピースを使った治療をお勧めします。開始後2週間後、1ヵ月後と診ていくと、完治は無理でも、症状の軽減につながります。食いしばりによって1本の歯に力がかかると、それだけ骨の溶け方が早くなり歯周病を悪化させかねません。ですから、口の中だけを直しても駄目なんです。姿勢を正すと歪みが解消され、血流も良くなり、免疫力も高まるといわれます。食生活、睡眠時間が乱れるとホルモンバランスが崩れ、免疫力を下げることがあるので気をつけていただきたいです。

生活習慣改善についてはどんな指導をされていますか?

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生活習慣を治すのは難しいですが、一矢を報いることはできます。まずはストレッチ。肩を肩甲骨ごと前後に回します。猫背だと肩は回らないので、回そうとすると自然に背筋が伸びます。また、壁にかかとと背中を押しつけて、後ろ向きに5分ほど立ってみます。例えば、右に傾いている場合は左側が張ってくるので、それを微調整して楽に立てるところが正しいバランス。そのまっすぐ立てる姿勢を普段から意識するように促し、歪みがひどい場合は整骨院を受診するようお勧めすることもあります。目の疲れも食いしばりにつながるので、目の周りの筋肉をほぐしたり、温めて血液の循環を良くしたりするケアも有効的です。これだけでも食いしばりは軽減できると思いますので、やるやらないに関係なく、生活習慣の歯への影響を意識していただくことが目標です。

患者の満足を最優先に、時間をかけて向き合う

治療の際に心がけていることを教えてください。

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できるだけ患者さんとお話しする時間を取って、垣根なく接することです。初診では「この虫歯だけ治して」という方にも、エックス線やCCDカメラで撮った画像、模型をお見せしながら、トータルに治療してしっかり噛める歯を維持できれば、全身の健康にもつながることを説明します。「じゃあ、全部治して」とご納得いただければ治療開始です。保険診療がメインですが、希望があれば一部保険外診療にも対応し、オーダーメイドの治療を提供しています。重視するのは、最後まで無理なく通っていただくこと。そのためには相性も重要な要素です。最初にお会いした時に、印象の7割以上が決まるといわれますね。話し方、声のトーンや質をその方に合わせて変えていくことで、話が通じるようになるんです。ベースは変えませんが、せっかちな方には説明を必要最低限にとどめますし、歯科に不安をお持ちの方なら一から説明します。

印象に残っている患者さんはいますか?

勤務医時代、2年間無料でカウンセリングを続けた方がいました。過去に受けた治療がトラウマになったようで、歯科に対する恐怖を取り除くために、同じ質問に何度も答えて、やっと1本だけ治療したんです。患者さんもよく我慢したと思いますよ。その後も通い続けて、最終的に26本も治しました。患者さんの気持ちを察してこちらから寄り添い、時間をかけて対応すれば人は変わるという学びになりました。もう一人は、20年間毎月欠かさず来てくれる患者さんです。僕が大学の歯周病科で治療をはじめた頃に出会い、以来メンテナンスに来られるので、けがや入院などいろいろなストーリーがあるんです。歯の調子が急に悪くなると、その時に親御さんの介護をされていたり、お子さんの結婚式で忙しかったり。疲れている、ストレスがたまっていると歯を見ればわかるようになったのも、その方のお陰。ずいぶん勉強させていただいています。

今後の展望を教えてください。

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地域に根差して診療していきたいです。昔から僕を知る方は「山ちゃん」と呼んでくれますし、幼かった患者さんが大きくなったり、お子さんやお孫さんを連れていらっしゃったり、患者さんも3代目になってきました。友人をたくさん紹介してくれたり、「あの歯医者さんはお勧めよ」と言い回ってくれている方もいます(笑)。当院に通うのを毎月の楽しみにされている方もいて、皆さんの期待を裏切らないよう頑張りたいですね。また訪問診療も月2回のペースで実施していますが、引き続き取り組んで、地域の高齢化に対応していきたいです。杉並区は歯の健康推進が活発であり、区民の意識も高く、当院にも多くの方が検診を受けに来られます。そのまま治療を受け、完治した後も約9割がメンテナンスに通われているんですよ。皆さんも健康で長生きするために、頑張って歯科医院に通ってくださいね。

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