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千木良 まこと 院長の独自取材記事

ちぎら医院

(杉並区/西荻窪駅)

最終更新日:2021/10/12

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乳幼児の診療から看取りまで、地域になくてはならないかかりつけ医として、近隣住民から信頼を得ている「ちぎら医院」。1932年に祖父が西荻窪の地に開院し、3代目の千木良まこと院長は「白衣は威圧感があるから」という理由で普段着のまま診察し、患者の話を聞く間も決して笑顔を絶やすことがない。一般診療を行いながら、2008年からはクリニック2階に病児保育室「ラビットルーム」を開設し、働く親をサポートしている。患者の人生に寄り添い、薬や検査を最小限にして「幸せに生きる」ことをサポートする医療を実践する千木良院長に、かかりつけ医としてのやりがい、病児保育や自身が考案したダイエット法などについて語ってもらった。

(取材日2018年11月14日)

地域の家族全員を見守るホームドクターでありたい

3代目院長として大事にされていることは何でしょうか?

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昔から変わらないのは、地域の皆さんの「ホームドクター」でありたいという思いです。お子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、家族全員を診られる医師が理想です。例えば、親御さんも診ていれば、お子さんのアレルギー体質も想像しやすかったりします。家庭環境も含め、全体を見てなんとなくわかっていると、必要以上の検査や薬は望まないなど、そのご家庭が望む治療もわかりやすかったりします。内科・小児科・皮膚科を標榜していますが、眼科も耳鼻科も泌尿器科も、何か具合が悪ければ、なんでも気軽に相談できるクリニックでありたいと考えています。何科を受診したらいいのかわからないといった相談も、まず当院で診て、必要性があれば適切な医療機関へご紹介しています。

先生にとって、地域に密着した医療の醍醐味とは?

子どもの時に診ていた患者さんがもう成人していて、もう少ししたら結婚して子どもを連れて来てくれるかもしれない。そしてお父さん、お母さんだった方がおじいちゃん、おばあちゃんになってね。そうやって家族をずっと見守っていけたらいいなと思っています。その中で「この子、無事にこんなに大きくなりました」とか、「先生、私を看取ってください」「任せといてね」といった会話があって、それがうれしいですよね。看取りは時々ですが、やはり最期は家で過ごしたい方がいらっしゃいます。今年も、以前お母さんを自宅で看取ったご近所の娘さんから、旦那さんが余命3ヵ月と言われたが、診てくれますか?と相談がありました。そんなふうに頼りにしていただけるのは本当にうれしいです。

なんでも相談できる「かかりつけ医」がそばにあると安心ですね。

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当院はスタッフも長く勤めていけるように、有給を自由にとれる体制にするなど居心地のいい職場になるよう努めています。長くいるからこそ患者さんの顔がわかって、成長もわかります。患者さんにとってもスタッフと顔見知りで「久しぶり」などと話せる安心感をもっていただけると思います。街で会っても、あいさつし合える。人の顔が見えているからこそ医療はうまくいくのではないでしょうか。患者さんのバックグラウンドもわかっていて、コミュニケーションがしっかりとれているといった意味での「かかりつけ医」かなと思います。

杉並区の病児保育施設として働く親をサポート

病児保育でも地域に貢献していらっしゃいます。

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2008年1月から病児保育室「ラビットルーム」を始めました。4人の保育から始めて、現在の定員は10人。キャンセル待ちが10人ぐらい入るのが常で、毎日約20人ほど予約が入っている状態です。2007年に杉並区から出た委託事業の公募に応募したきっかけは、園医を務めていた保育園で働くお母さんたちのご苦労を間近に見たことでした。風邪で熱が出ていれば保育園は預かってくれませんし、朝元気でも熱が出ればすぐに職場に連絡がいき、仕事の都合をつけてお迎えに行かなければいけない。そんな働くお母さん方のお役に立てればと始めましたが、本当は具合が悪い時に家で面倒を見てもらうことができない子どものための施設なんです。

病児保育室には隔離室もあるのですね。

隔離室は2つあり、今日は水疱瘡と溶連菌の子を預かっています。隔離室では保育士さんが1対1で見ています。普通の風邪ですと別の風邪はもらわないので一緒に保育してもうつりませんが、溶連菌の子は普通の風邪をもらってしまうので隔離しています。スタッフは看護士1人、保育士6人。子ども2人に対して1人のスタッフが必ず付く体制を整備しています。私は朝、夕方の2回回診し、子どもたちの状態を確認しています。

先生の診療方針を教えてください。

このごろは、「薬なしで、自然経過で大丈夫だよ」と言う医者が少ないと思います。クリニックに来るたびに検査をしたり、薬が増えたりして。うちはしっかり診断をつけた上で「大丈夫だよ、こんなの」と言える医師でありたいのです。医師は薬を出すのが仕事のようになっていますが、私はほとんど薬を出しません。特に、初めての発熱で赤ちゃんを連れて来られた場合は、本当に必要な時以外は、なるべく薬を出さないようにしています。最初に薬を出すと、病気は薬で治すものだとすり込まれてしまいますから。もともと人間は動物ですから、外界のウイルスや細菌に対して抵抗力があるので、薬を飲みたくない人には、治療をしないという選択肢もありなんですよ。「必要以上に医療が介入しなくても生きていける」「生きることが幸せになるように、ちょっとサポートするのが医療」というのが私の基本的な考えです。

いつからそのような方針に?

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病院勤務の頃は検査は当たり前、薬の量が増えていくのも普通だと思っていたのですが、開業して外から見た時に、自分だったらこんなに検査したり薬を使われたりしたくない、やり過ぎている部分はないだろうかと気づきました。私は薬を出さないかわりに安心感を与えるようにしています。「これは放っておいていいよ」「子どもは風邪をひくものだから、いま闘っているなと遠目に見ていれば勝手に治っていくよ」って。子どもに薬を飲ませたくない親御さんはたくさんいますよ。乳幼児期から通っている子のカルテを見て、この子は小学校に入るまで1度も抗生物質を使わなかったとわかると、「外界の変化に対して強い子に育ったかな」と、うれしくなりますね。

薬に頼らず強い体をつくるためにまい進

ご自身でダイエット法を考案し、本も出版されたそうですね。

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昨年9月に出版に至りました。このダイエット法は炭水化物をぐっと減らして、その代わりにたんぱく質と脂質をしっかり取って体をつくり変えようというもので、ダイエットだけでなく健康でいられることをめざしています。考案のきっかけは、診察する中で、体重をコントロールすれば、多くの成人病は予防できるのではないだろうかと考えたことです。私自身、21年前に開業した時、体重が70kgくらいあったんですね。体重さえ落とせば、こんなに薬にお世話にならずに済む、その方法を考案することが医師としてやらなくてはいけないことだと思い、約15年間、自分の体を使って試行錯誤して、ようやく「ストレスをためずに、しっかりやせる」ための方法にたどりつきました。自分で実践して生み出したダイエット法なので、大好きな西荻窪にちなんで「西荻式ダイエット法」と名づけました(笑)。

先生のご趣味はなんですか?

マラソンです。100km以上のマラソンに参加していて、2009年には名古屋城からスタートし、金沢の兼六園がゴールという『さくら道国際ネイチャーラン』で、250kmを28時間52分でゴールし、総合4位になっています。今の体重は55kgくらい。おかげでこの年にしてはスリムな体形を維持できています。私の目標は「究極のホモ・サピエンス」になることです。震災があっても、どこまでも動き続けられる強い体が理想ですね。

最後に読者にメッセージをお願いします。

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生きていくことを邪魔する医療ではなく、幸せに生きることをサポートする医療を目標にしています。薬なんて使わずに、ご自身で体重をコントロールして、みんなが健康に幸せになってくれれば、医者としてこんなにうれしいことはありません。何でも相談できるかかりつけ医として、家族みんなの「生きる」をサポートし、人生を見守っていきたいと思います。子どもはよく風邪をひくものですが、風邪をひくたびに病院へ連れて行き、通院の時間に追われて子育てを楽しめていないお母さんはたくさんいらっしゃいます。医療がそんなに介入しなくても、みんな元気に育つと知れば、子育てがもっと楽しくなりますよ。

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