毛利 竜也 院長の独自取材記事
高円寺もうり歯科
(杉並区/高円寺駅)
最終更新日:2025/04/10

JR中央・総武線高円寺駅北口を出て左へ徒歩1分ほど。駅前ビルの2階に「高円寺もうり歯科」がある。2004年に開業し、昨年20周年を迎えた。通いやすい立地で平日は夜8時半まで診療を続けているので、仕事帰りの地元住民に喜ばれているという。毛利竜也院長は幅広い知識と技術を用いて、一般歯科からインプラント治療まで患者のニーズに合わせた治療を展開。さらに、安全重視で精密な治療を行うために歯科用CTも導入し、インプラント治療などに役立てている。院内にある大きな水槽では、カラフルな熱帯魚がのんびり泳ぐ様子が眺められ、海が好きだという毛利院長の穏やかな人柄がうかがえる。診療での患者への接し方やクリニックの強みについて、じっくりと話を聞いた。
(取材日2025年2月18日)
開業して20年以上、地元の歯科医療を支える
昨年、開業から20周年を迎えられましたね。

患者さんが足を運びやすい場所にと、駅前に開業して20年が過ぎました。地域の皆さんとふれあう中で、ここは下町らしさや地域の人同士のつながりがあるすてきな土地だということを改めて感じています。昼間になかなか通えない方々に来ていただけるように、当初は平日夜9時半まで診療していましたが、現在は8時半までと1時間短縮させていただいています。20年たつうちに私も年齢を重ね50代半ばとなり、体力面を考えると診療の質の確保のためには必要だと考えました。患者さんの変化といえば、若い方の虫歯が昔より少なくなったと感じますね。虫歯予防が浸透してきているのだと思います。予防だけではなく歯に対する美意識も高まっているようで、最近はホワイトニングを希望する若い患者さんも増えていますね。
治療の選択肢も、保険診療から自由診療まで幅広くご提案されていると聞きました。
どんな診療においても、まずは保険診療内でどのように治療ができるかをしっかりご説明するように心がけています。その上で患者さんのご要望によっては、自由診療の範囲まで広げて治療法をご提案する場合もあります。例えば、かぶせ物の治療を例にとると、材質や治療技術などの開発が進み選択幅が広がりました。自由診療の素材は、強度があり長く持つことが期待できるものや、プラークがつきにくいものなど、期待できるメリットも増えます。ただし経済的な負担はかかりますので、患者さんが何に重点を置かれているかをしっかりと伺い、望まれる治療を提供することが大事だと考えています。
クリニックの強みは何ですか?

歯科用CTを導入していること、大きな治療以外は院内で解決できること、そして平日は夜8時半まで診療をしていることでしょうか。あと、当院はスタッフを含めた院内の連携がしっかり取れているのも特徴です。僕が知り得ない患者さんのお話をスタッフから聞くこともあり、それが意外と治療にも役立っていることがあるんです。僕に言いにくいことがあれば、どんなことでも遠慮なくスタッフに伝えていただけける、患者さんに何でも相談してもらえるようなクリニックでありたいと考えています。そういう信頼は長年の蓄積により得られるものだと思うので、日々の治療に一生懸命に取り組むことで、患者さんと信頼関係を築いていきたいですね。
対話を通し、患者の求めていることを引き出す
開業時から、コミュニケーションを大事にされているそうですね。

はい。口腔内の細かな治療を行う歯科医師は技術屋的なところがあるので、患者さんと向き合う時間を大事にしたいと考えています。治療の椅子に座ると緊張される患者さんが多いので、治療内容など大事な話をするときは、椅子を起こし、一旦治療から離れた状態にしてから、話をするようにしています。また、初診の患者さんの場合も、なかなか本当に望んでいることを言い出しにくい状況だと思うんですね。ゆっくりお話を伺い、患者さんとの距離を少しずつ縮めていきながら個々の患者さんの求めていることを引き出すように努めています。
患者さんとの対話で、特に気をつけていることはありますか?
最近はご本人も知らないうちに、ストレス性の歯ぎしりや食いしばりが原因となるお口のトラブルが増えています。なので、患者さんとの対話では、日常生活の中のストレス加減について伺うこともあります。また、長くお口の健康を保つには、患者さんのご自宅でのホームケアが大切なんですが、それまで習慣がなかった患者さんに、急にきちんと歯のケアをしていただこうとしても難しいと感じています。例えば、病気になった人が「塩分やアルコールを控えてください」と言われたとして、それを実践できるかどうかはその人の努力によります。それと同様、歯科予防のための生活改善も患者さんの努力にかかっているので、そこをどうやって協力してもらうかが歯科医師側の重要な課題でもあります。
今までの歯科医師生活で、印象的な出来事について教えてください。

患者さんと向き合って対話してきたつもりが、実は患者さんの視点に立てていなかったときのことが心に残っていますね。こちらの思いが必ずしもそのまま患者さんに伝わるとは限らず、「そんなふうに伝わってしまったのだな」と後から思うことが何度かありました。数々の失敗や経験があったからこそ、今はより患者さんの視点に立って考えることができるようになったと思います。例えば、一度治療をしたら歯は二度と虫歯にならないと考えている患者さんが意外にたくさんいらっしゃって、そのことに気づいてからは、虫歯の再発についての説明を取り入れています。それぞれの患者さんによって、歯科治療に対する情報量に差がありますから、こちらの説明不足で捉え方が変わってしまわないように気をつけてお話しするようにしています。
健康な歯を保つため、4~6ヵ月に1度は定期検診を
そもそも、先生はなぜ歯科医師の道に進まれたのですか。

歯科医師になったのは、10歳離れた兄が歯科医師になったのでその姿に憧れたことや、子どもの頃に虫歯が多くて歯科医院のお世話になった経験からですね。実際に歯科医師になってみると、これは誰もが一度は通る道だと思うのですが、患者さんとうまくコミュニケーションがとれなくて、自分は向いていないんじゃないかと悩んだこともありました。なりたくて選んだ職業なんですけどね。でも、それを乗り越えて今日まで歯科医師を続けてきました。患者さんとのコミュニケーションを大切にしながら自分が行う治療で患者さんに貢献できることに、今はやりがいを感じています。
ところで、待合室にはカラフルな魚がいる水槽がありますね。
海や海の生き物が大好きなんです。結婚前は、よくダイビングをしていました。きれいな色の魚たちは、よく見るとユーモラスな顔をしているんですよ。待合室ではそういった魚たちを眺めて、患者さんに少しでもリラックスしていただければと思いました。また、僕が感じる海の優しい、やわらかな印象はまさにイルカのイメージで、当院のコンセプトに合うと思いロゴをイルカにしようと僕が提案しました。海はずっと好きなので、まとまった夏休みがとれると、家族で島根県の僕の実家に行って海水浴を楽しんでいます。時間ができたら、家族で海外の海にも行ってみたいですね。
最後にメッセージをお願いします。

患者さんが治療に関して何を優先するのかは、「痛みを取りたい」「短期間で治療を終えたい」「コストを少なくしたい」など、個人個人で違っていると思います。なので、それぞれの患者さんとしっかりとコミュニケーションを取り、考えていること、感じていることの温度差をなくしたいですね。また、歯の状態が悪く抜歯を考えたいケースでも、患者さんが抜歯を望まなければできるだけその意向に沿った治療をしたいと考えています。ただ、「次に何かあったときは抜歯も視野に入れましょう」という情報は、伝えたいと思っています。虫歯や歯周病は再発リスクが高く、根本的な原因になるような生活習慣などの改善がなければ再発してしまう場合が多いんです。当院では予防にも力を入れているので、4~6ヵ月に1回は定期検診にぜひお越しいただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/インプラント体1本:18万7000円~、上部構造:22万円~、外科処置1歯:11万円~
セラミックのかぶせ物治療/7万5000円~、ホワイトニング/1万1000円~
※症例により異なるので、詳しくはクリニックへお問い合わせください