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佐藤 修 院長、佐藤 潔 副院長、佐藤 諒 先生の独自取材記事

佐藤歯科クリニック

(杉並区/阿佐ケ谷駅)

最終更新日:2023/05/30

佐藤修院長、佐藤潔副院長、佐藤諒先生 佐藤歯科クリニック main

JR中央線阿佐ケ谷駅と西武新宿線鷺ノ宮駅の中間に位置する「佐藤歯科クリニック」。この地で30年以上にわたって地域住民の歯科診療にあたる佐藤修院長は、口腔外科を専門に口腔がんの研究に携わってきた経歴を持つベテラン歯科医師だ。同じく口腔外科、特に粘膜疾患を専門とする佐藤潔副院長、そして、2022年4月から本格的に同院での診療に携わる佐藤諒先生は歯周病が専門と、それぞれに強みを持つ歯科医師が日々の診療にあたっている。質の高い診療を提供しながら、人と人とのつながりを大切にするアットホームさも同院の魅力。杉並区歯科医師会の活動にも尽力する修院長、東京医科歯科大学で非常勤講師も務める潔副院長、そして、先進の歯周病医療で同院を支える諒先生に診療方針や地域医療への思いを聞いた。

(取材日2022年12月12日/更新日2023年5月18日)

口腔外科と歯周病、異なる分野から全身を考えた治療を

修院長と潔副院長は口腔外科がご専門と伺っています。

佐藤修院長、佐藤潔副院長、佐藤諒先生 佐藤歯科クリニック1

【修院長】私は大学時代、がん細胞にどのリンパ球がアタックするのかという口腔がんの研究を行っていました。その後は唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)の研究に携わり、ドイツへ留学。腰骨の骨髄を顎に移植し、そこに歯を萌出させる手術を学びました。今では一般的になりましたが、当時は先端の分野でしたね。
【潔副院長】私も大学院時代は、父と同じ口腔外科教室で口腔がんの研究を行っていました。臨床では前がん状態である口腔白板症(こうくうはんばんしょう)や扁平苔癬(へんぺいたいせん)の患者さんを特に多く診ていました。

諒先生も両先生方と同じ大学のご出身だそうですね。

【諒先生】はい、東京医科歯科大学を卒業後は、同大学の大学院に進み歯周学分野で学びました。大学の授業の中で患者さんを診る特徴的なカリキュラムがあったのですが、治療計画を考える上で口腔外科、一般歯科など、どの科の先生も歯周病の管理について気にされていたのが印象的でした。当時はまだ、よくわかっていないところがありましたが、歯周病の管理は歯科治療における基本だと考え、大学院では歯周病の分野に進みました。
【修院長】これまで歯周病というと、ばい菌が原因と考えられてきましたが、今は免疫学的な発想に変わってきていて、サイトカインという免疫学的な物質が歯周病によって体中に血栓を作ったり、糖尿病を引き起こすといわれています。歯周病は歯科医師にとって非常に重要なポイントです。

専門分野は異なっても全身の健康につながるという点では同じなのですね。

佐藤修院長、佐藤潔副院長、佐藤諒先生 佐藤歯科クリニック2

【修院長】歯周病は歯を残すことと真正面から向き合う分野ですが、例えば潔先生が得意とする粘膜疾患、白板症や口内炎、私が携わってきた唇顎口蓋裂の骨移植の分野、顎関節症など歯の周りの組織を診るのが口腔外科です。お互い専門分野が違って全体を診られることはすごく良いなと思います。
【諒先生】糖尿病などの生活習慣病と歯周病は、お互いを悪化させることがわかっています。また、唾液の中に歯周病菌が入り込んでそれが肺に入れば誤嚥性肺炎になることも。全身にも関与するということですね。
【潔副院長】口腔外科分野における全身疾患との関連は多岐にわたりますが、特に粘膜疾患では、膠原病や関節リウマチ、細菌やウィルス感染などがあります。骨粗しょう症薬の服用と抜歯の関係も歯科と全身に関わりますね。諒先生が当院で診療を行うことで、ベクトルが違うところから全身と口腔の関係を見据えた診療ができるようになったと思います。

患者を最後まで診るという思いが訪問診療を始めた原点

こちらの診療方針を教えてください。

佐藤修院長、佐藤潔副院長、佐藤諒先生 佐藤歯科クリニック3

【潔副院長】初診の方には、歯周病検査、顎全体のエックス線検査、口内炎のチェックなどを行い、疾患の早期発見に努めるとともに、ご自身の口の細菌を実際に見てもらいます。磨き残した歯垢から採った生きた細菌の状態を直接見ることで、細菌が血液に乗って全身に回り、体の不調を引き起こすという話にも耳を傾けてもらいやすくなると考えています。
【修院長】舌がヒリヒリする、水を飲むだけでも痛みを感じる舌痛症はストレスとも関係があり心身症に分類されることもあります。そのため、まずはかかりつけ医として信頼してもらうところから始めています。
【諒先生】歯周病は無症状だけれど進行している人も多いので、治療もモチベーションを保っていただくことはなかなか難しいのですが、歯科医院ならではの人と人との距離の近さを感じながら一人ひとりの患者さんを責任を持って診させていただいています。

こちらでは訪問診療も行っているそうですね。

【潔副院長】基本的にはずっと当院で診ていた患者さんが、何らかの理由で来院が難しくなった時に往診をしています。これまでは、できることが限られていましたが、訪問先でも使えるエックス線や歯科衛生士さんが単独で訪問できるようバキュームや超音波のスケーラーなどを導入したことで、フレキシブルにいろいろな状況に合わせた訪問診療ができるようになりました。当院には、非常勤ですが東京医科歯科大学で長く摂食嚥下障害の診療に携わっていた専門家もいます。その知識と経験を生かし、嚥下機能改善のための指導やトレーニングを通じて、少しでも長い間、口から食べられるように工夫をしてくれています。

訪問診療で対応できることがより幅広くなりますね。

佐藤修院長、佐藤潔副院長、佐藤諒先生 佐藤歯科クリニック4

【修院長】摂食嚥下障害は、衰えていく流れで起こるものですから完全に治るものではありませんが、少しでも良くしていきたい。とにかく、口から食べることは最後の楽しみでもあり生きる証でもあるので、大事にしなければいけないですね。もともと歯科医師というのは入れ歯を作ったり、虫歯を治したりして食べ物を噛めるようにすることが本職。しかし、そこにとどまらず、飲み込むところまで診ようというのが大きな流れになっています。通院できなくなった患者さんにも、訪問して口腔ケアをシームレスに継続してあげることが理想です。

正しい診断と適切な歯科医療の提供をめざして

患者さんと接する時に大事にしていることは何でしょう?

佐藤修院長、佐藤潔副院長、佐藤諒先生 佐藤歯科クリニック5

【修院長】患者さんが悩んでいることや困っていることをどうしたら解決できるのか、患者さんの全身を診ながらトータルで考えるようにしています。患者さんが訴えている症状と、実際の原因が違うところにあることも多いため、常に症状の後ろに隠れている背景を探るようにしています。
【潔副院長】やはり、患者さんが困っていることの解決は当然ですが、それ以外にも病気や背景に違う病気が隠れていないかを見逃さないように注意しています。
【諒先生】大学では専門の歯周病に特化した診療が中心でしたが、歯科医院ではかぶせるものや義歯なども含めた一般歯科分野の治療も大切です。視点を変え、その患者さんにとって最適なゴールとは何かを常に頭に置いて、総合的な診療を行うことを心がけています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

【潔副院長】一般歯科はもちろん、口腔外科を専門としているという視点から粘膜やいろいろな病気を含めて、お口の中をきちんと診ていきます。口の中の粘膜や舌の不調、口内炎、顎が痛いなど、どこを受診すれば良いのかわからなくなることもあると思います。口の中や口の周辺のことで困ったらいつでもご相談ください。
【諒先生】歯周病も虫歯も症状がないことがあります。まずは検診を気軽に受けに来ていただいて、何かあれば治療し、良い状態が維持できるよう一緒に頑張っていきましょう。

修院長からも読者へのメッセージをお願いします。

佐藤修院長、佐藤潔副院長、佐藤諒先生 佐藤歯科クリニック6

【修院長】当院では、全身のことを考慮しつつ歯科治療を行うことが重要だと考えています。口腔外科のすべてができるわけではありませんが、正しい診断を心がけ、必要があればきちんと診断書を書いて適切な病院を紹介するシステムを整えています。きちんとその人のことを考える責任は大事だと思いますね。かかりつけ医としては、何でもない時でも歯科医院に行ってくださいということを伝えたいですね。それが健康長寿につながります。

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