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井上 淳 院長の独自取材記事

井上内科診療所

(中野区/中野駅)

最終更新日:2024/03/06

井上淳院長 井上内科診療所 main

中野駅北口から徒歩約5分、10階建ての商業住宅複合ビルである中野ブロードウェイの4階にある「井上内科診療所」。中野ブロードウェイとともに1966年に開業し、長きにわたって近隣住民の健康を支えてきた。院長の井上淳先生は消化器内科が専門で、上下部消化管・胆道系の内視鏡検査や肝臓・胆嚢・膵臓疾患の治療経験が豊富。同院では内科全般にわたる総合的な診療を展開し、働き世代の背景に目を向けた診療や外国人に向けた英語対応など、さまざまな層が受診しやすい配慮もしている。「患者さんは自分の家族だと思って診ています」と穏やかに語る井上院長に、同院の特徴や診療への想いを聞いた。

(取材日2024年2月1日)

気軽に相談できる地域のゲートキーパー的なクリニック

半世紀以上続く歴史あるクリニックですね。

井上淳院長 井上内科診療所1

当院は1966年に中野ブロードウェイができたと同時に開業しており、初代院長の父が内科疾患全般を診療していました。2001年からは山王病院での勤務の傍ら、私も一緒に診療にあたり、2006年に父が亡くなってからは2代目として私が引き継ぐことになりました。この場所は開業当時、衣食住が一体となった先進的なショッピングモールとして注目されていましたが、バブル崩壊後は一転してサブカルチャーの聖地として有名になりました。当院のある4階までが商業施設で、上がマンションになっています。この階にあった他のクリニックも徐々に減り、中野ブロードウェイの歴史とともに、高齢の患者さんが増えてきましたね。一方でここに遊びにきた若い方が急な発熱で来られたり、周辺の住宅地の方や外国の方などがかかりつけとしてご利用されたりと、いろいろな層がいらっしゃいます。

医師をめざした理由と、今までのご研鑽について伺います。

この道を選んだのは、やはり父の影響が大きいですね。地域の患者さんのために日々尽くし、亡くなる直前まで診療を続けた父の生き方を、今でもとても尊敬しています。また、高校生でアメリカに留学した際に、ピッツバーグ大学で当時先進的な臓器移植の研究していた日本人医師と出会い、憧れを抱いた経験も後押ししてくれたと思います。1985年に東邦大学医学部を卒業後、慶応義塾大学医学部内科学教室に入局し、内科全般を学びました。当時は内視鏡の進化がめざましく、内視鏡下治療などに大きな可能性と魅力を感じたことから、消化器内科を専門にしようと決めました。その後は慶応義塾大学病院や同大学伊勢慶應病院、山王病院などで、上下部消化管・胆道系の内視鏡検査や鏡視下治療をはじめ、ウイルス性肝炎、肝硬変などの肝臓疾患や、胆嚢・膵臓疾患の治療経験を重ねてきました。勤務医時代は総合的な内科診療を行う役割も多く担いましたね。

どのようなクリニックをめざしていますか?

井上淳院長 井上内科診療所2

感染症の影響などにより、当院のコンセプトも随分変わってきました。現在、内視鏡検査は唾液感染などのリスクを考慮して、中止しています。ご相談を受ける症状も多岐にわたってきたことから、以前から標榜している内科、消化器内科、循環器内科領域を超え、現在は内科全般にわたる総合的な診療を展開しています。ちなみに私は、勤務医時代に救急科外来を10年ほど経験しており、軽症から重症までのさまざまな病態の初療を行ってきました。その経験も生かして、どのような症状の方でも安心して受診ができるよう、この地域のゲートキーパー的なクリニックになれたら、と考えています。ですので、「どこにかかったら良いのかわからない」という症状の方でも、お気軽にご相談いただければと思っています。当院でできる限りのことはしますし、仮に対応が難しい場合でも適切な治療を受けられるよう、責任を持って他の医療機関をご紹介したいと考えています。

「患者が自分の家族ならどうするか」を指針に

新型コロナウイルス感染症の流行を経て、生活習慣病リスクの高まりを感じていると伺いました。

井上淳院長 井上内科診療所3

在宅勤務が増えた働き世代の中で、体重が増加したり、メタボリックシンドロームになったり、糖尿病を新たに発症したりする方が非常に増えてきましたね。家で過ごす時間が増えたことによる運動不足や、ストレスを発散できないことなどが起因しているのでしょう。放置すると数年後には大きな病気につながる恐れもあるため要注意です。私はできる限り未病の状態で予防をしたいと思っていますので、病気になる可能性がある方には、早期に生活習慣の改善をお伝えするようにしています。そもそも、生活習慣病のような慢性疾患は、いかに継続して治療を続けていくかがポイントとなります。数値が良くなった途端に治療をやめてしまう方もいらっしゃいますが、そのようなことがないよう、初診の際には放置した場合のリスクや、減量・食事制限をする理由などを、きちんとご説明するようにしていますね。

他にはどのような疾患に対応されていますか?

感染症への対応は依然として続けています。インフルエンザ含め感染症の疑いのある方は、待合室から廊下を挟んで反対側の別室に待機していただくなど、院内感染の防止に努めています。消化器疾患では、逆流性食道炎、慢性肝炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群などの治療に対応しています。胸やけや胃もたれ、腹痛、下痢、便秘、血便などの便通異常がある場合には、速やかにご相談いただければと思います。内視鏡検査が必要な場合は他院をご紹介して、連携しながら治療を進めます。動悸や胸の痛みなどの循環器疾患では、連携している病院で心臓などの超音波検査を受けていただきながら、当院でフォローしていきます。喘息の方の来院も多く、吸入薬などを使って継続的に症状のコントロールを図っていきます。

診療において大切にしていることは何ですか?

井上淳院長 井上内科診療所4

「患者さんが自分の家族であればどうするか」という心構えで、いつも診療に臨んでいます。これは過去にご指導をいただいた慶応義塾大学医学部内科学教授の土屋雅春先生の教えです。後輩には昔ながらの厳しい指導をされる方でしたが、何より患者さん思いの素晴らしい医師でいらっしゃいました。もう1つは、患者さんが納得されるまでよく話をすることでしょうか。治療の説明が腑に落ちない理由で相談に来られる方もいて、内科の診療における言葉のコミュニケーションの重要性を痛感しています。納得感がないとその後の治療もうまく進みませんので、どんなに忙しくても時間をかけてしっかり説明をするよう努めています。

働き世代の背景にも目を向けながら健康のサポートを

働き世代の患者さんに対する診療にも力を入れているそうですね。

井上淳院長 井上内科診療所5

はい。過去に働いている方々の相談に乗ってきた経験があり、職場環境などが彼らの健康に大きく影響していることを感じていました。例えば、過重労働が続いていたり職場の人間関係にストレスを感じていたりする方が、胃痛や下痢を訴えることは往々にしてあります。そういう場合には、当然ながらそのバックグラウンドまで深く掘り下げる必要があるでしょう。ですので、労働衛生コンサルタントの資格を取得し、働き世代の患者さんに対しては、その知見を生かしてメンタルヘルスも含め幅広い視野で診療にあたるよう努めています。こちらから見て何か職場に問題があると感じた場合には、独りで抱え込まずに上司などに相談するようアドバイスもします。場合によっては、こちらからの診断書をもとに職場で話し合っていただくなどのサポートもさせていただきます。

お忙しいとは思いますが、リフレッシュ方法を教えてください。

趣味は「バイクいじり」で、50年前の古いオートバイクをメンテナンスするのが好きなんです。仕事を忘れて無心になれる瞬間ですね。また、健康の基本である睡眠と食事にはとても気を使っています。早寝早起きをして質の良い睡眠を取り、バランスの良い食事と体重のコントロールを常に心がけています。また、駅まで20分ほどのウォーキングなど、日々の生活の中でできる限り歩くようにしていますね。

最後に地域の方へメッセージをお願いします。

井上淳院長 井上内科診療所6

目の前の患者さんが家族だったら、という指針を胸に、今後も引き続き皆さんの健康のサポートを続けていきたいと思っています。一方で、感染症対応やワクチン接種で混雑しているときなどにお待たせしてしまうこともあり、たいへん心苦しいのですが、できるだけ多くの方のご対応ができるよう努めてまいります。また、働いている方のさまざまな悩みまでくみ取れるよう、労働衛生分野の研鑽も重ねていきたいと考えています。仕事で強いストレスや健康に不安を感じている方は、ぜひご相談いただければと思います。

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