中野歯科クリニック

中野正博 院長

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扉を開けると「こんちは!」と飛び交うはつらつとした声。きびきびと小気味良く動くスタッフたち。浅草橋駅から程近いビルの4階にある「中野歯科クリニック」は、明るくモダンなインテリアでありつつも、ちゃきちゃきの下町といった空気が心地よい歯科医院だ。それもそのはず、中野正博院長は祖父の代からの江戸っ子歯科医師。日本補綴歯科学会の指導医として高い治療技術を持ちながら、現在も多くの学会に所属して研鑽を怠らない。スタディーグループや研究会では中心的役割を果たし、大学で教鞭を取ることもある。その見つめる先にあるのは、歯科医師のコミュニティーとして「開業医の医局」を構築すること。穏やかで謙虚な中にユーモアも交えて語る中野先生に、より質の高い診療を患者に還元していくための日々の努力と今後の展望について、お話を聞いた。
(取材日2013年2月1日)

適切な治療の“コーディネート”ができるかかりつけ医に

―歯科医師を目指したきっかけを教えてください。

祖父の代から歯科医師の家系だったので、ごく自然な流れだったと思います。祖父は秋葉原で開業し、父の代になって浅草橋に移りました。小さい頃から、使わなくなった歯科技工の材料を遊び道具にしていたように思います。祖父や父の代は、義歯やブリッジを用いた治療が中心でしたから、私が大学院に進んで補綴を専門としたのには、その影響が大いにありました。それにもちろん、補綴の治療そのものが好きなんですよね。開業後もいろいろな学会に所属して研究し続けているのも、基本的には好きだからなんですが、そのおかげでずいぶんと器用貧乏になってしまったなあと思います(笑)。欧米では、ひとつのクリニックに補綴や歯周病治療など複数の専門医が揃うチーム医療が一般的ですが、日本では大抵1医院に付き医師は1人です。ですから、何でもできるようにしておかないといけません。つまり、GP(General Practitioner)、総合的に判断して最適な治療を“コーディネート”できる医師こそが私の理想です。

―どのような方針・信条で治療されているのでしょうか。

特別にどの治療を勧めるということはせず、基本的には「患者さんの口腔状態を良好に保ち、維持する」ことを旨としています。かつては、歯科医師の仕事は痛む歯を治すだけというイメージが一般的でしたが、本当は予防に努めて虫歯を作らないことがベストです。それでも虫歯になってしまった方は、治療が終わったらメンテナンスに来ていただく。この”予防・治療・メンテナンス”が当院の3本柱です。車と同じで、定期的に車検に出して整備し、故障したら修理してまめに点検するということですね。最近は患者さんの意識が向上し、予防やメンテナンスのために定期的に歯科医院にいらっしゃる方が増えていると感じます。当院では、最低でも6カ月に1度は来ていただき、お子さんは“適切な噛み合わせにリードすること”、大人の患者さんは“虫歯のない状態を作ること”を重視しています。最近は特に、お子様の噛み合わせに力を入れています。小さいことからよい噛み合わせを保っておくと、生涯虫歯になりにくい口腔環境を作ることができるんですよ。

―患者側の治療に対する姿勢も変化しているのですね。

そうです。分かりやすくいえば、以前は高齢になれば歯を抜いて義歯にする治療が一般的だったと思いますが、今はご高齢の方の多くが歯を抜くことを望みません。患者さんの歯科に対する意識が高くなってきたということであり、行政や歯科医師による長年の啓発活動が実を結んだといえるでしょう。それに合わせて治療の形態も同じように変化し、なるべく自然な状態でいかに歯を残すかが近年の最大のテーマです。まずは予防に力を入れ、インプラントや大掛かりな補綴の治療は、その次のステージということですね。したがって、歯科衛生士をはじめとして、”パラデンタル”と呼ばれる歯科医師以外の スタッフたちの仕事が重要度を増しています。



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