西 隆博 院長の独自取材記事
西クリニック
(台東区/浅草橋駅)
最終更新日:2026/03/05
昔から残る下町の雰囲気と新しい建物が混ざり合っている浅草橋エリア。JR中央・総武線・浅草橋駅から徒歩5分の場所にある「西クリニック」は、1985年の開業以来、血液透析の専門医院として腎臓病の治療から一般内科まで間口の広い診療を行ってきた。「元気に長生きできるような治療をしたいです」と語る2代目院長の西隆博先生は日本腎臓学会腎臓専門医。透析をはじめ、一般内科の診療にも真摯に対応。糖尿病や睡眠時無呼吸症候群といった生活習慣病の治療や予防に力を入れており、透析が必要となる患者を少しでも減らしたいという想いが感じられる。チーム医療の充実や院内のリニューアルなど、常に患者視点で取り組んでいる姿も印象的だ。気軽に相談できるクリニックをめざしている西先生に、疾患の予防へのこだわりや患者への想いを聞いた。
(取材日2026年1月5日)
身近な存在として患者の一生に寄り添うクリニック
長年地域に根差してきたクリニックだとお聞きしました。

曽祖父の医院を父が受け継ぎ、1985年に「西クリニック」と改称しました。私が引き継いだのは2011年で、腎臓病や透析を専門に、内科外来や腎臓内科外来に対応しています。幼い頃から医療が身近にあったため、私自身も将来人の役に立つ仕事をしたくて、医療の道へと進みました。北里大学医学部を卒業後、北里大学病院で2年間臨床研修を行い、その後、三井記念病院で8年間総合内科や腎臓内科に従事しました。その中で透析の患者さんとも数多く関わり、看取りに立ち会った経験が、「患者さんの一生をきちんと診ること」というモットーにつながっています。
クリニックにはどのような患者さんが来られていますか?
内科外来は、近隣にお住まいの高齢の方や近くの企業にお勤めの方が中心ですね。また、父の代から通ってくださる方もいます。透析の患者さんもこれまでは50代、60代の働き盛りの方が多かったのですが、平均年齢が上がって現在は70代、80代の方が中心です。また、以前通院されていた方が、月に1回ほど千葉や埼玉からいらっしゃることもありますね。ご相談の内容も、例えば内科外来であれば風邪が原因で関節痛になったとか、健康診断で腎臓にD判定が出たので診てほしいとか、多岐にわたります。この先も患者さんに寄り添い、地元に根差した医療をめざしたいですね。
クリニックの特徴について教えてください。

高血圧症、糖尿病、腎臓病はもちろん、風邪をはじめ内科全般に対応しています。また、内科以外の病気でも相談に乗っています。生活習慣病を起因とする腎臓病も、近隣の方であれば定期通院による治療や予防をご案内しています。また、腎移植を希望している方には移植専門の医療機関と連携し、専門性の高い治療が必要な場合も、近隣の三井記念病院をはじめ大学病院や総合病院をご紹介しています。内科以外の分野でも、整形外科や眼科、リウマチ科など各分野の医療機関と連携しているため、当院を入り口としてさまざまな病気に応じた医療機関につなげられると思います。
生活習慣病の予防から腎臓病の治療まで幅広く対応
診療方針について伺います。

当院は、診療方針として腎不全の予防と治療を挙げており、慢性腎臓病の進行を抑えることに取り組んでいます。腎炎や高血圧症、糖尿病、膠原病といった慢性内科疾患を早期に発見し、透析が必要とならないよう治療をしています。腎不全に至った患者さんに対しても、透析をはじめとした総合的なサポートを提供しています。腎臓専門医として透析導入や透析終末期まで幅広く診ていますが、風邪や関節痛といった一般内科についても外来で対応しています。専門分野にとらわれず、症状に合わせた診療や専門機関のご紹介ができるため、まずは何か不安なことがあった場合に相談に来てほしいですね。
疾患の予防を重視されているんですね。
慢性腎臓病は血管炎や遺伝が原因となることもありますが、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病が関わっていることが多いです。症状が重くなる前に予防するためにも、患者さんに合わせた診療を心がけています。慢性腎臓病以外にも、例えば糖尿病であれば、自己血糖測定のデバイスを使って持続血糖モニタリング(CGM)を行ったり、場合によってはインスリンの導入を提案したりしています。また、睡眠時無呼吸症候群も持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)などをご案内していますね。自覚しづらいケースもあるため、いろんな資料を活用してわかりやすく説明したり、また身近な例を出したりすることで理解を深めてもらっています。
チーム医療も大切にしていると伺いました。

看護師や臨床工学技士のほかに、管理栄養士が2人いるのが当院の特色です。生活習慣と密接な栄養指導にも力を入れているんです。また、当院の看護師は運動療法やフットケアについても専門的に学んでおり、看護以外の部分のケアも行っています。スタッフ一人ひとりがチーム医療を意識し、患者さんに寄り添うのはもちろん、定期的な災害訓練や毎週の勉強会など、スキルアップや情報共有の機会も設けています。新しく転入した患者さんや重症の患者さんへの対応など、全員で情報を持ち寄り対策を立てるといったように、こまめにコミュニケーションを取っています。
どんな相談にも真摯に耳を傾ける姿勢
先生の診療に対する想いについてお聞かせください。

これまで透析を必要とする患者さんを多く診てきたのですが、やはり透析は生活も制限されますし、合併症のリスクもあり、生命予後にも影響を与えてしまいます。だからこそ、腎臓病にならないよう予防すること、もしなったとしても進行を抑えることが、より充実した人生につながると考えています。近年では腎臓病や腎不全の治療技術も発展していますが、可能な限り長生きできるように、早い段階からの介入や気づきを大事にしたいですね。診療においても、医学的に必要なことなどはきちんと伝え、患者さん目線で向き合っています。
患者さんに対応する上で大切にしていることはありますか?
2025年に院内の一部をリニューアルし、6階にあった患者さんのロッカールームを2階に移動させて透析室への動線を短くしました。患者さんが安心して通院し、治療を受けられる環境づくりは常に心がけており、診療時のコミュニケーションにも気を使っていますね。患者さんとスタッフとの距離も近くて、透析の際に世間話をしているシーンもよく見られます。もちろん、あまり自分の病気のことを話したくない方には別室で相談に乗るといったように、一人ひとりのご希望や背景に合わせています。また、会話の中で、不安に感じていることや生活で不自由していることを聞いた際は、スタッフ皆で共有し、介護保険の申請を提案するなど、治療外の生活面まで多岐にわたってサポートしています。
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

健診が引っかかった場合はもちろん、テレビの健康番組を見ていて思い当たることがあったり、尿が泡立っていて気になったりと、腎臓病以外でも普段の生活の中で不安なことがあれば一度相談しに来てほしいですね。一般的な検査をした上で、必要であれば専門の医師に紹介もできますので、気軽に相談してほしいと思います。今通院中であったとしても、ちょっと聞きづらいことや、ゆっくり専門的な話を聞きたいというご要望があれば、質問だけしに来ていただいても問題ありません。これまで外来の方から透析の方まで多くの患者さんにお会いしてさまざまな相談に乗ってきましたし、終末期の方の希望を伺ったこともありました。だからこそ患者さんの希望には可能な限り寄り添い、向き合っていくという心構えでお待ちしています。

