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土屋 淳郎 院長の独自取材記事

土屋医院

(豊島区/北池袋駅)

最終更新日:2021/10/12

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池袋で祖父母の代から続く「土屋医院」。3世代目となる土屋淳郎院長は「いつでも気軽に相談できる“町の仲間”みたいなかかりつけ医でありたい」と語る。妹で皮膚科が専門の土屋知子先生と二人三脚で内科・小児科の診療にあたり、同じビルの2階には弟の土屋徹郎先生が歯科医院を運営する医療系一家だ。土屋院長は「どのような病気でも正確な診断ができるように」と、CTやMRIなど画像診断の経験を多く積んできた。また在宅医療にも力を注ぎ、日々、診察時間の合間を縫って患者宅やグループホームを訪問している。穏やかな語り口の中にも地域医療への熱い思いをにじませる土屋院長に、同院の医療体制や在宅医療、めざす方向性などについて話を聞いた。

(取材日2019年5月13日)

気軽に相談できる町のかかりつけ医でありたい

地域で長く頼りにされている医院のようですね。

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そもそもは私の父方の祖母が自宅の一角に開院したのが医院の始まりです。患者さんの話によれば、この地に70年以上前に開院したようです。祖母の後に祖父、そして父が後を継ぎ、2009年からは私も妹と一緒に診療をするようになって現在に至っています。建物自体は1992年に建て替えましたが、診察室の机などは祖父母の代から使っています。だいぶがたが来ていますが、これからも大切にしていきたいですね。 2012年に先代の父が亡くなった後、私が院長を継ぎました。しかし、当時から通われている患者さんたちは、いまだに父のことを大切に思ってくださり、受付横に飾っている父の写真にお花を供えたり、近所につくった父のお墓を掃除してくださったり(笑)。本当にありがたいことだと感謝しています。

医院の特徴を教えてください。

0歳児から80歳代の高齢者まで、この周辺にお住まいの方々が来院されますし、看取りまでやっていますので、100歳を超える方も診ています。かかりつけ医として、通院が難しくなった方の在宅医療にも力を入れています。在宅医療は、父がかなり頑張っていましたので、それを引き継ぐ形ですね。画像診断が専門の私が内科と小児科を、皮膚科が専門の妹・知子先生が皮膚科と内科、小児科を診ています。どう割り振りをしているかというと、患者さんに「ご指名」される感じでしょうか(笑)。例えば注射は私で、診察は妹がいいというお子さんもいます。また女性の方では、妹が診察して、検査の結果説明などを私がすることもあります。

診療において大切にされていることは何でしょうか。

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地域の皆さまから親戚のような、あるいは気軽に相談できる町の仲間みたいな存在でいられればいいということです。先代の父も、「今の医療は患者さんより、データばかりを見る風潮だ。かかりつけ医は、自分の家族を診るような気持ちで、その方の生活全般を診なければならない」とよく言っていました。その姿勢はしっかりと受け継ぎたいと考えています。例えば、診察中の雑談などから、病気の原因や症状の改善につながるポイントが見つかることもあります。距離感が近いからこそだと思います。また、当院のスタッフも皆、明るく患者さんに近い距離で接してくれているので、いつもと違う様子だと、すぐに気づいて知らせてくれます。長く勤めるスタッフが自主的に患者さんのために動いてくれるので、すごく助かっていますよ。

多職種連携システムにより細やかな在宅医療支援を実現

さきほどおっしゃった在宅医療について詳しく教えてください。

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ご家族やグループホームの職員がケアしながら、医師や看護師が訪問して普段の健康管理を行い、ゆくゆくはご自分のベッドで息を引き取るのを見守るのです。看護師も医師も24時間対応し、もし夜中に呼ばれても訪問できる体制にしています。一般的には2週間に1回程度、具合が悪くなると週1回から3回ほど伺い、問診して、血圧を計り、聴診器を当て、時には採血することもあります。現在は月間約50人を受け持っていて、午前と午後の診療の合間にほぼ毎日、どこかのお宅に伺っています。

在宅医療を支えるため、医療介護連携システムの構築にも関与されたと伺いました。

豊島区医師会の地域医療部委員会の下で、在宅医療におけるICT利用を検討する会議を立ち上げました。現在ではシステム自体もずいぶん進化しています。またシステムは全国にも広がりをみせ、さまざまな地域に利用されるようになっています。セキュリティーのしっかりした医療介護専用のSNSを用いた多職種連携システムで、CT画像や患者さんを撮影した動画などの情報が共有できます。当院でもこのシステムのおかげで担当できる患者さんのキャパシティーも増えました。専門性を生かした多職種で力を合わせて、患者さんやご家族のより近くで療養生活を支えられたらいいなと考えています。

多職種連携のことをもう少しご説明いただけますか。

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患者さんを取り巻く医師・看護師・歯科医師・薬剤師などに加え、介護に携わる職種や施設の職員らがその症状について、非公開のSNS上にてやりとりができるシステムです。もちろん、患者さんも加わることができます。例えば、寝たきりの患者さんの皮膚に褥瘡(じょくそう)ができた場合、患部を撮影した画像を送ると、知子先生のような皮膚科の医師が診断し、それに基づいて看護師がケアをして症状の改善につなげる、など。ほかにも入院の必要があるときは、登録している病院に一斉に問い合わせることができます。スタッフが情報を共有することで医師と患者さんが「上下の関係」ではなく、対等の関係になれる。すると、患者さんも気軽に相談できるようになって、患者さんのQOLを高められるだろうと思います。また、多職種や多施設が連携するネットワークを構築できれば、地域包括ケアシステムの基盤も比較的容易につくることができるのではと思いますね。

どんな病気でも適切な診断が下せるよう放射線科を選択

先生はなぜ医師をめざされたのでしょうか。

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親族に医師が多く、また父や祖父母の仕事ぶりに影響されたということもあります。小学校時代に、父が夜中に往診に行ったことに全然気づかないまま翌朝起きると、母からそのことを知らされ「医師というのは、地域の方の役に立つ仕事なのよ」とよく聞かされました。大変だなとは思いましたが、人に信頼される仕事というのはいいものだなと、その頃から「父のようなかかりつけ医になりたい」と考えていました。昭和大学医学部の先輩でもある父のことは今でも尊敬していますし、目標です。なかなかすべてを実践するまでには至っていないのですが、父の後を一生懸命追っているつもりです。

先生のご専門は何科なのでしょうか。

私は日本医学放射線学会の放射線科専門医です。町のかかりつけ医をめざしていたので、風邪などの一般的な病気の治療ができて、もしも重い病気の場合には適切に診断できる専門性も身につけておきたいというのが放射線科を選んだ理由ですね。放射線科では、CTやMRIといった画像から診断する場合は、どの部位でも、どの病気でも、しっかりと診断できるように相当な経験を積みます。実際、それは今の診療に役立っていまして、例えばCTやMRI検査を受けて、その画像を持って来てもらえれば、その日に診断をすることもできますよ。

お忙しい毎日だと思いますが、休日の過ごし方も教えてください。

まさにそのとおりでして(笑)、診療のほかにも勉強会などもありますし、在宅医療などは知子先生がいなければとてもできなかったと思います。そんなわけで、趣味を楽しむとまでは言えませんが、休日にはテレビでサッカー観戦、あとは年に数回ゴルフを楽しむ程度でしょうか。

今後の抱負をお願いします。

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弟も同じ建物内で歯科医師をしていますし、妻は看護師で訪問看護の経験もあります。また従兄は理学療法士、姪っ子は今、看護学校に通う学生と、一族に医療に携わる者が多いのが土屋家です。各自の得意分野を統合し、そのメリットを地域医療に生かすことができるよう、今後もさまざまなことにどん欲に取り組んでいくつもりです。私自身も、医師だけれどICTに関わり、そこから在宅医療や多職種連携へと仕事の領域が広がりましたからね。そうした新たな取り組みの積み重ねが、最終的には患者さんをトータルケアする体制づくり、オールマイティにいろんなところが診られる医療へとつながっていくのではないかと考えています。

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