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土屋 淳郎 院長の独自取材記事

土屋医院

(豊島区/北池袋駅)

最終更新日:2022/06/15

土屋淳郎院長 土屋医院 main

池袋で祖父母の代から続く「土屋医院」。3世代目となる土屋淳郎院長は「不安や疑問を気軽に相談できる町のかかりつけ医でありたい」と語る。内科・小児科の診療にあたり、妹の知子先生は皮膚科、理学療法士の従兄は訪問リハ、弟の徹郎先生は歯科と家族ぐるみで地域医療に貢献する。土屋院長は「どのような病気でも正確な診断ができるように」と、CTやMRIなど画像診断の経験を多く積んできた。また在宅医療にも力を注ぎ、日々、診察時間の合間を縫って患者宅やグループホームを訪問している。穏やかな語り口の中にも地域医療への熱い思いをにじませる土屋院長に、同院の医療体制や在宅医療、めざす方向性、また感染症対策などについて話を聞いた。

(取材日2021年6月1日/更新日2022年5月24日)

気軽に相談できる町のかかりつけ医でありたい

地域で長く頼りにされている医院のようですね。

土屋淳郎院長 土屋医院1

そもそもは私の父方の祖母が自宅の一角に開院したのが医院の始まりです。患者さんの話によれば、この地に70年以上前に開院したようです。祖母の後に祖父、そして父が後を継ぎ、2009年からは私も妹と一緒に診療をするようになって現在に至っています。建物自体は1992年に建て替えましたが、診察室の机などは祖父母の代から使っています。これからも大切にしていきたいですね。 2012年に先代の父が亡くなった後、私が院長を継ぎました。当時から通われている患者さんたちは、いまだに父のことを大切に思ってくださり、受付横に飾っている父の写真にお花を供えたり、近所に作った父のお墓を掃除してくださったり(笑)。本当にありがたいことだと感謝しています。

医院の特徴を教えてください。

0歳児から80歳代の高齢者まで、この周辺にお住まいの方々が来院されますし、100歳を超える方も診ています。かかりつけ医として、通院が難しくなった方の在宅医療にも力を入れており、看取りもやっています。在宅医療は、父がかなり頑張っていましたので、それを引き継いだかたちです。画像診断が専門の私が内科と小児科を、皮膚科が専門の妹・知子先生が皮膚科と内科、小児科を診ています。どう割り振りをしているかというと、患者さんに「ご指名」される感じでしょうか(笑)。例えば注射は私で、診察は妹がいいというお子さんもいます。また女性の方では、妹が診察して、検査の結果説明を私がすることもあります。

診療において大切にされていることは何でしょうか。

土屋淳郎院長 土屋医院2

地域の皆さまから気軽に相談できる存在でいたいということです。先代の父も、「かかりつけ医は、自分の家族を診るような気持ちでその方の生活全般を診なければならない」とよく言っていました。その姿勢はしっかりと受け継ぎたいと考えています。また、当院のスタッフも皆明るく患者さんに近い距離で接してくれているので、いつもと違う様子だとすぐに気づいて知らせてくれます。新型コロナウイルス感染症によってタイトな勤務になっていますが、スタッフ同士でしっかりコミュニケーションを取ってくれているのでありがたいですね。

新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い、院内を一部改装されたそうですね。

大きな変更点としては、感染症や発熱の患者さん専用の診察室を作ったことです。入り口も別に作り通常の患者さんと完全にルートを分けるようにしました。既存の診察室も改装し、感染症専用の診察室への動線を確保した上で処置室としても使える診療室を1つ増やしました。そして受付と待合室には透明のアクリル板を、入り口には非接触型の体温計を設置しました。そのほか、感染症対策としてはウェブ問診やオンライン診療も行っています。事前に問診票を記入していただくことで院内での滞在時間を短縮することが目的です。また、電話では自動音声機能を始めました。音声に従って進んでいただければ、目的に応じて電話でも対応できるようになりました。少しでも受診に対してのストレスを軽減できればと考えています。

医師と患者が「対等の関係」になることが理想

先ほどおっしゃった在宅医療について詳しく教えてください。

土屋淳郎院長 土屋医院3

ご家族やグループホームの職員がケアしながら、医師や看護師が訪問して普段の健康管理を行い、ゆくゆくはご自分のベッドで息を引き取るまで見守っていきます。看護師も医師も24時間対応し、もし夜中に呼ばれても訪問できる体制にしています。一般的には2週間に1回程度、具合が悪くなると毎日のように訪問することもあります。問診して、血圧を測り、聴診器を当て、必要に応じて採血を行うこともあります。現在は午前と午後の診療の合間にほぼ毎日どこかのお宅に伺っています。新型コロナウイルス感染症の流行以降、ご自宅に伺う際の感染対策には特に気をつけていますが、患者さんに過度のプレッシャーを与えてしまわないように、こちらで気をつけられることには十分注意して伺うようにしています。

在宅医療を支えるため、医療介護連携システムの構築にも関わられたと伺いました。

初めは医師会内に在宅医療におけるICT(情報通信技術)利用を検討する会議を立ち上げました。セキュリティーのしっかりした医療介護専用SNSを用いた連携体制を構築し、専門性を生かした多職種で力を合わせて、患者さんやご家族のより近くで療養生活を支えられたら良いと考えています。今では医療や介護の専門職以外にも行政の職員や地域のボランティアも参加するようになり、多職種連携システムと呼ぶことが多いですね。都立病院や大学病院の先生も参加してくれるようになりました。

多職種連携システムのことをもう少しご説明いただけますか?

土屋淳郎院長 土屋医院4

患者さんを取り巻く医師・看護師・歯科医師・薬剤師などに加え、介護に携わる職種や施設の職員らがその症状や日々の気づきについて、気軽にやりとりができる多職種連携専用のシステムです。もちろん、患者さんも加わることができます。例えば、寝たきりの患者さんの皮膚に褥瘡(じょくそう)ができた場合、患部を撮影した画像を送ると、知子先生のような皮膚科の医師が診断し、それに基づいて看護師がケアをします。スタッフが情報を共有することで医師と患者さんが「上下の関係」ではなく、対等の関係になれる。すると、患者さんも気軽に相談できるようになって、患者さんのQOLを高められるだろうと思います。また、多職種や多施設が連携するネットワークを構築できれば、地域包括ケアシステムの基盤もつくることができるのではと思っています。

ICTをうまく活用して地域全体で地域医療を行いたい

先生はなぜ医師をめざされたのでしょうか。

土屋淳郎院長 土屋医院5

親族に医師が多く、また父や祖父母の仕事ぶりに影響されたということもあります。母から「医師というのは、地域に住む人たちの役に立つ仕事なのよ」とよく聞かされました。大変だなとは思いましたが、人に信頼される仕事というのはいいものだなと、その頃から「父のようなかかりつけ医になりたい」と考えていました。大学の先輩でもある父のことは今でも尊敬していますし、目標です。なかなかすべてを実践するまでには至っていないのですが、父の後を一生懸命追っているつもりです。

先生のご専門は何科なのでしょうか。

私は日本医学放射線学会の放射線科専門医です。町のかかりつけ医として、広範囲の疾患を適切に診断できる専門性も身につけておきたいというのが放射線科を選んだ理由ですね。放射線科では、CTやMRIといった画像から診断する場合は、どの部位でも、どの病気でも、しっかりと診断できるように相当な経験を積みます。実際それは今の診療に役立っていまして、例えばCTやMRI検査を受けて、その画像を持って来てもらえれば、その日に診断をすることもできますよ。

お忙しい毎日だと思いますが、休日の過ごし方を教えてください。

まさに忙しい毎日を送っているので、時間があったら何かしらの仕事をしていますが、家族と一緒にゴルフにでも行きたいですね。

今後の抱負をお願いします。

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一番はやはり「この地域の医療は任せて」と言えるような存在になりたいですね。そのためには多職種で連携して、地域医療ができたらベストだと思っています。ICTを使ったほうが効率的だと思うのでICTを利用した連携のシステムを整えたいですが、やっぱり人とのつながりや地域とのつながりが大事なのでそれを忘れないようにしていきたいです。

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