小池 夏葉 院長の独自取材記事
山田循環器科医院
(豊島区/池袋駅)
最終更新日:2024/09/10
池袋駅から徒歩1分という好立地にある「山田循環器科医院」。心臓病の専門クリニックとして20年以上の歴史を誇る他、狭心症や心筋梗塞につながる生活習慣病の予防にも力を入れ、働き世代の心の不調にも向き合っている。同院には、長年通う地域住民や池袋駅近辺に勤務する患者に加え、他院からの紹介患者も多く訪れる。同院の創業者である長村好章院長に代わって、2016年より院長を務めているのは小池夏葉先生。大切にしているのは、患者とのコミュニケーションだ。「常に患者本位の姿勢を貫く」という前院長の想いを受け継ぎ、患者に寄り添った丁寧な診察を行う。「街のクリニックとして、大事を未然に防ぐことを心がけています」と語る小池院長に、同院の特徴や、診療時の心がけについて話を聞いた。
(取材日2022年9月7日/更新日2024年5月9日)
20年以上の歴史がある心臓病を得意とするクリニック
こちらにはどのような方が通われていますか?
60~70代の方が多く、高血圧症・不整脈・狭心症・心不全などの心臓に関わる病気、また糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の患者さんも来院されています。この辺りに長年住まわれている一人暮らしの高齢の方や、池袋周辺の職場で働いているという中年層の方も多いです。ターミナル駅のすぐ近くという利便性から、インターネットで検索して来院される若い方も増えています。当院は開業から20年以上の歴史がありますから、気づけば、親子やご夫婦で通われるようになっているという方もいらっしゃいます。心臓病や生活習慣病は完全に治すことは難しく、治療を続ける必要がある慢性疾患なので、患者さんとは長いお付き合いになることが多いですね。
近隣のクリニックから患者さんを紹介されるケースも多いそうですね。
当院は、心臓病専門のクリニックとしての20年以上の歴史と、前院長が築き上げた信頼があり「心臓のことなら山田循環器科医院へ」と思ってくださる医療機関が多いようです。近隣のクリニックから「専門的な視点で心臓を調べてほしい」と患者さんを紹介していただいたり、基幹病院から心臓病の患者さんの診療を依頼されるケースもあります。当院では基本的な診察に加え、いくつかの専門的な検査を行い、緊急性の有無や適切な方針を判断します。心臓の超音波検査で心筋症や心臓弁膜症の有無の確認、24時間心電図でどのような不整脈かなども確認します。さらに専門的な検査や治療を要する場合は、近隣の連携医療機関に紹介します。その他、心臓病と合併することの多い睡眠時無呼吸症候群の検査や、生活習慣病の治療にも注力しており、毎月第1、3水曜の午前中には、信頼する友人でもある糖尿病専門の鈴木久美医師による診察も行っています。
こちらのクリニックと基幹病院の、両方に通院する患者さんもいると聞きました。
例えば、診察の結果、積極的な検査や治療が必要と判断した場合は、大学病院などの基幹病院へ紹介するわけですが、一段落したら、月に一度の診察やお薬の処方を当院が引き継ぐこともあります。ただしその後も、基幹病院での定期的な病態評価や体調増悪時の診察は必要だと思っています。当院のような小さなクリニックは、提供できる医療に限りがありますので、それぞれの医療機関がきちんと役割分担することがとても大切だと考えているのです。いわゆる「2人主治医制」という体制は、患者さんに安心感を与えると思いますし、私自身も基幹病院から最先端の知識を学ぶことができます。心疾患や生活習慣病の研究は進んでおり、より効果的な治療につなげられるよう新しい薬剤を取り入れるなど、診療に生かしています。
信頼関係を大切に、患者の気持ちに寄り添う
働き世代ではどのような症状が多いのでしょうか?
健康診断で異常を指摘されたことがきっかけで来院される方が多いですね。不整脈や狭心症といった心臓の病気の中には、若いうちからの生活習慣や健康管理で防げるものもあるんです。健康診断でチェックがついたら、放置せずに検査を受けることが大切です。もう一つ、最近増えているのが心の不調です。不安が動悸や息苦しさを引き起こし、循環器の病気を心配されて来院されるケースです。感染症の問題や世相もあってか、不安を抱えている方がとても多いと感じています。中には心臓の病気が見つかるケースも考えられますから軽視はできませんし、検査で異常がないとわかれば患者さんも安心できると思います。心と体、両方の健康を保つことが働き世代には必要なのかもしれません。
診療で大切にしていることを教えてください。
患者さんとのコミュニケーションです。前院長が実践されていた「患者さんに寄り添う医療」を受け継いで、会話や接し方はその患者さんごとに考えています。通院の頻度は病状により異なりますが、変わりはないかを確認しながら雑談も交えて話をします。そこで家族や旅行の話題が出て、写真を見せてもらったりするわけですね。そうしたことが、一人暮らしの方がきちんとお薬を飲めているかなど、生活習慣を知る意味で役立つこともあります。そしてそれ以上に、そんな雑談を楽しみに通ってもらえること、患者さんの通院のモチベーションとなることが大事なのだと思っています。
モチベーションを保ち、きちんと通院することが大切なのですね。
心臓病や生活習慣病の治療では、薬を切らさずに、治療を続けることが肝心です。胸の痛みや苦しみがあるときには迷わず受診していても、安定していると「何となく大丈夫、もういいや」と思われるかもしれません。そうならないよう、患者さんにはご自分の病気についてきちんと理解いただき、放っておいてはいけないのだということを認識してもらいたいのです。そうしたことは信頼関係の上に深まるもの。ちょっとした雑談で心を通わせることが大事なんですね。目の前の患者さんにじっくり向き合うことができるのがクリニックの良さ。おのずと患者さんの気持ちに寄り添うことができ、より丁寧な対応ができるような気がします。
患者からすれば、しっかり向き合っていただけるのはありがたいことですよね。
たとえ病気であっても、私の「大丈夫だよ」の言葉で安心して、前向きに治療に取り組んでほしいんです。ですが中には自身の病状を思い詰めてすぐには聞き入れられないこともあるでしょう。そんな時は無理強いせず、時間をかけてお話ししたり、セカンドオピニオンをお勧めするなど、その方に合わせてお伝えの仕方を考え、患者さんがご自分の病気を意識して生活していただけるように向き合っています。その点でも、こまやかな対応による信頼関係に基づき、理解を深めてもらえればと思います。
大事を未然に防ぐのが街のクリニックの役目
先生が院長に就任された背景を教えてください。
私自身は東京女子医科大学を卒業後、同大学の循環器内科に入局し、研修医として内科全般の診療に携わりました。その後は循環器内科の医師として、大学の付属病院等でさらに経験を積みました。その頃から当院で、医局からの派遣として週1回ほど外来診療を担当していたのです。その後、前院長が体調を崩された時に相談を受け、2016年に院長に就任いたしました。当院は開院して20年以上、長年通われる患者さんたちと前院長の間に深い信頼関係が築かれています。それをそのまま大切にして受け継がせてもらおうと思い、今に至っています。
スタッフは皆さん女性だと伺いました。
そのとおりです。当院のスタッフは全員が女性で、患者さんに温かく接するようみんなで心がけています。長く勤めているスタッフも多く、顔なじみの患者さんから「ここに来ると安心する」と言ってもらえることもあるんですよ。とてもうれしいですね。当院はビルの8階にあるので、外からでは様子がわかりにくいかもしれませんが、前院長のつくられた温かい雰囲気を今も大切にしています。
最後に読者へメッセージをお願いします。
当院では院名に「循環器科」とあるように、各種心電図や心エコーなど専門性の高い診療を行っています。病気の説明も詳しく濃い内容に努めており、それが基幹病院や他院からの信頼感につながっているのだと自負しています。胸の痛みや苦しみはつらいものですが、それが重大なことにつながらないかの見極めは、当院のような心臓病専門クリニックの務めだと思っています。紹介状もいりませんので、不安があればすぐお越しください。心臓病は倒れてしまうなど、大きな発作が出てからだと治療も困難になりやすく、街のクリニックとして、大事を未然に防ぐことを心がけています。健康上のお悩みや生活習慣病の予防など、お気軽にご相談ください。