小さな頃から定期的に受診
家族で取り組む予防歯科
富沢歯科クリニック
(文京区/春日駅)
最終更新日:2024/07/08


- 保険診療
自分だけでなく子どもにも、できれば虫歯や歯周病にはなってほしくないと思っている人がほとんどだろう。そして、「それを実現するためには親御さん、あるいはお子さんのどちらかだけでなく、家族で協力して予防に取り組むことが大切です」と話すのが、「富沢歯科クリニック」の富澤一浩院長だ。現実として、予防歯科では親が虫歯や歯周病などのメカニズムを理解した上で、自分自身や子どもの口の中のケアに取り組む。同時に、歯科クリニックが一人ひとりに合わせて適切にサポートすることが必要だと言う。そこで富澤院長に、予防歯科に関する基本的なことや同院の取り組みについて、詳しく教えてもらった。
(取材日2024年6月18日)
目次
虫歯や歯周病の予防は、歯科クリニックのサポートを受けながら、家族全員で取り組むことが大切
- Q予防の基本的な考え方を教えてください。
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A
▲予防など一人ひとりに合わせたケアを大事にしている
予防には、虫歯や歯周病の予防と機能的な問題による成長・発育不全の予防があります。虫歯は、口内の細菌が食事をする過程で酸を作り、それによって歯のエナメル質からカルシウムなどが溶け出す「脱灰」が原因となります。ただ脱灰は唾液によって中和され、唾液中のカルシウムが歯の表面につき、再石灰化することで傷ついた歯の表面を修復します。つまり、脱灰をできるだけ少なくし、再石灰化の時間を少しでも長くすることが、虫歯予防につながります。そのことを理解すれば、そう悩まされることもありません。ただ、そのメカニズムの働き方は年代などによって違うため、一人ひとりに合わせたケアの仕方をアドバイスすることが大切だと考えます。
- Q歯周病や成長・発育不全の予防についても教えてもらえますか?
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A
▲口腔内環境を確認するためにも検査をしっかり行う
歯周病は、歯周病菌の感染によって起こります。しかし、そこに噛み合わせの問題も影響します。口の中の環境が悪いところに噛み合わせが不適切だと、歯周病の進行を助長してしまう恐れがあるのです。また、歯周病は歯と歯茎の間の溝である歯周ポケットの深さが指標の一つとなりますが、その歯周ポケットを深くしないことも大切です。そのため、歯磨きをちゃんとするのと同時に、噛み合わせもしっかりと診る必要があります。機能的な予防では、歯並びや噛み合わせが良くないと、それが機能にも悪影響を与えますから、特に子どもの頃には、それらの兆候を早い段階で見つけて対処することで、顎の正しい成長や発達を促すことが重要です。
- Qなぜクリニックの定期的な受診が大切なのでしょうか?
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A
▲ホームケアとクリニックでのケアが大切だと説明する富澤院長
自分でしっかりと歯磨きをしているつもりでも、磨き残しがあることがほとんどです。歯に汚れが残っていると虫歯や歯周病などの原因になりますので、その汚れを定期的に歯科医院で落とすことが必要です。加えて、口の中の状態や環境には個人差がありますので、それを私たちが見つけて伝えてあげる。子どもの場合は、口の成長や発達に影響を与える悪い習癖が出てきていないかも確認する必要があります。それらのことを一般の人が自分で判断することは、まずできません。そのため、専門家である歯科医師の視点から口の中のチェックやアドバイスを受けることが重要です。予防は、ホームケアとクリニックでのケアの両方が大切だと言えるでしょう。
- Q何歳頃から通い始めるのが理想ですか?
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A
▲0歳から高齢者まで通える歯科医院
可能であれば、まだ歯が生える前の0歳の時から通っていただくのが良いでしょう。歯が生える前でも、離乳食をあげるときには椅子に座らせて、足はぶらぶらさせずに台などにつけさせて、体幹がフラフラしないように体をサポートしてあげる。また、離乳食をスプーンで口の奥まで入れずに、上顎でこそぎ取るようにしてあげるなど、母乳や離乳食のあげ方などのアドバイスができます。そうすることで、最近の子どもに多いように細く尖った顎ではなく、しっかりとした顎に成長させることがめざせます。また、最近のお子さんの多くは虫歯予防ができていますが、永久歯になってからも虫歯にならないようなケアや習慣をつけておくことも重要です。
- Q親自身の予防も大切ですよね。
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A
▲家族で予防の意識を高めていくことが大事
親御さんは、子どもの口の中のことが気になると思いますが、自分の口の中こともしっかりとケアをする必要があります。それは、親御さん自身が虫歯や歯周病で困ることがないようにすることはもちろんのこと、虫歯や歯周病の菌は親から伝播することがわかっているからです。親が自分の口の中をできるだけ健康で清潔な状態に保ち、そのリスクを少しでも下げることは、子どものためにも大切です。また、子どもが親の生活パターンに引き込まれると、食事の時間が遅くなり、そのまま歯磨きをしないで寝てしまうことが出てきたりしますし、子どもの仕上げ磨きも重要です。つまり、予防は家族全員で取り組む意識を持つことが大切なのです。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。