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田中 盛久 院長の独自取材記事

田中医院

(文京区/江戸川橋駅)

最終更新日:2019/08/28

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東京メトロ有楽町線江戸川橋の駅近く。地元の人でにぎわう地蔵通り商店街の中に「田中医院」はある。院長の田中盛久先生は漢方を専門としている。同院には、不妊症やニキビ、アレルギーなど慢性疾患で悩み、さまざまな医院を渡り歩いてきた患者が数多く通ってくるという。また未病、つまり病気になる前の段階のちょっとした不調にも漢方が用いられる。さらに漢方薬は症状の改善だけでなく体の調子を整えることも期待できるのだという。長年漢方医療に取り組んできた田中先生に、漢方の持つさまざまな魅力を聞いた。
(取材日2018年7月11日)

症状だけでなく体全体を診る漢方

先生は漢方を専門としていらっしゃいますね。

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基本的には治療に漢方薬を使います。漢方と西洋医学の一番の違いは、西洋医学では患者さんの症状に焦点を当てて診療するのに対して、漢方では患者さんの体全体を診るという点です。例えば血圧が高い場合、西洋医学では血圧を下げる薬を処方して終わりですが、漢方では患者さんの体のどこかにひずみがあるから血圧が上がるのだと考え、そのひずみを治せば血圧も下がり、体全体の治療になると考えます。この考えだと、漢方は、血圧だけでなく体全体の調子を整えることまで目的にしているんですね。これが漢方の一番の特徴です。

同じ症状でも人によって原因が違ったりするわけですね。

ですから、漢方の診療ではまず患者さんが診察室に入ってくるところから様子を見ます。顔色や声の張りを確認したり、おなかを触ったり、舌の様子を見たり、いろいろな方法で体全体を診ます。例えば目の調子が悪いとき、眼科では目しか診ませんが、漢方ではおなかも触りますし、便通の状態も尋ねます。その患者さんの体質を見極め、それに合った薬を処方するわけです。同じ頭痛といっても、何が原因になっているかは人それぞれですから、効く薬も違ってくる。胃の調子が悪い、食欲がないというときも、西洋医学ではこれといった薬がないのですが、漢方だとその人の体質に合わせていろいろな種類の薬を処方できるんです。薬の種類の多さも漢方の特徴でしょうね。

どういった患者さんが多いのですか。

やはりいろいろ治療法を試してみたけれど、なかなかよくならないという、慢性の疾患に悩んでいる方が多いですね。クチコミや人からの紹介、あるいは最近はインターネットで見てという方も少なくありません。不妊症やニキビなど重症の方が多く、どなたか良くなると、それを知ってまた、ということがよくあります。ニキビは西洋医学だと薬を塗ってニキビを抑え込むわけですが、体の内側に原因があるニキビの場合、薬をやめるとまた悪化したり、治りが今ひとつだったりします。漢方はそういうニキビにも処方できるんです。

女性も多いのでしょうか。

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女性の患者さんのほうが多いですね。漢方は未病といって病気になる前の段階、ちょっとした不調に対しても処方することができます。西洋医学では病気の名前がつかないと薬が出てきませんが、肩凝りやストレスなど病名のつけにくい症状に対しては漢方のほうが得意でしょう。生理痛、月経不順など女性特有の症状にも適した薬があります。

体質に合えばするりと飲める漢方の煎じ薬

診療するとき、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

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患者さんの気になっていることをすべて伺うことですね。ここへおいでになる方は、他の医師にかかってもよくならなかった経験を持つ場合が多く、「思っていることを聞いてもらえなかった」という不満をお持ちのようです。こちらとしても、患者さんの情報は多ければ多いほど良いので、すべてお話しいただけるよう努めています。患者さんにとっては取るに足らないことが、こちらにとっては大きなヒントになることもあります。こんなつまらないことと思わず、話していただきたいですね。

漢方薬は保険が適用されますか。

保険の適用される薬もありますが、生薬を使った煎じ薬は自費になります。いわゆる顆粒の漢方薬と煎じ薬の違いは、インスタントコーヒーと豆のコーヒーの違いと言ったらわかりやすいでしょうか。効能的には煎じ薬をお勧めしたいところですが、患者さんのご希望を伺っています。ほとんどの方が保険を利用なさっていますね。生薬はお米と同じようにランクがあって、良い生薬を使わないと効果が期待できません。そして良いものは安くはないのが難しいところです。顆粒の薬も煎じ薬も同じビルの中にある薬局にお願いして扱ってもらっています。

漢方薬は効き目が穏やかというイメージがありますが。

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穏やかというのはあてはまらないかもしれません。体質改善をめざしているような、慢性疾患の場合、症状が改善されるまで時間がかかります。一方で、こちらが驚くほど早く変化が現れる場合もありますよ。よく良薬は口に苦しといいますが、あれは西洋医学の薬の話なんですね。漢方の煎じ薬は、もし体に合っている薬ならば、苦い薬でも意外とするりと飲めるものなんです。体が欲しているからでしょうか。口に甘しとまでいうと大げさになりますが、それも漢方の良いところだと思っています。

ちょっとした不調や慢性の症状にも適している漢方

先生はなぜ漢方医を志されたのですか。

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漢方と出会ったのは、大学に入って、高校の先輩に「東洋医学研究会」というクラブに勧誘されたのがきっかけでした。でも本格的に勉強しようと思ったのは、大学を卒業して医師になってから。がんなど西洋医学の力ではどうにもならない患者さんがあまりに多かったからです。そういう患者さんでも症状を和らげるために漢方を使用できます。それを目の当たりにして、改めて北里大学東洋医学総合研究所に入所し、大学の先輩である丁宗鐵先生のもと、東洋医学の研究をしていました。でもやっているうちに自分は研究より臨床のほうに興味がわいてきたんですね。それでここで開業することにしたのです。

実践している健康法があればお教えください。

気をつけているのは睡眠と運動ですね。夜は12時までには寝るように心がけています。仕事中はどうしても座りっぱなしになりますので、昼休みには散歩をするようにしています。この辺りは文教地区で、調べると面白いところがたくさんあるんですよ。先日も漢方を扱い宮内省侍医も務めた浅田宗伯の診療所跡を訪ねて、新宿のほうまで出かけました。後はバランスの取れた食事をとることぐらいでしょうか。自分でも体調を崩した時など漢方薬を飲んでいますよ。他に趣味の家庭菜園でコリアンダー、バジルといったハーブなど栽培しています。ハーブには生薬に近いものがあるんです。育てながら、ちゃんと肥料をやらないと、植物も人間も育たないななどと、ふっと考えたりします。

普段の生活でアドバイスがあればお願いします。

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水をたくさん飲むことを推奨する健康法があるようですが、私は水分は取りすぎないようにと皆さんに言っています。もちろん必要な量は取らなければいけませんが、余分な水分を取ると「水毒」という状態になりやすいのです。今「水毒」の体質の人がとても増えています。そのせいで冷え性やめまい、耳鳴り、生理痛、食欲不振など起こしているのに、さらに水分を取ってしまったら病気は治りません。自分が水毒かどうか診断する一つのめやすとしては、夜型かどうか。水は温めにくく冷めにくいという性質を持っているため、朝はエンジンがかかりにくく、一度温まった後は夜まで元気が続くのが特徴の一つです。水毒に限らず、そんなことがと思うような些細なことが、何か病気のサインかもしれません。ちょっとした不調があったら、あるいはなかなか治らない慢性の症状があったら、一度お訪ねください。お力になれるかもしれません。

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