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布川朝雄 院長の独自取材記事

笹塚・代田橋透析クリニック

(渋谷区/笹塚駅)

最終更新日:2019/08/28

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京王線代田橋駅より徒歩5分、笹塚駅より徒歩7分。甲州街道沿いに2011年3月に開業した「笹塚・代田橋透析クリニック」は環状七号線交差点にも近く、車でのアクセスも便利な場所だ。透析の患者には自宅までタクシーの無料送迎も行っている。布川朝雄院長は約30年間にわたり、数多くの透析患者を診療してきたベテラン医師だ。その中には、血圧のコントロールが困難な人、糖尿病・狭心症・心不全・不整脈などのため、スムーズな透析が難しい人も数多くいたという。クリニックでは「一人ひとりの患者に合ったオーダーメイドの医療」を目標に、透析治療中も明るく優しいスタッフがきめ細やかにサポートしてくれる。布川院長に透析を専門としたきっかけや、専門医ならではのこだわりから、院長としてのやりがいや学生時代の思い出など、少しプライベートなことまでたっぷりと伺った。
(取材日2012年7月19日)

最新・最善の透析治療を提供するため、水を徹底的に清浄化

開業の際にとくにこだわった点は何でしょうか?

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できる限り患者さんに気持ちよく医療を受けていただきたいと思って設計しました。ここは2階ですから明るく景色もよく、とても開放的な雰囲気です。そのメリットを生かし、透析室の19台のベッドのほとんどが窓に面しています。各ベッドには地デジ対応テレビが備えつけられており、無料でご覧いただけます。院内はバリアフリーで、トイレには手すりと非常用ベルがついています。清潔で広々としたトイレですから、車いすの方、ご高齢の方、おからだの不自由な方も安心してご使用いただけます。男女別の更衣室もあり、お昼には昼食を無料でご提供しています。開院に当たっては、「自分が患者だったら、どういう空間で治療を受けたいか」を念頭に、知恵を絞りました。透析患者さんとは長いお付き合いになりますから、できる限り快適で健康的な生活を長期間送れるように、我々がお手伝いできればと考えています。

透析の“水”にとくにこだわりがあると伺いました。

はい。透析に使用する水を徹底的に清浄化し、徹底した維持管理を行っています。透析液中に混入したエンドトキシン等の物質が血液中に流入すると、長期間に及ぶ透析の間に、次第に動脈硬化や栄養状態の悪化などを引き起こします。ですから、水を徹底的に清浄化することが非常に大事なのです。最新の機器を使って水を浄化し、透析液は各透析監視装置で水質を検査しており、現在まですべてエンドトキシン測定感度以下の超純粋透析液を提供できています。医療機器の導入にあたっては、大学の図書館に何度も通い、各メーカーからも資料をいただき、選びました。

先生がめざすクリニック像とは?

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今の医療水準で、すべてにおいて最新・最善の医療を提供するという気持ちでいるんです。実際にはとても難しいことですが、当院のようなごく普通のクリニックでベストな医療を提供するというのが僕の目標ですね。一番の特徴は、患者さんは一人ひとり違いますから、その方に合ったオーダーメイドの医療を提供することに取り組んでいることです。例えば、糖尿病や狭心症、不整脈など持病をお持ちの方もいらっしゃるので、それに対応した透析や投薬の工夫が必要となります。また、人によって電解質は高すぎたり、低すぎたりですし、透析間の体重増加も千差万別です。さらに言えば、同じ患者さんでもその時々で違うんですね。患者さんの立場になって、きめ細やかな治療を行うためには、当然労力もかかりますし、経営的にはマイナスなのかもしれません。それでも一人でも多くの患者さんに、「このクリニックで透析を受けて良かった」と思ってもらえるように、当院らしい温かみのある治療を実現させていきたいと思います。

患者一人ひとりにオーダーメイドの治療に全力で取り組みたい

こちらのクリニックの主な患者層は?

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高齢者の方が多く、70歳以上の患者さんがとても多いのが特徴です。日本の平均的な透析患者より年齢層は少し高めで、男女比では男性の患者さんが圧倒的に多いです。近隣にお住まいの初診の患者さんもこの1年で増えてきました。ご自宅からクリニックまでタクシーの無料送迎を行っていますので、近隣にお住まいの方が多いように思います。また、無料で昼食を提供させていただいておりますが、一人暮らしの老人の方にはよろこんでいただいております。このほかにも、周辺の医療機関からの紹介の方もお見えになっています。透析が主体のクリニックですが、診療科目は内科・腎臓内科・循環器内科です。透析の患者さんは循環器系の疾患を起こしやすいので、長年、透析医療に携わるうちに、必要にせまられ循環器の勉強をしてきました。

先生の診療方針についてお聞かせください。

先ほども少し触れましたが、患者さん一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療です。透析の患者さんの場合、血圧の管理が普通の方よりも難しいので、とくに気を配ります。来院時は血圧が高くても、透析中に血圧が下がってくる方がとても多いですから、どうやって血圧の変動を少なくするかが課題です。血圧のコントロールをうまく行うことは、患者さんの寿命の延長にもつながります。また注意しなければいけないのは、患者さんによって危険因子が異なることです。コレストロールやリン、血糖値など、患者さんの医療上の必要を優先し、一人ひとりの患者さんに合った医療に取り組んでいます。具体的な治療法が人によって異なることが、最大の難点です。血圧を100%コントロールすることは難しいですが、透析方法や内服薬を工夫するなど、約30年にわたり数多くの患者さんを診てきた経験と専門知識を生かし、最善の治療を行えるよう日々努力しています。

患者と接する際に、心がけていらっしゃることは?

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まず、患者様のお話をよく聞き、できるだけ希望を尊重できる方法はないかと考えます。透析を始めると食事を中心に、日常生活にさまざまな制限が発生します。自分に置きかえますと、あれもこれもだめだと言われるのはとてもつらいですよね。とくに高齢の方の場合、食事を制限したばかりに食べなくなってしまっては、かえって寿命を縮めることにもなりかねません。ですから患者さんの楽しみをすべて奪うのではなく、なんとか折り合いをつけられないかと考えます。例えばどうしても塩気のある物を食べたい、リンの高いチーズが食べたいという方には、「絶対やめてください」と言うのではなく、「透析が始まって最初の1時間の間ならOK」などとお話します。本当は食べないのが一番なのですが、患者さんの人生の楽しみをすべて奪うわけにはいきませんからね。その時間帯なら、食べたものが大部分透析で抜けるので、「どうしても」とおっしゃる方にはそのような指導をしています。お酒も飲まない方がよいのですが、我慢できない方には「透析のない日に少量なら」と許可を出すこともあります。

患者と共に病気に向き合う透析治療は自分の天職

先生が医師を志したきっかけは?

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昔から数学と歴史と物理が得意で、理系の道に進むのだろうとは思っていました。ただ、大学受験の時に、エンジニアになるか医者になるかで相当悩んだのも事実です。ギリギリまで迷った末、医学部に進んだのは開業医をしている叔父の存在が大きかったかもしれません。叔父は患者さんとの距離がとても近く、常にいきいきと仕事をしていました。患者さんにも信頼され、感謝されている姿を見るうちに、「医者という仕事もいいな」と思ったのです。ただ英語が苦手でした。東京大学医学部に合格した時には、高校の先生から「お前の英語でよく合格できたものだ」と言われたぐらいでした(笑)。

なぜ透析を専門にされたのですか?

東大病院第一内科入局後の研修で、透析の権威である前田貞亮先生のもとで本格的に透析の勉強をさせていただく機会に恵まれました。これは全くの偶然だったんです。以降30年近く透析を専門に診療を行ってきましたが、今振り返ってみると、患者さんと長くお付き合いできる透析治療は、自分の性格にとても合っていたのだと思います。医者と患者というより、気心の知れた患者さんと「病気に対して一緒に取り組んでいく」という感覚が、自分の感性に合っていますし、やりがいを感じる部分でもあります。自分に合った仕事は自ずと得意にもなるもので、開業前は透析クリニックの院長やセンター長などを務め、「いい仕事ができたのかな」という実感がありました。

休日はどのように過ごされていますか?

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趣味と呼べるものはあまりないのですが、休日は近所の公園を散歩してリフレッシュしています。昔から歴史が好きでしたから、歴史小説もよく読みます。司馬遼太郎の『坂の上の雲』や、塩野七生の『ローマ人の物語』などのベストセラー作品は、やはりおもしろかったですね。『坂の上の雲』は一つの目標に向かって、皆で一生懸命頑張る姿に感動し、共感する部分が多かったです。もし長期の休みが取れれば海外旅行にも出かけたいですが、長い休みを取れない仕事を自分で始めてしまったものですから、その希望はしばらく叶いそうにありません(笑)。開業して約1年4カ月になります。自分の理想に少しは近づいたと感じていますが、今後も「透析治療が必要になったら、自分のクリニックで受けたい」と心から思えるようなシステムを確立させていきたいと思います。

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